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・関西の景気は足下改善、先行きも改善を見込む。足下、生産は依然コロナ禍前の水準を下回るが、2カ月連続の増産。雇用環境は持ち直しの動きに一服感がみられるが、消費・景況感は持ち直している。消費の持ち直しから先行きは改善を見込むが、欧米などの海外経済の減速が景気下押しリスクとなろう。
・3月の生産は2カ月連続の前月比上昇。電気・情報通信機械や電子部品・デバイス等が増産に寄与した。ただし、1-3月期でみれば、1月の大幅減産が影響し、2四半期連続の低下。また水準は依然コロナ禍前を下回っている。
・3月は失業率が前月から上昇したと同時に、就業率の低下が見られた。また、有効求人倍率は3カ月連続、新規求人倍率は2カ月連続でいずれも低下した。1-3月期は雇用環境の回復が一服したとみられる。
・2月の現金給与総額は24カ月連続の前年比増加となったが、実質では12カ月連続で減少した。電気・ガス料金の抑制策にもかかわらず依然として消費者物価指数の上昇率は名目賃金の伸びを上回っているためである。
・3月の大型小売店販売額は18カ月連続の前年比増加となった。うち、百貨店は外出機会の増加で、衣料品と身の回り品の需要が増え、売上をけん引した。スーパーは6カ月連続の増加となった。
・3月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月比増加した。1-3月期は分譲の寄与もあり、4四半期連続の増加となった。
・3月の建設工事出来高は15カ月連続の前年比増加となった。伸びは4カ月ぶりに減速したものの、うち公共工事は2カ月連続で大幅な伸びが続いている。なお、4月の公共工事請負金額は4カ月ぶりの減速となった。
・4月の景気ウォッチャー現状判断は5カ月連続の前月比改善。経済社会活動の正常化に加え、インバウンド需要の回復が好影響した。一方、先行き判断は5カ月ぶりに小幅悪化。生活必需品などの値上げが景況感に悪影響した。
・4月の貿易収支は3カ月連続の黒字となった。輸出は3カ月連続の前年比増加だが、小幅の伸びにとどまった。一方、輸入は27カ月ぶりに前年比減少に転じたためである。
・4月の関空への外国人入国者数は2カ月連続で40万人超の水準となった。先行きについては水際対策の終了で入国者数の回復が続くと見込まれるが、重要なのはこれまで遅れていた中国客の戻りである。
・4月の中国経済は、前年実施されたロックダウンに対する反動による影響もあり、生産と消費の回復は加速した。しかし、雇用の持ち直しが緩慢であるため、耐久財や住宅の回復は依然緩やかである。4-6月期は小幅な成長加速が見込まれるが、今後景気回復が持続的になるためには雇用回復が欠かせない。