ABSTRACT
- APIRでは、大阪・関西万博の経済波及効果を、これまで5回の試算を行っており、2025年12月には、万博関連事業費と来場者消費の総合効果として、3兆541億円(生産誘発額)(2025年推計)を公表しておりました。
- 今般、万博関連事業費の実績値を反映し、APIRにおける経済波及効果の最終検証として、大阪・関西万博の経済波及総効果は、3兆5,121億円(生産誘発額)(最終推計)となりました。
※詳細な分析内容については本文を参照
DETAIL
我々は大阪・関西万博の経済波及効果について、これまで5回の試算を行ってきた。4回目までは一定の仮定に基づいた推計であり、5回目(2025年12月)はアンケート結果に基づく来場者消費の実績を反映した。本稿では、万博関連事業費についても実績を反映し、経済波及効果の最終検証とする。得られた結論を整理すると以下のようになる。
- 最終推計では、大阪・関西万博の経済波及効果は3兆5,121億円と、2024年推計の拡張万博ケース(3兆3,667億円)、基準ケース(2兆7,457億円)のいずれも上回った。うち、万博関連事業費は最終推計が2024年推計(基準及び拡張万博ケース)を上回った。ただ来場者消費は最終推計が基準ケースを上回ったが、拡張万博ケースを下回った。
- 経済波及効果を府県別にみると、大阪府に5%集中したが、開催地以外の府県に38.5%と一定の効果がみられた。うち万博関連事業費は、大阪府74.4%、開催地以外の府県25.6%と大きかった。来場者消費は、想定より開催地以外の府県にその効果(53.2%)が均霑したが、拡張万博の観点からみれば一部地域(大阪府と京都府:58.3%)に効果はとどまった。
- 本稿では経済波及効果を短期的な視点からみた。中長期的に、大阪・関西万博の成果を関西、日本の今後の持続的な経済成長に繋げていくためには、ビジネスマッチングの実効化や新技術の社会実装、投資を一層拡大する企業家精神や政策措置の後押しが必要である。
- 重要なのは積極的な投資であり、未来においてその成果を着実なものとしなければならない。万博は未来への投資であり、短期的な成果(需要サイド)のみならず中長期的な成果(供給サイド)が重要となってくる。