第64回 景気分析と予測

2005

「日本経済のマクロ経済分析」研究成果報告
(主査: 稲田義久・甲南大学経済学部長・教授
高林喜久生・関西学院大学経済学部教授 )

当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加の下で研究会を組織し、予測に必要な景気の現状分析、外生変 数の想定について共同で作業を行っている。「景気分析と予測」については、四半期ごとに年4回(2003年度までは年2回)発表している。大阪大学伴金美 教授から稲田教授への主査交替に伴い、2005年度より四半期予測作業においても、甲南大学日本経済超短期予測モデル(CQM)による、直近2四半期のよ り正確な予測値を取り入れている。 2月17日の政府四半期別GDP一次速報の発表を受けた2006-2007年度の経済見通しとなっている。
ポイントは以下の通り。

* 2005年度10-12月期実績の評価‥‥当期の実質GDP成長率(一次速報)は前期比+1.4%、年率換算で+5.5%となり、2005暦年の成長率 は+2.8%と2004暦年+2.3%を上回る高成長となった。国内需要の寄与度はプラス0.8%ポイント(4四半期連続プラス)、純輸出はプラス 0.6%ポイント(2四半期ぶりのプラス)とバランスの取れた景気回復パターンであった。

* 2005年度の見通し‥‥ 引き続き民間需要が主導し2005年度の実質GDP成長率は+3.5%を見込む。

* 2006年度の見通し‥‥ 家計の負担増や石油価格高止まりによる企業収益の圧迫など民間需要を支えてきた好条件が徐々に失われる。中国経済は高成長を維持するものの、米国経済を牽 引してきた消費と住宅が勢いを失うとみられることから、実質GDP成長率は+2.1%に減速する。しかし緩やかな景気回復は持続し「いざなぎ景気」を超え るであろう。この動きは2007年度に引き継がれるとみる。