ABSTRACT
10月発表データのレビュー
- 今回の予測では、10月末までに発表されたデータを更新した。家計消費関連、公共工事、及び国際収支状況を除けば、7-9月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼすべてが更新された。
 - 9月の生産指数は前月比+2.2%上昇し3カ月ぶりのプラス。結果、7-9月期は前期比-0.1%低下し、小幅ながら2四半期ぶりのマイナスとなった。
 - 7-9月期を前期と比較すれば、消費財出荷指数は2四半期連続のマイナス。資本財出荷指数は2四半期ぶりのマイナス。建築工事費予定額は2四半期ぶりのプラスだが、進捗ベースでは、マイナスの可能性が高い。このため、7-9月期の実質民間需要は前期から減少の可能性が高い。
 - 7-8月平均を4-6月平均と比較すれば、公共工事は+0.9%増加にとどまった。デフレータの上昇を考慮すれば、7-9月期の実質公的需要も減少の可能性が高い。
 - 7-9月期の輸出入動向(日銀ベース)を前期と比較すれば、実質輸出額は-1.1%と2四半期連続で、実質輸入額は-1.3%と3四半期ぶりに、それぞれ減少した。同期の実質財貨純輸出は実質GDP成長率に小幅のプラス寄与となる。
 
DETAIL
7-9月期実質GDP成長率予測の動態
▶最新のデータを更新の結果、CQM(支出サイド)は、7-9月期の実質GDP成長率を前期比年率-2.8%とマイナス成長を予測した。前回の予測(-3.1%)から上方修正。また、生産サイド(主成分分析モデル)は、同-1.1%と予測。結果、両モデルの平均予測は同-1.9%と6四半期ぶりのマイナス成長の可能性が高い。10月の市場コンセンサスは同-1.35%とともにマイナス成長を予測している。

7-9月期インフレ予測の動態
▶9月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.9%と49カ月連続の上昇だが、インフレ率は4カ月ぶりに前月から加速した。
▶今回のCQMは、7-9月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.0%、国内需要デフレータを同+0.2%と予測。交易条件は小幅改善、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.2%と予測する。
