研究者紹介

researcher

研究者紹介

吉田 茂一

吉田 茂一2020年4月現在

APIR研究推進部員

学歴

  • 大阪市立大学経済学部卒業
  • 神戸大学大学院経済学研究科博士前期課程修了
  • 大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程在学中

職歴

  • 一般財団法人アジア太平洋研究所研究部員(2020年4月~)
  • 大阪経済法科大学経済学部非常勤講師「農業経済学」(2020年4月~)
  • 桃山学院大学非常勤講師「経済情報処理演習Ⅰa・Ⅰb」(2020年4月~)

主な論文

  • 吉田茂一(2019)「中国農業の生産関数の推定と成長要因の計量分析―日本との比較―」国際開発学研究Vol.19,No.1, 拓殖大学国際開発研究所

論文一覧

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.125-景気は足下改善、先行きは足踏みの兆し: 輸出停滞と生産伸び悩みによる景気下押し圧力に注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 新田 洋介

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下改善、先行きは足踏みの兆しがみられる。足下、生産は2カ月ぶりの減産となり、低調な動きとなった。雇用環境は失業率が悪化したが、労働力人口と就業者数の増加で、持ち直しの動きを維持している。消費は百貨店を中心に回復しており、景況感はインバウンド需要の増加もあり改善。先行きは海外経済悪化による輸出の停滞と生産の伸び悩みが景気の下押し圧力となっており、足踏みの兆しがみられる。
    ・7月の生産は2カ月ぶりに前月比低下。生産用機械、汎用・業務用機械や化学(除.医薬品)等が減産に寄与しており、生産は低調な動きとなった。
    ・7月の失業率は4カ月ぶりに悪化したが、労働力人口と就業者数はいずれも増加した。雇用情勢は持ち直しの動きを維持している。また、新規求人数と新規求職者数がともに大幅増加し、足下労働需給の動きが活発となっている。
    ・6月の現金給与総額は19カ月連続の前年比増加となり、伸びは前月より縮小した。一方、実質ベースでは減少が続き、減少幅は前月より拡大した。
    ・7月の大型小売店販売額は22カ月連続の前年比増加となった。うち、百貨店は衣料品とその他の商品などが高い伸びを示し、インバウンド需要も堅調。スーパーは10カ月連続で拡大した。
    ・7月の新設住宅着工戸数は2カ月連続で前月比減少。マンションの大幅減少により全体が押し下げられた。
    ・7月の建設工事は前年比増加が続くものの、関西は減速、全国は加速となった。うち公共工事については依然として全国より関西のほうが伸びは高いが、減速が目立つ。また、8月の公共工事請負は、前年比減少に転じた。
    ・8月の景気ウォッチャー現状判断は2カ月連続の前月比改善。インバウンド需要の増加や行動制限のない夏祭り等のイベントの開催が好影響した。一方、先行き判断は円安進行や原油価格高騰への懸念から2カ月ぶりに悪化した。
    ・8月の関西の貿易は輸出入ともに前年比減少だが、どちらも減少幅は前月から縮小となった。輸出は4カ月連続で1桁の減少にとどまる。なお、対中食料品輸出の動向については、p.14【BOX】において分析を行っている。
    ・8月の関空への外国人入国者数はコロナ禍前の9割に迫る水準となり、コロナ禍前をほぼ回復した。
    ・8月の中国経済は、生産と消費はともに増加し、回復ペースは前月より加速した。ただし、住宅販売の不振による影響で耐久財消費の低迷が続いている。長引く雇用情勢の悪化と不動産市場の不況は景気回復の足かせとなっているため、7-9月期の経済成長率は前期より減速する可能性が高い。

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  • 野村 亮輔

    中国人客の回復とインバウンド戦略について

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    野村 亮輔 / 稲田 義久 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    2023年8月10日に中国政府は日本への団体旅行を解禁した。そのため、23年後半以降、インバウンド需要の加速が期待される。本稿では中国人客の団体旅行解禁が日本及び関西に与える経済的影響を一定の仮定を置き分析した。分析内容を整理し、得られた含意は以下の通りである。

    1.  水際対策が大幅緩和された2022年10月以降訪日外客数は急拡大し、中国人客を除けば23年7月に2019年同月の水準を上回った。この間、回復には3四半期程度を要した。
    2.  中国人客の回復については、2023年8月の団体旅行解禁から3四半期をかけて中国人客が100%回復するCase1を想定。なお、回復パターンについてはこのベースラインに対して中国経済や対日関係の変化の影響をも考慮し、回復が遅れる2つのケースを想定した。
    3.  各Caseに基づいて訪日中国人旅行消費額を推計すれば、2023年度においてCase1では全国で1兆7,631億円、関西で6,044億円となる。Case2では全国で1兆4,926億円、関西で5,114億円。Case3では全国で1兆2,222億円、関西で4,183億円と試算される。
    4.  中国人客の回復は、コロナ禍により鮮明になってきた労働供給制約の課題を一層強く意識させる。このため、生産性向上を目指し、DX推進に向けた投資の一層の拡大が必要となろう。
    5.  今回のケースはこれまでのインバウンド戦略を再考するにあたり重要な教訓となる。団体旅行解禁により、上昇した消費単価を低下させないよう、高付加価値サービスを提供することが一層重要となろう。すなわち、これまでのモノ消費からコト消費への転換を一層推進する仕組みづくり(インバウンド戦略)が必要となろう。
    6.  また、団体旅行客の増加による観光地におけるオーバーツーリズム現象の解消も課題である。観光地への観光客集中を避けるためにも、他地域への周遊促進が一層重要となる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.65 -緩やかな回復が続くが力強い回復には未だ至らず:米欧中の経済動向に注視が必要-

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    1. 2023年4-6月期の関西経済は、緩やかな回復が続いている。家計部門では一部弱含みとなっているが、総じて緩やかに持ち直している。企業部門では、生産や景況感は底堅く推移しており、設備投資計画も旺盛である。海外部門では、中国経済の停滞が影響し輸出・輸入ともに前年を下回った。インバウンド需要はコロナ禍前の水準をほぼ回復した。先行きは、物価の動向および米欧中の経済動向に注視が必要である。
    2. 家計部門は前期に引き続いて緩やかに持ち直している。センチメント、大型小売店販売は堅調に推移している。ただし物価高に伴う実質所得の減少や節約志向の高まりにより、本格的な回復には至っていない。所得・雇用環境、住宅市場などでは回復に一服感が見られ、弱含みとなっている。
    3. 企業部門は、製造業・非製造業ともに底堅く推移している。製造業は、原材料価格の高騰や海外経済の減速などから弱含みではあるが、緩やかに改善している。非製造業は、経済活動再開やインバウンド需要の回復で、宿泊・飲食など対面型サービスを中心に総じて復調している。また23年度の設備投資計画は製造業・非製造業とも旺盛で、増勢となった前年度からさらなる加速が見込まれている。
    4. 対外部門のうち、財の貿易については輸出・輸入ともに前年を下回った。輸出を地域別に見ると、欧米向けは前年比プラスを維持し堅調であったが、中国向けは低調で2四半期連続のマイナスとなった。インバウンド需要は順調で、関空経由の外国人入国者数や免税売上高はコロナ禍前の水準をほぼ回復した。
    5. 公的部門は前期から引き続き、堅調に推移している。特に4-6月期は前年比で大幅増加となった。
    6. 関西の実質GRP成長率を2023年度+1.6%、24年度+1.4%と予測。21年度以降は1~2%の緩やかな回復基調を維持し、23年度にコロナ禍前(19年度)のGRP水準を回復する。前回予測(5月30日公表)に比べて、23年度は+0.3%ポイントの上方修正、24年度は-0.3%ポイントの下方修正とした。
    7. 成長に対する寄与度を見ると、民間需要は23年度+1.0%ポイント、24年度+1.2%と成長の牽引役となる。また公的需要も23年度・24年度ともに+0.4%ポイントと成長を下支える。域外需要は23年度+0.2%ポイント、24年度-0.1%ポイントと低調に推移する。
    8. 日本経済予測と比較すると、23年度の外需では、足下での中国向け輸出の停滞を反映し、関西では日本経済予測より小幅の寄与にとどまる見通し。24年度は次年度に万博開催を控えていることから公的需要の押し上げが大きく、日本経済を上回る成長となる。
    9. 今号のトピックスでは、「コロナ禍と関西のホテル建設」および「インバウンド戦略と中国人客の回復」を取り上げる。

     

     

    ※説明動画は下記の通り5つのパートに分かれています。

    ①00’00”~02’37”: Executive summary

    ②02’37”~24’43”: 第144回「景気分析と予測」

    <財輸入の減少、サービス輸出の拡大で実質GDPはコロナ禍前のピークを超える>

    ③24’43”~34’38: Kansai Economic Insight Quarterly No.65

    <緩やかな回復が続くが力強い回復には未だ至らず:物価高と米欧中の経済動向に注視が必要>

    ④34’38”~39’20”: トピックス<コロナ禍とホテル建設>

    ⑤39’20”~44’26”: トピックス<インバウンド戦略と中国人客の回復>

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.124-景気は足下改善、先行きは足踏みの兆し: インバウンド需要回復も輸出減速が景気下押しリスク-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 新田 洋介

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下改善、先行きは足踏みの兆しがみられる。足下、生産は3カ月ぶりの増産だが、回復のペースは緩慢。雇用環境は失業率が改善した一方で、求人倍率は悪化しており鈍化がみられる。消費は百貨店売上を中心に好調で、景況感はインバウンド需要の増加もあり改善した。先行きは海外経済悪化による輸出減速が景気下押しリスクとなっており、足踏みの兆しがみられる。
    ・6月の生産は3カ月ぶりの前月比上昇。4-6月期は3四半期ぶりの前期比上昇だが、1-3月期の落ち込みを回復できていない。
    ・6月の失業率は3カ月連続で低下した。4‐6月期は失業率、労働力人口と就業者数はいずれも前期より改善。雇用の回復が進んでいる。ただし、原材料価格の高騰や海外景気の減速による影響もあり、足下新規求人数が減少した。
    ・5月の現金給与総額は18カ月連続の前年比増加となり、伸びは前月より拡大した。春季労使交渉の結果が名目賃金の上昇に反映されているようである。結果、実質ベースでの減少は続いているが、減少幅は前月より縮小した。
    ・6月の大型小売店販売額は21カ月連続の前年比増加となった。うち、百貨店は外出機会の増加で、衣料品と化粧品などが好調。スーパーは9カ月連続で拡大した。
    ・6月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月比減少。持家、貸家と分譲はいずれも減少した。
    ・6月の建設工事出来高は18カ月連続の前年比増加。伸びは前月から大きく減速したものの、全国に比して関西の伸びが大きい状態が続いている。また、7月の公共工事請負は、前月に続き大幅増加した。
    ・7月の景気ウォッチャー現状判断は3カ月ぶりの前月比改善。インバウンド需要の増加や夏物商材の売上が好調だったこともあり、小売関連が改善した。また、先行き判断も4カ月ぶりに改善した。
    ・7月の関西の貿易は輸出入ともに前年比減少となった。輸出は3カ月連続で1桁の減少にとどまっているが、輸入は3カ月連続で2桁の減少となっている。そのため、貿易収支は前年同月から改善となった。
    ・7月の関空への外国人入国者数は60万人を超え、コロナ禍前の8割に迫る水準まで回復した。
    ・7月の中国経済は、生産と消費はともに回復が続いているが、その勢いが鈍化した。住宅市場の冷え込みが進み、関連産業の需要を下押ししており、景気回復の足かせとなっている。そのため、7-9月期の経済成長率は前期より減速する可能性が高い。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.123-景気は足下改善、先行きは足踏みの兆し: 消費は緩やかに回復も輸出減速が景気下押しリスク-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 新田 洋介

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下改善、先行きは足踏みの兆しがみられる。足下、生産は2カ月連続の減産だが、1-3月期から幾分持ち直している。雇用環境は底堅く推移し、消費は緩やかに回復している。一方、景況感は物価やコストの上昇もあり悪化が続く。先行きについては海外経済悪化による輸出の減速が景気下押しリスクとなっており、足踏みの兆しがみられる。
    ・5月の生産は2カ月連続の前月比低下。電気・情報通信機械、輸送機械や化学(除.医薬品)等が減産に寄与した。4-5月平均は1-3月期平均に比して幾分持ち直している。
    ・5月は失業率が2カ月連続で改善し、4‐5月期の労働力人口と就業者数の平均値はいずれも1‐3月期平均を上回っている。また、有効求人倍率が横這いで、新規求人倍率が上昇した。雇用環境は底堅く推移している。
    ・4月の現金給与総額は26カ月連続の前年比増加となったが、目立った増加が見られず、春季労使交渉の結果は速報値に十分に反映されていないようである。実質ベースでは14カ月連続で減少した。
    ・5月の大型小売店販売額は20カ月連続の前年比増加となった。うち、百貨店は外出機会の増加で、衣料品と化粧品などが好調。スーパーは8カ月連続の増加となった。
    ・5月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月比増加。前月の反動増の影響もあり、貸家と分譲は大幅に増加した。
    ・5月の建設工事出来高は17カ月連続の前年比増加。4カ月連続で2桁の伸びとなった。うち公共工事は2桁の伸びが5カ月続いている。また、6月の公共工事請負をみれば、兵庫県神戸市の再開発工事に関連する発注が影響し、2カ月連続の大幅増加となった。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断は2カ月連続の前月比悪化。物価やコスト上昇が続いたことに加え、天候不順で客足が減少したことが影響した。また、先行き判断も3カ月連続で悪化した。
    ・6月の貿易は輸出入ともに前年比減少となり、どちらも減少幅は前月から拡大した。特に輸入は2カ月連続で2桁のマイナスとなった。結果、4-6月期の輸出は前年同期比-4.3%と11四半期ぶりの減少、輸入は同-11.0%と10四半期ぶりの減少となった。
    ・6月の関空への外国人入国者数は2カ月連続で50万人超の水準となり、コロナ禍前の7割を回復した。4-6月期では、16年4-6月期に次ぐ水準となった。
    ・中国の4-6月期実質GDPは前年同期比+6.3%と前期から加速した。しかし、その背景には前年に実施されたロックダウンに対する反動増がある。足下は雇用回復が緩慢なため家計の先行き不安が強く、需要の持ち直しは弱い。そのため、雇用の大幅な改善が見込めない限り、7-9月期の経済成長率は前期より減速する可能性が高い。

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