Kansai Economic Insight Monthly Vol.156
-現況は上方への局面変化、先行きは悪化:
高まる地政学リスクと原油価格急騰が先行き景気の下押し要因-

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ABSTRACT

<総括判断>

  • 関西の景気の現況は、上方への局面変化を示す。景気動向指数(現況判断CI)は当月の前月差がプラス、3カ月後方移動平均は3カ月連続のプラスとなり、前月から判断を上方修正した。
  • 先行きは、悪化を示す。景気先行指数(関西CLI)の当月の前月差はプラスだが、7カ月後方移動平均は13カ月連続のマイナスのため、判断を据え置いた。

<項目別動向>

  • 【生産・労働関連】2月の生産は4カ月ぶりの減産だが、1-2月を均してみれば増産となっており、緩やかに持ち直している。一方、1-2月平均の労働力人口と就業者数を10-12月平均と比較すると、ともに減少している。また1月の実質賃金は2カ月連続のプラスとなった。
  • 【内需関連】2月の大型小売店販売額は2カ月連続で前年を上回ったが、伸びは縮小した。新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月を上回ったが、前年の駆け込み需要前の水準を回復できていない。同月の建設工事出来高は11カ月連続で前年を下回り、3月の公共工事請負金額も3カ月連続で前年を下回った。
  • 【景況感】3月の消費者態度指数、景気ウォッチャー現状判断DI、先行き判断DIはともに大幅悪化した。中東情勢の高い不確実性の影響が鮮明である。
  • 【外需関連】3月の輸出、輸入はともに前年比増加となった。貿易収支は14カ月連続の黒字で、黒字幅は拡大した。関空への入国者数は4カ月連続で前年を下回った。長引く対中関係の悪化で中国人客減少の影響が続いている。
  • 【中国経済】3月の生産と消費の伸びはともに減速した。不動産市場は依然低迷、雇用情勢も改善がみられない。貿易黒字は前年同月と比べ縮小した。1-3月期の実質GDPは政府の設定目標の上限に達し、堅調なスタートとなった。ただ、米国・イスラエルとイランの紛争の影響も出始めており、今後、企業収益の悪化や消費の失速も懸念され、先行きは不透明感が増している。
  • 【S-APIR指数】ウェブニュースを基にAIで推定した景況感を表す4月のS-APIR指数は2カ月連続で低下。その背景を4つのキーワードで確認した。景況感に対して「原油」は大きな下押し圧力となっており、「物価」は依然マイナス寄与が大きい。「インバウンド」はプラス寄与だが、縮小傾向にあり先行きが懸念される。一方「株価」は2カ月ぶりにプラス寄与がやや優勢となった。

【関西経済のトレンド】

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