ABSTRACT
2月発表データのレビュー
- 今回の予測では、2月末までに発表されたデータを更新した。労働力調査、家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、1-3月期GDP推計に必要な基礎月次データの約1/3が更新された。
- 2月17日発表のGDP1次速報によれば、10-12月期の実質GDPは前期比年率+2.8%と3四半期連続のプラス成長。実績は市場コンセンサスの最終予測を大きく上回った。一方、CQM最終予測は実績にピンポイントとなった。
- 1月の生産指数は前月比-1.1%低下し3カ月連続のマイナス。結果、1月は10-12月平均比-2.0%低下した。
- 1月を10-12月平均と比較すれば、建築工事費予定額は+1.5%増加したが、資本財出荷指数は-9.7%と大幅低下した。1-3月期の実質企業設備は低迷の可能性が高い。
- 1月の輸出入動向(日銀ベース)を10-12月平均と比較すれば、実質輸出額は-1.6%減少し、実質輸入額は+6.7%増加した。春節の影響もあり、1月の実質財貨の純輸出は実質GDP成長率にマイナス寄与となった。
DETAIL
1-3月期実質GDP成長率予測の動態
▶最新のデータを更新の結果、CQM(支出サイド)は、1-3月期実質GDP成長率を前期比-0.6%、同年率-2.4%と予測する。うち、国内需要は実質GDP成長率に対して前期比+0.1%ポイント、春節の影響もあり純輸出は同-0.7%ポイントのマイナス寄与度。一方、主成分分析モデルは、前期比年率-1.6%と予測。両モデルの平均予測は同-2.0%となった。2月のコンセンサス予測は同+1.11%と、CQMの予測を上回っている。
1-3月期インフレ予測の動態
▶1月の全国消費者物価総合指数は前年同月比+4.0%と41カ月連続の上昇。インフレ率が4%を超えるのは2023年1月(同+4.3%)以来である。
▶今回のCQMは、1-3月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+1.1%と予測。国内需要デフレータを同+0.8%と予測。一方、交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.2%と予測する。