ABSTRACT
<総括判断>
- 関西の景気の現況については、景気動向指数(現況判断CI)は当月の前月差がマイナス、3カ月後方移動平均が7カ月ぶりにマイナスとなった。ただし、基調判断修正の基準を満たしていないため、前月の判断を据え置いた。
- 先行きについては、景気先行指数(関西CLI)の当月の前月差がマイナス、7カ月後方移動平均も8カ月連続で悪化した。ただし、基調判断修正の基準を満たしていないため、前月の判断を踏襲した。
<項目別動向>
- 【EXPO2025レビュー】期間中の累計入場券販売枚数は2,207.0万枚であった。当日券は全体の78.3%、複数入場券は全体の3.1%となった。
- 【生産・労働関連】9月の生産は3カ月ぶりの増産だが、7-9月期では2四半期ぶりに低下し、生産は弱い動き。9月の失業率は前月から横ばい。同月の労働力人口と就業者数はともに減少し、7-9月平均では、いずれも3四半期ぶりの減少。8月の実質現金給与総額は4カ月ぶりの減少となった。
- 【内需関連】9月の大型小売店販売額はインバウンド需要の回復や在阪球団優勝セールの影響により2カ月連続で前年を上回った。新設住宅着工戸数は持ち直しているが、駆け込み需要前の水準を依然回復できていない。同月の建設工事出来高は6カ月連続で前年を下回ったが、10月の公共工事請負金額は4カ月連続で上回った。
- 【景況感】10月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で、先行き判断DIは2カ月ぶりに改善した。関西では現状判断DI、先行き判断DIともに景気判断の分岐点である「50」を上回っており、景況感は持ち直している。
- 【外需関連】10月の輸出は13カ月連続で前年を上回ったが、輸入は4カ月連続で下回ったため、貿易収支は9カ月連続の黒字となった。同月の関空への外国人入国者数は3カ月連続で2桁の伸びを維持したが、対中関係悪化の影響には注視が必要である。
- 【中国経済】10月の生産、消費の回復ペースはともに減速。物価は大型連休中の旅行需要の高まりでプラスに転じた。一方、不動産市場は依然低迷、雇用情勢も大きな改善がみられない。政府は市場刺激策を打ち出すが、顕著な回復はみられず、デフレ圧力が強い状態が続いている。
【関西経済のトレンド】
