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・関西の景気は足下改善、先行きは足踏みの兆しがみられる。足下、生産は2カ月連続の減産だが、1-3月期から幾分持ち直している。雇用環境は底堅く推移し、消費は緩やかに回復している。一方、景況感は物価やコストの上昇もあり悪化が続く。先行きについては海外経済悪化による輸出の減速が景気下押しリスクとなっており、足踏みの兆しがみられる。
・5月の生産は2カ月連続の前月比低下。電気・情報通信機械、輸送機械や化学(除.医薬品)等が減産に寄与した。4-5月平均は1-3月期平均に比して幾分持ち直している。
・5月は失業率が2カ月連続で改善し、4‐5月期の労働力人口と就業者数の平均値はいずれも1‐3月期平均を上回っている。また、有効求人倍率が横這いで、新規求人倍率が上昇した。雇用環境は底堅く推移している。
・4月の現金給与総額は26カ月連続の前年比増加となったが、目立った増加が見られず、春季労使交渉の結果は速報値に十分に反映されていないようである。実質ベースでは14カ月連続で減少した。
・5月の大型小売店販売額は20カ月連続の前年比増加となった。うち、百貨店は外出機会の増加で、衣料品と化粧品などが好調。スーパーは8カ月連続の増加となった。
・5月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月比増加。前月の反動増の影響もあり、貸家と分譲は大幅に増加した。
・5月の建設工事出来高は17カ月連続の前年比増加。4カ月連続で2桁の伸びとなった。うち公共工事は2桁の伸びが5カ月続いている。また、6月の公共工事請負をみれば、兵庫県神戸市の再開発工事に関連する発注が影響し、2カ月連続の大幅増加となった。
・6月の景気ウォッチャー現状判断は2カ月連続の前月比悪化。物価やコスト上昇が続いたことに加え、天候不順で客足が減少したことが影響した。また、先行き判断も3カ月連続で悪化した。
・6月の貿易は輸出入ともに前年比減少となり、どちらも減少幅は前月から拡大した。特に輸入は2カ月連続で2桁のマイナスとなった。結果、4-6月期の輸出は前年同期比-4.3%と11四半期ぶりの減少、輸入は同-11.0%と10四半期ぶりの減少となった。
・6月の関空への外国人入国者数は2カ月連続で50万人超の水準となり、コロナ禍前の7割を回復した。4-6月期では、16年4-6月期に次ぐ水準となった。
・中国の4-6月期実質GDPは前年同期比+6.3%と前期から加速した。しかし、その背景には前年に実施されたロックダウンに対する反動増がある。足下は雇用回復が緩慢なため家計の先行き不安が強く、需要の持ち直しは弱い。そのため、雇用の大幅な改善が見込めない限り、7-9月期の経済成長率は前期より減速する可能性が高い。