ABSTRACT
- 8月17日発表のGDP1次速報によれば、4-6月期の実質GDPは前期比+0.3%、同年率+1.1%と前期から減速したものの3四半期連続のプラス成長となった(1-3月期:同+1.9%)。1次速報の結果は市場コンセンサス(ESPフォーキャスト8月調査:同+1.67%)から下振れた。また、CQMの平均最終予測(同+2.4%)からも大幅に下振れた。この背景にはCQMでは把握できなかったいくつかの特殊要因がある。
- 民間最終消費支出のCQM予測は実績を大幅に上回った。一方、政府最終消費支出のCQM予測値は実績を大幅に下回った。高校授業料無償化や公立小学校の給食費無償化により家計消費減少分が公的支出に振り替えられた(第1の特殊要因)。今回、国家原油備蓄が大幅に取り崩された。このため、4-6月期の公的在庫変動の実質GDP成長率に対する寄与度が前期比-0.5%ポイントとなり、実質GDP成長率のCQM過大予測分をほぼすべて説明する(第2の特殊要因)。4月の国際収支状況によれば、特許権の譲渡によりサービス輸出の一時的な拡大が発生した結果、財貨・サービスの輸出が過少予測となった(第3の特殊要因)。
- 日本経済をコロナ禍前のピーク(2019年7-9月期)と比較すれば、4-6月期の実質GDPは8四半期連続で上回り+2.4%拡大した。うち、民間最終消費支出の回復は依然遅れており(-0.6%)、民間資本形成の回復もたどたどしい(+0.6%)。一方、サービス輸出は14四半期連続で上回ったが(+40.8%)、インバウンドが低迷する中での特殊要因による一時的な嵩上げの影響が大きい。
- 4-6月期GDP1次速報と新たな外生変数の想定を織り込み、2026-27年度日本経済の見通しを改定。結果、実質GDP成長率を26年度+0.9%、27年度+1.2%と予測した。足下3四半期のGDPが前回より上方修正されたことや原油価格高騰の影響が和らぐため、26年度を前回予測から+0.4%ポイント、27年度は消費税減税もあり+0.2%ポイント、いずれも上方修正した。
- 実質GDP成長率の四半期パターンを見れば、2027年1-3月期に消費税減税前の消費控えからいったんマイナス成長に転じるが、以降、民間最終消費支出と企業設備の民間需要を中心に潜在成長率を上回る回復が続こう。
- 消費者物価コア指数のインフレ率を2026年度は+2.3%、27年度は消費税減税もあり+1.2%に減速すると予測。夏場の電気・都市ガス支援策を反映するが、輸入物価の上昇が幅広い品目に波及する影響で26年度は2%を超える。またGDPデフレータは26年度+2.3%、27年度+1.9%となる。
- 今回のベースライン予測において、2027年4-6月期から食料品消費税率を1%に変更し、その1%相当分を中低所得者の給付とする政策変更を想定した。結果、2027年度に実質GDPは+1.1兆円、+0.2%、民間最終消費出は+0.7兆円、+0.2%増加する。コアCPIは-1.0%低下するが、財政赤字は+4.5兆円増加する。
※本レポートの詳細版については8/31(月)に公表予定
【予測結果の概要】
