ABSTRACT
<総括判断>
- 関西の景気の現況は、改善を示す。景気動向指数(現況判断CI)は当月の前月差がプラス、3カ月後方移動平均は4カ月連続のプラスとなり、景気判断を前月から上方修正した。
- 先行きは、悪化を示す。景気先行指数(関西CLI)の当月の前月差はプラスだが、7カ月後方移動平均は14カ月連続のマイナスのため、判断を据え置いた。
<項目別動向>
- 【生産・労働関連】3月の生産は2カ月連続の減産で、持ち直しのペースは緩やかである。同月の労働力人口と就業者数はそれぞれ2カ月連続で増加したが、1-3月期の回復は弱い。一方、2月の実質賃金は3カ月連続のプラスとなった。
- 【内需関連】3月の大型小売店販売額は3カ月連続で前年を上回った。新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月を下回り、依然として前年の駆け込み需要前の水準を回復できていない。同月の建設工事出来高は12カ月連続で前年を下回ったが、下げ止まりの動きがみられる。4月の公共工事請負金額は4カ月ぶりに前年を上回った。
- 【景況感】4月の消費者態度指数は前月に引きつづき低下。景気ウォッチャー現状判断DIは小幅ながら2カ月ぶりの上昇だが、先行き判断DIは3カ月連続の低下となった。中東情勢の不確実性の高まりが影響している。
- 【外需関連】4月の輸出、輸入はともに前年比増加。貿易収支は15カ月連続の黒字で、黒字幅は拡大した。関空における入国者数は5カ月連続で前年を下回った。訪日中国人客減少が続いていることに加え、中東情勢悪化による航空便欠航が影響した。
- 【中国経済】4月の生産と消費の伸びはともに前月から減速。固定資産投資も減少し、不動資産市場も依然低迷している。また、貿易黒字は2カ月連続で前年同月から縮小。内需が低迷している中、今後は中東情勢の影響で原材料やエネルギー価格の上昇による景気の一層の下押しリスクが懸念される。
- 【S-APIR指数】ウェブニュースを基にAIで推定した景況感を表す5月のS-APIR指数は3カ月ぶりに上昇したが低水準にとどまり、依然中東情勢の悪化の影響は大きい。その背景を4つのキーワードで確認した。景況感に対して「原油」は大きな下押し圧力となっており、「物価」はマイナス寄与が大きい。「インバウンド」はプラス寄与だが、縮小傾向となり先行きが懸念される。また「株価」は2カ月ぶりにマイナス寄与となった。
【関西経済のトレンド】
