都道府県別訪日外客数と訪問率:3月レポート No.82

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ABSTRACT

【ポイント】

・JNTO訪日外客統計によれば、3月の訪日外客総数(推計値)は361万8,900人。前年同月比+3.5%、2カ月連続のプラスだが小幅増加にとどまっている。中国人客の大幅減少は続いているものの、韓国人客や台湾人客が全体を押し上げた。

・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば、1月は359万7,881人。うち、観光客は324万2,173人、伸びは前年同月比-6.2%と2022年7月(同-28.9%)以来のマイナスに転じた。

・4月8日以降、米国とイランとの停戦交渉が協議されているが、合意には至っておらず、依然として中東情勢の不確実性は高いままである。中東情勢の悪化により航空燃料価格の高止まりに加え、欧州では航空燃料不足による航空便の運航スケジュールの見直しが検討されている。このため、引き続き訪日外客にとっては大きな下押しリスクとなろう。

 

【トピックス1】

・関西3月の輸出額は18カ月連続の増加だが、伸びは前月から大幅縮小。一方、輸入額は2カ月ぶりの増加となった。結果、関西の貿易収支は14カ月連続の黒字。輸出、輸入ともに増加したが、前者の伸びが後者の伸びを上回ったため、黒字幅は前年同月比+24.8%拡大した。

・3月の関空への訪日外客数は77万3,313人であった。前年同月比-9.3%と4カ月連続で減少、減少幅は前月から拡大。長引く日中関係の悪化で中国人客減少の影響が続いている。

・3月の第3次産業活動指数は2カ月連続のマイナス。また、対面型サービス業指数は「医療、福祉」や「生活関連サービス業、娯楽業」などが低下に寄与し、3カ月ぶりのマイナス。観光関連指数は「宿泊業、飲食サービス業」や「劇場・興行団」等が低下した影響で、2カ月ぶりのマイナスとなった。

 

【トピックス2】

・1月の関西2府8県の延べ宿泊者数は8,899.5千人泊。前年同月比-12.2%と4カ月連続の減少となった。日本人宿泊者、外国人宿泊者いずれも減少が続いているが、特に外国人宿泊者が大幅減少しており、宿泊者全体を押し下げた。

・うち、日本人延べ宿泊者数は4カ月連続で、外国人延べ宿泊者数は7カ月連続でそれぞれ前年を下回った。

 

【トピックス3】

・2026年1-3月期における訪日外国人消費額(速報、全目的ベース)は2兆3,378億円となった。前年同期比+2.5%、増加幅は前期(同+10.3%)から縮小し、1桁の伸びにとどまった。日中関係悪化が影響し、訪日中国人客の消費額が大幅減少した影響が表れた。

・一般客1人1泊当たり旅行支出(全目的)は2万1,390円となった。前年同期比-12.7%と、2四半期ぶりのマイナス。宿泊費が7,851円(同-4.8%)と最も多く、次いで買物代が5,380円(同-24.9%)、飲食費が4,898円(同-10.7%)、交通費が2,153円(同-11.9%)、娯楽等サービス費が1,049円(同-4.7%)と続いている。伸び率をみれば、すべての費目が前期から減少した。

 

DETAIL

ポイント

●4月発表データのレビュー:JNTO 訪日外客数

▶JNTO訪日外客統計によれば(図1及び表4)、3月の訪日外客総数(推計値)は361万8,900人であった。前年同月比+3.5%、2カ月連続のプラスだが小幅増加にとどまっている。中国人客の大幅減少は続いているものの、韓国人客や台湾人客が全体を押し上げた。また、同月の出国日本人数は151万9,000人。同+6.7%と2カ月ぶりのプラス。ただし、19年同月比では-21.3%と依然コロナ禍前の水準を回復できずにいる。1-3月期の訪日外客数は1,068万3,481人、5四半期連続で1,000万人超の水準となった。前年同期比+1.4%と14四半期連続の増加だが、10-12月期(同+10.4%)から増加幅は縮小し、1桁の伸びにとどまった。なお、同期の出国日本人数は368万4,852人であった(同+4.8%)。19年同期比では-25.1%となっている。

 

▶訪日外客数のトップ5を国・地域別にみると(図2及び表4)、3月は韓国が79万5,600人(前年同月比+15.0%)と最多であった。次いで台湾が65万3,300人(同+24.9%)、米国が37万5,900人(同+9.7%)、中国が29万1,600人(同-55.9%)、香港が21万6,300人(同+3.8%)と続く。日中関係悪化の影響もあり中国人客は4カ月連続で大幅減少した。なお、中東地域は1万6,700人で同-30.6%大幅減少し、2カ月連続のマイナス。

 

▶目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば(表5)、1月は359万7,881人となった。前年同月比-4.9%、2022年1月以来(同61.8%)のマイナス。うち、観光客は324万2,173人となり、伸びは同-6.2%と2022年7月(同-28.9%)以来のマイナスに転じた。一方、その他客は27万793人(同+12.0%)、商用客は8万4,915人(同+0.2%)であった。

 

▶IATA(国際航空運送協会)が4月29日に公表した2026年3月の世界の航空旅客需要によれば、全地域(国際線)の旅客輸送需要量は前年同月比-0.6%、座席供給量は同-6.2%それぞれ減少した(図3)。米国とイスラエルのイラン攻撃により、中東地域が大幅減少(旅客需要量:同-60.8%、座席供給量:同-56.9%)した影響が表れた。4月8日以降、米国とイランとの停戦交渉が協議されているが、合意には至っておらず、依然として不確実性は高いままである。中東情勢の悪化により航空燃料価格の高止まりに加え、欧州では航空燃料不足による航空便の運航スケジュールの見直しが検討されている。このため、引き続き訪日外客にとっては大きな下押しリスクとなろう。

 

 

トピックス1

●3月関西の財貨・サービス貿易の動向

▶関西3月の輸出額は前年同月比+13.9%と18カ月連続で増加し、増加幅は前月の同+3.7%から拡大した。また、輸入額は同+11.1%と2カ月連続の増加。結果、関西の貿易収支は+5,178億円と14カ月連続の黒字(図4)。輸出、輸入ともに増加したが、前者の伸びが後者の伸びを上回ったため、黒字幅は前年同月比+24.8%拡大した。結果、1-3月期の貿易収支は+8,581億円、14四半期連続の黒字となり、黒字幅は前年同期比+52.8%拡大した。

 

▶対中国貿易動向をみると(図5)、関西3月の対中国輸出は前年同月比+18.0%(前月:同-5.8%)と 2 カ月ぶりに増加した。輸出増に寄与したのは、半導体等電子部品や非鉄金属等であった。また、対中国輸入は同+4.3%(前月:同+51.1%)と5カ月連続の増加。輸入増に寄与したのは通信機と重電機器等であった。

 

▶3月の関西国際空港(以下、関空)への訪日外客数は77万3,313人であった(図6)。前年同月比-9.3%と4カ月連続で減少し、減少幅は前月の同-5.0%から拡大。長引く日中関係の悪化で中国人客減少の影響が続いている。また、日本人出国者数は32万1,631人であった。前年同月比+9.6%と 2 カ月ぶりの増加。なお、2019 年同月比では20.5%と前月の同-31.7%から縮小したが、アウトバウンド需要は依然低迷。結果、1-3月期の外国人入国者数は234万7,085人、前年同期比-10.9%と 2021 年 10-12 月期(同-67.1%)以来のマイナス。なお、同期の日本人出国者数は73万5,262人(同+6.4%)であった。

 

▶サービス業の生産活動を示す第 3 次産業活動指数(季節調整済み:2019-20 年平均=100)をみれば(図7)、3月は105.7で前月比-0.2%と2カ月連続のマイナスとなった(前月:同-0.7%)。経済産業省は基調判断を「一部に足踏みがみられるものの、持ち直しの動き」と前月から据え置いた。また、同月の対面型サービス業指数*は 106.3 で同1.2%と、3カ月ぶりのマイナス(前月:同+0.7%)。うち、医療、福祉(同-1.0%、3カ月ぶり)、生活関連サービス業、娯楽業(同-2.7%、2カ月ぶり)等が低下に寄与した。結果、1-3月期の第3次産業活動指数は前期比+0.8%と 5 四半期連続で、対面型サービス業指数は同+0.6%と6四半期連続でそれぞれ上昇した(10-12月期:第3次産業活動指数:同+0.2%、対面型サービス業指数:同+0.6%)。

 

▶3 月の観光関連指数**(季節調整済み:2019-20 年平均=100)は(図7)、111.7 と前月比-1.4%低下し、2 カ月ぶりのマイナス(前月:同+2.1%)。うち、宿泊業、飲食サービス業(同-2.5%、2カ月ぶり)や劇場・興行団(同-6.1%、2カ月ぶり)等が低下に寄与した。結果、1-3月期の観光関連指数は前期比-0.6%と 3 四半期ぶりに低下した(10-12月期:同+0.8%)。 *対面型サービス業は、「運輸業、郵便業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「学習支援業」及び「医療、福祉」を指す。 **観光関連指数は第 3 次産業活動指数のうち、「旅客運送業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「旅行業」、「映画館」、「劇場・興行団」及び「公園、遊園地・テーマパーク」の各指数の加重平均。

 

トピックス2

●1月延べ宿泊者数の動向:関西2府8県

▶観光庁によれば、1月の関西2府8県の延べ宿泊者数(全体)は8,899.5千人泊(図8)。前年同月比-12.2%と4カ月連続の減少となった(前月:同-8.6%)。日本人宿泊者、外国人宿泊者いずれも減少が続いているが、特に外国人宿泊者が大幅減少しており、宿泊者全体を押し下げた。

 

▶日本人延べ宿泊者数は6,121.5千人泊となった。前年同月比6.0%と4カ月連続で減少した(表1及び図8)。府県別に延べ宿泊者数を降順にみれば、大阪府2,058.4千人泊と最も多い。次いで、京都府1,125.2千人泊、兵庫県1,031.6千人泊、三重県599.5千人泊、滋賀県306.1人泊、和歌山県294.7千人泊、福井県206.3千人泊、奈良県178.7千人泊、鳥取県175.1千人泊、徳島県146.0千人泊であった。関西1月の前年同月比(6.0%)に対する寄与度をみれば、減少に寄与したのは、大阪府(同-6.1%ポイント)、三重県(同-0.9%ポイント)、兵庫県(同-0.3%ポイント)等の5府県であった。

 

▶外国人延べ宿泊者数は2,778.0千人泊であった(表1及び図9)。前年同月比-23.2%と7カ月連続で減少し、前月(-10.1%)に引き続き2桁の大幅マイナスとなった。府県別に延べ宿泊者数を降順にみれば、大阪府1,633.9千人泊、京都府866.3千人泊と2府への集中が続いているが、京都府では減少幅が拡大している。次いで、兵庫県144.8千人泊、和歌山県28.6千人泊、滋賀県25.5千人泊、奈良県25.0千人泊、鳥取県17.3千人泊、三重県15.3千人泊、徳島県12.5千人泊、福井県8.9千人泊であった。前年同月比(-23.2%)への寄与度をみれば、大阪府(同14.7%ポイント)、京都府(同-8.3%ポイント)と和歌山県(同-0.3%ポイント)の7府県が外国人延べ宿泊者の減少に寄与した。

 

▶なお、宿泊料金と賃金との交易条件(現金給与総額/宿泊料金:2019年=100)をみれば、2026年3月は78.3となった。前年同月比-2.0%と36カ月連続の悪化だが、悪化幅は4カ月連続で縮小した(図10)。

 

 

トピックス3

●2026年1-3月期訪日外国人消費の動向

▶観光庁によれば、2026年1-3月期の訪日外国人消費額(速報、全目的ベース)は(図11)、2兆3,378億円となり(10-12月期:2兆5,330億円)。前年同期比+2.5%、増加幅は前期(同+10.3%)から縮小し、1桁の伸びにとどまった。日中関係悪化が影響し、訪日中国人客の消費額が大幅減少した影響が表れた。

 

▶1-3月期の訪日外国人消費のトップ5を国・地域別にみれば(図12)、台湾が3,884億円(前年同期比+22.5%)と最多であった。次いで、韓国が3,182億円(同+12.7%)、中国が2,715億円(同-50.4%)、米国が2,592億円(同+16.6%)、香港が1,482億円(同-3.5%)と続く。

 

▶一般客1人1泊当たり旅行支出(全目的)は2万1,390円であった。前年同期比-12.7%減少し、2四半期ぶりのマイナス(10-12月期:同+3.8%)。国・地域別にみれば、シンガポールが3万8,377円(同+10.8%)と最も高い。次いで、香港が3万6,691円(同+0.6%)、台湾が3万1,319円(同-4.2%)、英国が3万113円(同+19.2%)、タイが2万9,229円(同-10.8%)となっている(表2)。

 

▶1-3月期の1人1泊当たり旅行支出を費目別でみれば(表3)、宿泊費が7,851円(同-4.8%)と最も多く、次いで買物代が5,380円(同-24.9%)、飲食費が4,898円(同-10.7%)、交通費が2,153円(同-11.9%)、娯楽等サービス費が1,049円(同4.7%)と続いている。伸び率をみれば、すべての費目が前期から減少した。なお、平均泊数は10.3泊と、前年同期差+1.3泊増加した。 *トピックス3は四半期ごとの掲載である。 **「全目的」とは、観光・レジャー目的以外に、業務、留学、親族・知人訪問等の目的の旅行者を含む。ただし、1年未満の滞在者が対象である。

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