「抜本的税制改革に向けた調査研究」最終報告 (2008年4月)

2008-04

((社)関西経済連合会委託調査研究)

主査:
跡田直澄 慶應義塾大学商学部教授

ゆるやかな経済成長を続ける日本経済ではあるが、実際の成長率は2%程度と低迷している。経済構造改革は着実に進み、法人税収等にはその成果が明確に現 れている。一方、政府の財政構造改革はその端緒についたばかりであり、その成果はまだほとんど現れていない。にもかかわらず、先の参議院選挙の結果を勘案 すると、構造改革路線の一時的後退も予想されるところである。
しかしながら、日本経済の再生には政府の構造改革は不可欠である。肥大化した財政のスリム化により、民間部門の活性化をはからなければ21 世紀の高齢社会は乗り切れない。この点からみれば、今、取り組まなければならない課題は、やはり、歳出の徹底的な削減であり、同時に民間活力の増強にむけ た税制の再構築である。そして、その結果を踏まえて、超高齢社会を乗り切るための次なる改革を考えることである。
そこで、本研究では、総合的な財政改革とマクロ経済パフォーマンスとの関係をシミュレーション分析を踏まえて検討し、改革の必要性とそのあり方を模索し てみる。さらに、財政改革の中でも税制改革 は 経済のさまざまな側面に影響を与えることになるので、その影響を考慮しながら、抜本的改革のあり方を議論してみた 。

第1章  2011年度までの財政の状況を予想しながら、取り組むべき改革を明らかにする。
第2章  法人課税の実効負担分析に基づき税制が企業の投資行動に与える影響を明らかにし、減税の必要性に言及する。
第3章  所得格差の原因を明らかにした上で、所得課税における給与所得控除、所得控除、さらには税率表のあり方を議論する。
第4章  消費税の増税根拠を再考し、増税時期や増税論議における消費税偏重の問題を検討する。
第5章  財源格差と地方課税の問題をとりあげ、法人税割と事業税を地方消費税に交換した場合のシミュレーションを行い、その影響を踏まえて税源交換のあり方を検討する。
終 章  本報告書における分析結果を再述するとともに、その意義をまとめ今後の課題に言及する。