関西エコノミックインサイト 第6号(2010年6月3日)

2010-06-03

「日本経済のマクロ経済分析−関西経済の現況と予測−」研究成果報告
(主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授
高林喜久生・関西学院大学経済学部教授)

「関西エコノミックインサイト」は、関西経済の現況の解説と、計量モデルによる将来予測を行ったレポートです。関西社会経済研究所が公表する日本経済予測と連動しており、原則として四半期ごとに公表いたします。

第6号(2010年6月)の概要は以下の通りです。
1.関西経済は、緩やかではあるが堅調な回復の動きを見せている。これには、アジア経済の堅固な成長に支えられた外需の貢献が大きい。また、民間部 門も引き続き政策効果に下支えされ、堅調に推移している。これまで低調であった住宅市場や雇用情勢についても、ようやく底打ちの気配が見られる。

2.このように回復の途を辿りつつある関西経済であるが、府県別にみると回復の様相は一様ではない。鉱工業生産指数をみると、産業構造の違いから、落ち込み幅や生産の谷の時期が各府県で異なる。

3.日本経済の最新予測を織り込み、関西の実質GRP成長率を2010年度+2.4%、2011年度+1.3%と予測する。政策効果による民間需要と、順調に回復している域外経済(外需)が関西経済を牽引する。しかし2011年度には、その勢いはやや減速するであろう。

4.標準予測に加え、ギリシャの債務問題が世界経済に“伝染”するというリスクシナリオのシミュレーションを行った。このケースによれば、関西の輸出は 0.39%、関西のGRPは0.05%引き下げられる。この結果から、EU問題の関西経済への影響は極めて限定的であると判断できる。