日本経済(週次)予測(2014年9月9日)<7-9月期の実質GDP成長率2%台に減速>

2014-09-09

関連論文

稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.42 <先行きの減速リスク高まる関西経済>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰 DATE2019-02-27

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計,

先行きの減速リスク高まる関西経済個人消費は弱含み、「2つの輸出」も減速懸念 1.2018年10-12月期実質GDP成長率は前期比+0.3%(年率換算+1.4%)と2四半期ぶりのプラス成長となった。実質GDP成長率に対する寄与度を見ると、国内需要は2四半期ぶりのプラスとなった。前期の自然災害による供給制約の影響が剥落し、個人消費や設備投資は持ち直した。他方、輸出の伸びが小幅にとどまったことから、純輸出(外需)は3四半期連続のマイナスとなった。 2.2018年10-12月期の関西経済は、弱い動きが見られる。家計部門は、弱い動きを示している。所得環境は改善が続いているが、センチメントは悪化している。雇用についても、やや一服感が見られる。企業部門では、景況感や設備投資計画は前向きであり、生産も緩やかに持ち直した。対外部門は、輸出・輸入とも減速しており、インバウンドについても勢いは鈍化している。公的部門は、一進一退であるが総じて弱い動きとなっている。 3.関西の実質GRP成長率を2018年度+1.4%、19年度+0.8%、20年度+0.6%と予測する。前回予測(41回)と比べて、大幅な変更はない。全国の成長率と比較すると、18年度は、全国以上となる所得の高い伸びや年度前半の堅調なインバウンド需要に支えられ、全国を上回る成長率で推移する。19年度以降は「2つの輸出」が減速し、全国並みの成長率となる。20年度には、内需の貢献がより小幅となり、日本予測の成長率が関西を若干上回る。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2018年度は民間需要+1.0%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、域外需要+0.4%ポイントと主に民間需要が中心となり成長を押し上げる。19年度は民間需要+0.5%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.1%ポイントで、民間需要と域外需要の寄与が小幅となる。20年度は民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.0%ポイントとなる。消費増税の影響がより顕在化し、民間需要の寄与はさらに縮小する一方で、公的需要が成長を下支える。 5.インバウンド需要について、個票データおよびオープンデータを用いて訪日外国人の移動パターン等の特徴を整理・検討した。関西におけるインバウンド需要はここへ来て変調の兆しが見えつつあり、国・地域別に傾向が異なっている。データに基づく分析結果を踏まえた持続可能な発展戦略の形成が求められる。
稲田 義久
経済予測

第121回景気分析と予測<世界輸出減速、高まる景気下押し圧力>

[ Quarterly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 / 下田 充 DATE2019-02-27

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Abstract/Keywords

日本経済予測, 四半期レポート, 超短期予測,

世界輸出減速、高まる景気下押し圧力 1.世界輸出はすでに減速局面に入っている。CPB World Trade Monitor(November 2018)によれば、2018年10-11月平均の世界輸出数量は7-9月平均比-0.2%と低調である。引き続き12月も低調であれば10-12月期は15年4-6月期以来のマイナス成長になり、景気下押し圧力が高まろう。 2.2月14日発表のGDP1次速報値によれば、10-12月期実質GDPは前期比年率+1.4%(前期比+0.3%)と2四半期ぶりのプラス成長となった。10-12月期実績は、市場コンセンサス(ESPフォーキャスト2月調査)の同+1.61%とほぼ同じ結果となった。一方、CQM最終予測は、支出サイドが同+2.4%、生産サイドが同+2.0%、平均同+2.2%と実績から幾分上振れた。 3.10-12月期実質GDPプラス成長は7-9月期における自然災害による供給制約の影響が剥落した結果であるが、7-9月期における成長率の落ち込み(-2.6%)を回復できていない。2018年後半にかけて、景気回復の勢いは明らかに鈍化している。10-12月期の実質GDP成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比+0.6%ポイントと2四半期ぶり、純輸出は同-0.3%ポイントと3四半期連続のマイナス。純輸出の景気下押し圧力が高まっている。 4.10-12月期GDP1次速報値を織り込み、2018年度の実質GDP成長率を+0.5%、19年度を+0.6%、20年度を+0.7%と予測した。前回(第120回)予測に比して、18年度-0.2%ポイント下方修正、19年度+0.1%ポイント上方修正、20年度-0.1%ポイント下方修正した。世界経済減速の影響もあり、前々回の予測(第119回)から18年度は大幅な下方修正(-0.5%ポイント)となっている。 5.貿易摩擦高進の影響が大きくなっている。これまで日本経済が享受してきた2つの輸出による景気回復に下押し圧力が高まっている。低い潜在成長率の下では、緩やかな回復シナリオが海外状況に大きな影響を受けるようになってきた。 6.標準予測では消費増税が予定通り実施されると想定。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、実施時期が年央であること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。四半期パターン(前年同期比)でみると、19年10-12月期と20年の最初の3四半期はゼロ%台前半の成長率にとどまるが、マイナス成長を回避できよう。 7.今回は平成31年度予算を政策に反映し、これまでの消費税増税の影響に加え教育無償化によるコアCPI上昇率への影響をみた。恒久措置である幼児教育無償化により約-0.6%ポイント、また20年4月に予定されている高等教育無償化により約-0.1%ポイント程度押し下げられる。これらを考慮すると、コアCPIのインフレ率は、18年度+0.8%、19年度+0.6%、20年度+0.6%と予測する。
稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.70 – 景気は足下横ばいも、先行きは改善の兆しか -

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 DATE2019-02-25

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Abstract/Keywords

関西経済, 月次レポート, KEIM

- 景気は足下横ばいも、先行きは改善の兆しか - ・12月の生産は2カ月連続の前月比減産となったが、10月の挽回生産の影響もあり、10-12月期は3四半期ぶりにプラスに転じた。結果、2018年平均の生産は3年連続で増加した。 ・1月の貿易収支は12カ月ぶりの赤字となり、前年比大幅拡大した。中国経済の減速と米中貿易摩擦により、半導体関連を中心に輸出額が大幅減少したためである。 ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは、3カ月連続の前月比悪化。暖冬傾向が続き季節商材の売れ行きが低調であること、中国における電子商取引法(EC法)の影響で百貨店の免税売上が減少したことなどが判断を押し下げた。 ・11月の関西2府4県の現金給与総額は2カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額は消費者物価上昇率の減速もあり、4カ月ぶりの前年比上昇であった。 ・12月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比マイナス。高額品や化粧品が伸び百貨店は2カ月ぶりのプラスも、季節性飲食料品の不振のためスーパーは3カ月連続のマイナスであった。 ・12月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比増加。分譲をはじめ、すべての項目で増加した。結果、2018年通年では2年ぶりの改善となった。 ・12月の有効求人倍率は3カ月連続で前月比悪化したが、完全失業率は4カ月ぶりの改善。雇用情勢は堅調である。2018年通年は、有効求人倍率は9年連続、完全失業率は6年連続で改善した。 ・1月の公共工事請負金額(季節調整値)は前月比大幅増加し、2カ月ぶりのプラスとなった。 ・12月の建設工事出来高は10カ月連続の前年比増加。結果、2018年通年は前年とほぼ同水準であった。 ・1月の関空の外国人入国者数は4カ月連続で前年比増加したものの、一桁台の伸びにとどまっている。国籍別では、11月は韓国・台湾・香港からの入国者数が6カ月連続で減少した。 ・中国1月の製造業PMIは2カ月連続で景気分岐点を下回ったが、前月からやや改善。一方、米中貿易摩擦の影響を受け、12月と1月の対米輸出入はともに前年比減少。米中貿易摩擦の影響が顕在化している。
稲田 義久
インサイト

持続可能なインバウンド戦略を目指して: オープンデータを利用した北陸地域の分析

[ トレンドウォッチ ] AUTHOR稲田 義久 / 野村 亮輔 DATE2019-02-12

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Abstract/Keywords

インバウンド, 北陸地域, 訪日外国人消費動向調査, クレジットカードデータ

2018年関西国際空港(関空)入港の訪日外客数(インバウンド需要)は765万2,130人を記録し、前年比+6.8%と7年連続のプラスとなったが、これまでの6年連続2桁の伸びが1桁に減速した。その理由としては自然災害の一時的な影響が考えられるが、今後インバウンド需要が持続可能となるためには様々な課題が考えられる。その一つがオーバーツーリズムであり、訪日外客の大阪・京都府への偏在が考えられる。この課題に答えるために、偏在の対極にある広域関西の周辺県である福井県とその近隣県に焦点を当てた。本分析で得られたインバウンドビジネス戦略への含意は以下のようである。 1)   ビッグデータ(モバイル空間統計やクレジットカードデータ)は、訪日外客数の推移や消費行動を高頻度で把握できる。またこれらのデータは国籍別にも把握できることから、インバウンドビジネス戦略を考えるうえで、重要なインフラとなる。 2)   訪日外客数を見れば、福井県は近隣県から大きな格差をつけられている。国籍別の分析から、自治体の海外プロモーションの重要性が示唆される。 3)   海外プロモーションは重要であるが、問題は投資の効率性であろう。各県が独自のプロモーションをかけることも重要だが、広域DMOなどの組織を通じたプロモーションが重要となろう。 4)   クレジットカードデータ分析から、周遊プログラムの充実、またキャッシュレス決済システムのインフラ整備を充実させることが重要である。 5)   訪日外国人の移動パターン分析から見られるように、福井県は前後に岐阜・石川県を控えており、通過県となっている。このため、北陸広域を周遊するプログラムが必要となろう。周遊プログラムの開発ないしはストーリー性のあるプログラム作りが重要である。