ABSTRACT
【ポイント】
・JNTO訪日外客統計によれば、4月の訪日外客総数(推計値)は369万2,200人。前年同月比-5.5%と、3カ月ぶりのマイナス。中国人客の大幅減少が続いていることに加え、4月は香港やイタリア、オーストラリアが減少したため訪日外客全体を押し下げた。
・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば、2月は346万6,848人。うち、観光客は321万5,752人、伸びは同+8.5%と2カ月ぶりのプラスとなった。
・6月19日に米国とイランとの和平合意が締結される見込みであるが、依然と先行きの不確実性は高い。このため、中東情勢混乱の長期化による航空燃料価格の高止まりとそれに伴う航空運賃の上昇が、引き続き訪日外客にとっては大きな下押しリスクとなろう。
【トピックス1】
・関西4月の輸出額は19カ月連続の増加だが、伸びは前月から拡大。また、輸入額は3カ月連続の増加となった。結果、関西の貿易収支は15カ月連続の黒字。輸出、輸入ともに増加したが、前者の伸びが後者の伸びを上回ったため、黒字幅は前年同月比+111.9%大幅拡大した。
・4月の関空への訪日外客数は82万1,894人であった。前年同月比-17.2%と5カ月連続で減少、減少幅は前月から拡大。日中関係悪化の長期化が続いていることに加え、中東情勢悪化による航空便欠航が悪影響した。
・4月の第3次産業活動指数は3カ月ぶりのプラス。また、対面型サービス業指数は「医療、福祉」や「生活関連サービス業、娯楽業」などが上昇に寄与し、2カ月ぶりにプラスとなった。観光関連指数は「旅行業」や「園、遊園地・テーマパーク」等が上昇した影響で、2カ月ぶりのプラスとなった。
【トピックス2】
・2月の関西2府8県の延べ宿泊者数は9,124.2千人泊。前年同月比-3.9%と5カ月連続の減少となった。
・うち、日本人延べ宿泊者数は5カ月連続の減少。また、外国人延べ宿泊者数は8カ月連続で前年を下回ったが、春節休暇の影響もあり、減少幅は前月から縮小した。
【トピックス3】
・2026年1-3月期における関西国内旅行消費額(2府8県ベース)は1兆1,468億円となった。前年同期比-0.5%、9四半期ぶりの減少に転じた。
・国内旅行消費額のうち、宿泊旅行消費額は9四半期ぶりの減少となった一方、日帰り旅行消費額は4四半期連続で増加した。。
DETAIL
ポイント
●5月発表データのレビュー:JNTO 訪日外客数
▶JNTO訪日外客統計によれば(図1及び表4)、4月の訪日外客総数(推計値)は369万2,200人であった。前年同月比-5.5%と、3カ月ぶりのマイナス。中国人客の大幅減少が続いていることに加え、4月は香港やイタリア、オーストラリアが減少したため訪日外客全体を押し下げた。欧州ではイースター休暇のズレ(25年:4月20日→26年:4月5日)で3月下旬と4月上旬に訪日需要が分散したことが影響した。また、同月の出国日本人数は104万2,100人。同+8.4%と2カ月連続のプラスとなった。ただし、19年同月比では-37.5%と依然コロナ禍前の水準を回復できていない。


▶訪日外客数のトップ5を国・地域別にみると(図2及び表4)、4月は韓国が87万8,600人(前年同月比+21.7%)と最多であった。次いで台湾が64万3,500人(同+19.7%)、中国が33万700人(同-56.8%)、米国が33万人(同+0.8%)、香港が22万6,000人(同-14.3%)と続く。日中関係悪化の影響もあり中国人客は5カ月連続で大幅減少した。なお、中東地域は2万2,300人で同-21.4%(前月:同-30.6%)、2カ月連続で大幅減少となった。

▶目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば(表5)、2月は346万6,848人となった。前年同月比+6.4%、2カ月ぶりのプラス(前月:同-4.9%)。うち、観光客は321万5,752人となり、伸びは同+8.5%と2カ月ぶりのプラス(前月:同-6.2%)。一方、その他客は17万3,309人(同-13.1%)、商用客は7万7,787人(同-17.3%)であった。

▶IATA(国際航空運送協会)が6月7日に公表した”Global Outl ook for Air Transport Energy in Crisis”によれば、世界の旅客輸送需要量は前年比+2.1%と、25年の同+5.3%から増加幅は半減する見込みである(図3)。主な要因としては中東情勢悪化に伴う、1)運航コストの上昇、2)運航スケジュールの混乱などが挙げられている。地域別でみれば、中東が同-11.4%と大幅減少に転じるほか、アフリカ、北米を除き、増加幅はいずれも鈍化する。6月19日に米国とイランとの和平合意が締結される見込みであるが、依然と先行きの不確実性は高い。このため、中東情勢混乱の長期化による航空燃料価格の高止まりとそれに伴う航空運賃の上昇が、引き続き訪日外客にとっては大きな下押しリスクとなろう。

トピックス1
●4月関西の財貨・サービス貿易の動向
▶関西4月の輸出額は前年同月比+23.4%と 19 カ月連続で増加し、増加幅は前月の同+12.9%から拡大した。また、輸入額は同+14.8%と3カ月連続の増加。結果、関西の貿易収支は+3,469億円と15カ月連続の黒字(図4)。輸出、輸入ともに増加したが、前者の伸びが後者の伸びを上回ったため、黒字幅は前年同月比+111.9%大幅拡大した。

▶対中国貿易動向をみると(図5)、関西4月の対中国輸出は前年同月比+24.4%(前月:同+18.0%)と2カ月連続で増加した。輸出増に寄与したのは、半導体等電子部品や非鉄金属等であった。また、対中国輸入は同+7.7%(前月:同+4.3%)と6カ月連続の増加。輸入増に寄与したのは無機化合物や事務用機器等であった。

▶4月の関西国際空港(以下、関空)への訪日外客数は82万1,894人であった(図6)。前年同月比-17.2%と5カ月連続で減少し、減少幅は前月の同-9.3%から拡大。日中関係悪化の長期化が続いていることに加え、中東情勢悪化による航空便欠航が悪影響した。また、日本人出国者数は18万5,950人であった。前年同月比+7.6%と2カ月連続の増加。ただし、2019年同月比では-45.0%と前月の同-20.5%から減少幅は拡大しており、アウトバウンド需要は依然低迷している。

▶サービス業の生産活動を示す第 3 次産業活動指数(季節調整済み:2019-20年平均=100)をみれば(図7)、4月は106.7で前月比+1.3%と 3カ月ぶりのプラスとなった(前月:同-0.6%)。経済産業省は基調判断を「一部に足踏みがみられるものの、持ち直しの動き」と前月から据え置いた。また、同月の対面型サービス業指数*は106.9で同+0.6%と、2カ月ぶりのプラス(前月:同-1.4%)。うち、生活関連サービス業、娯楽業(同+2.2%、2カ月ぶり)、医療、福祉(同+0.5%、2カ月ぶり)等が上昇に寄与した。4 月を 1-3 月平均と比較すると、第 3 次産業活動指数は+0.7%上昇だが、対面型サービス業指数は-0.0%小幅低下した(1-3 月期:第3次産業活動指数:前期比+0.7%、対面型サービス業指数:同+0.6%)。

▶4 月の観光関連指数**(季節調整済み:2019-20 年平均=100)は(図 7)、111.8 と前月比+0.2%上昇し、2 カ月ぶりのプラス(前月:同-1.6%)。うち、旅行業(同+15.0%、3カ月ぶり)や公園、遊園地・テーマパーク(同+2.8%、2カ月ぶり)等が上昇に寄与した。4月は1-3月平均比-0.2%低下した(1-3月期:前期比-0.7%)。 *対面型サービス業は、「運輸業、郵便業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「学習支援業」及び「医療、福祉」を指す。 **観光関連指数は第3次産業活動指数のうち、「旅客運送業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「旅行業」、「映画館」、「劇場・興行団」及び「公園、遊園地・テーマパーク」の各指数の加重平均。
トピックス2
●2月延べ宿泊者数の動向:関西2府8県
▶観光庁によれば、2月の関西2府8県の延べ宿泊者数(全体)は9,124.2千人泊(表1)。前年同月比-3.9%と5カ月連続の減少だが、前月の同-12.2%から減少幅は縮小した。

▶日本人延べ宿泊者数は5,981.0千人泊となった。前年同月比5.2%と5カ月連続で減少した(表1及び図8)。府県別に延べ宿泊者数を降順にみれば、大阪府2,092.5千人泊と最も多く、次いで、京都府984.8千人泊、兵庫県981.6千人泊となった。また、三重県571.7千人泊、滋賀県312.5千人泊、和歌山県299.3千人泊、福井県242.0千人泊、鳥取県175.2千人泊、奈良県174.2千人泊、徳島県147.3千人泊であった。関西2月の前年同月比(-5.2%)に対する寄与度をみれば、減少に寄与したのは、大阪府(同-4.5%ポイント)、京都府(同-1.6%ポイント)、兵庫県(同0.6%ポイント)等の5府県であった。

▶外国人延べ宿泊者数は3,143.1千人泊であった(表1及び図9)。前年同月比-1.3%と8カ月連続の減少だが、前月(-23.2%)からマイナス幅は縮小した。春節休暇の影響もあり、減少幅は前月から縮小したことが影響した。府県別に延べ宿泊者数を降順にみれば、大阪府1,896.3千人泊、京都府930.1千人泊と2府への集中が続いている。ただし、大阪府では9カ月連続、京都府では4カ月連続で減少していることに注意。また、兵庫県151.0千人泊、和歌山県41.7千人泊、滋賀県27.2千人泊、奈良県26.1千人泊、三重県25.6千人泊、鳥取県21.4千人泊、徳島県14.2千人泊、福井県9.7千人泊であった。関西2月の前年同月比(1.3%)への寄与度をみれば、京都府(同-3.2%ポイント)、大阪府(同-0.3%ポイント)、奈良県(同-0.1%ポイント)と福井県(同-0.0%ポイント)の4府県が外国人延べ宿泊者の減少に寄与した。

▶なお、宿泊料金と賃金との交易条件(現金給与総額/宿泊料金:2019年=100)をみれば、2026年4月は77.6となった。前年同月比-1.1%と37カ月連続の悪化だが、賃金上昇が3カ月連続で3%超となったため、悪化幅は5カ月連続で縮小した(図10)。

トピックス3
●2026年1-3月期国内旅行消費の動向:関西2府8県*
▶観光庁によれば、2026年1-3月期関西(2府8県ベース)の国内旅行消費額(速報)は1兆1,468億円となった(表2)。前年同期比-0.5%と9四半期ぶりの減少に転じた(10-12月期:同+7.1%)。

▶国内旅行消費額のうち、1-3月期の宿泊旅行消費額は9,230億円であった(図11及び表2)。前年同期比-3.1%と9四半期ぶりのマイナス(10-12月期:同+7.1%)。府県別に宿泊旅行消費額を降順にみれば、大阪府3,034億円(同-6.8%)、京都府2,016億円(同+21.6%)、兵庫県1,447億円(同-3.1%)、三重県1,153億円(同+34.0%)、滋賀県399億円(同-34.8%)、奈良県327億円(同+32.9%)、鳥取県283億円(同+9.6%)、福井県223億円(同+28.3%)、和歌山県223億円(同-67.6%)、徳島県125億円(同-55.6%)であった。

▶国内旅行消費額のうち、1-3月期の日帰り旅行消費額は2,237億円であった。前年同期比+12.2%と4四半期連続のプラスとなり、増加幅は前期(同+7.3%)から拡大した(図12及び表2)。府県別に日帰り旅行消費額を降順にみれば、大阪府734億円(同+19.8%)、兵庫県445億円(同-5.6%)、三重県322億円(同+16.6%)、京都府315億円(同+18.2%)、滋賀県111億円(同+2.7%)、福井県93億円(同+12.4%)、奈良県80億円(同+47.3%)、和歌山県74億円(同+57.3%)、徳島県32億円(同-36.8%)、鳥取県31億円(同+23.6%)であった。 *トピックス3は四半期ごとの掲載である。
