2010年度の文献一覧(40件)

著者不明
経済予測

関西エコノミックインサイト 第8号(2010年12月3日)

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR- DATE2010-12-03

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Abstract/Keywords

エコノミックインサイト

「日本経済のマクロ経済分析−関西経済の現況と予測−」研究成果報告 (主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授 高林喜久生・関西学院大学経済学部教授) 「関西エコノミックインサイト」は、関西経済の現況の解説と、計量モデルによる将来予測を行ったレポートです。関西社会経済研究所が公表する日本経済予測と連動しており、原則として四半期ごとに公表いたします。 第7号(2010年12月)の概要は以下の通りです。 1.足下の関西経済は、回復を支えてきた2つの外生要因が後退したため、足踏みの状態が続いている。すなわち、政策効果の縮小と海外経済の減速が景気押し下げ要因に転じている。 2.先行きについては、政策変更による複数の駆け込み需要と反動減などで家計消費が乱高下しており、基調が読みづらくなっている。足下減速しつつある海外 経済は、2011年央には拡大経路に復する。そのため、関西経済はその恩恵を受けて景気後退を回避することができ、二番底には陥らないであろう。。 3.日本経済の最新予測を織り込み、関西の実質GRP成長率を2010年度+2.6%、2011年度+1.6%、2012年度+1.4%と予測した。補正予算の効果を反映したため、前回予測より上方修正である。 4.2010年度の成長率寄与度をみると、民需が+1.3%ポイント、外需が+1.1%ポイントと、バランスよく関西経済の成長を支える。2011年度の 民需の寄与度は+0.8%ポイント、2012年度+0.9%ポイントと緩やかな伸びとなる。外需の寄与度は2011年度+0.5%ポイントと前年より減速 するが、2012年度+0.9%ポイントまで回復する。 5.補正予算が実施されることで、関西経済の実質GRPは2010年度0.45%、2011年度0.51%押し上げられる。しかし、補正予算の下支えが消滅する2012年度は0.03%押し上げにとどまる。
稲田 義久
経済予測

第85回 景気分析と予測(2010年11月25日)

[ Quarterly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 / 高林 喜久生 DATE2010-11-25

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Abstract/Keywords

景気分析,景気予測

「日本経済のマクロ経済分析」研究成果報告 (主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授 高林喜久生・関西学院大学経済学部教授) 当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加の下で研究会を組織し、予測に必要な景気の現状分析、外生変数の想定について共同で作業を行っている。 「景気分析と予測」については、四半期ごとに年4回(2003年度までは年2回)発表している。 2005年度より四半期予測作業において、日本経済超短期予測モデル(CQM)による、直近2四半期のより正確な予測値を取り入れている。 11月15日の政府四半期別GDP一次速報の発表を受け、2009-2011年度の改訂経済見通しとなっている。 ポイントは以下の通り。 *7-9月期GDP速報値を受け、2010年度実質GDP成長率を+3.0%、2011年度+1.6%、2012年度を+1.6%と予測。 前回から2010年度は0.8%ポイント上方修正、2011年度は0.1%ポイントの下方修正となった。 さらに2010年度補正予算を含む緊急経済対策の効果を、2010年度+0.38%、2011年度+0.53%と予想した。
熊坂 侑三
インサイト

今月のトピックス(2010年11月)

[ コメンタリー ] AUTHOR熊坂 侑三 DATE2010-11-22

Abstract/Keywords

日米超短期予測(月次)

今月は補正予算の経済的効果について検討する。ここでいう補正予算とは、9月10日に「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」が閣議決定されたが、 うちステップ1として9月24日に決定された経済危機対応・地域活性化予備費を活用した緊急経済対策、及びステップ2として10月8日に決定された「円 高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」に係る平成22年度補正予算を対象としている。 仕分けの過程で明らかになったように今回の内容は、22年度本予算で削減された内容の復活という印象を払拭できない。しかし、これまで成長を支えてきた輸 出の鈍化等から、先行きの不透明感が高まっている。円高が進行しており、輸出の更なる鈍化や製造業の海外シフトのリスクが高まっており、緊急経済対策の ニーズは高まっている。経済対策の必要性は高く、かつ、速やかな実施が重要といえよう。 問題は実施規模とタイミングである。緊急総合経済対策、ステップ1が9,180億円、ステップ2が5兆901億円で合計6兆82億円である。項目のうち、 内容のわからないその他や金融支援を除いて実施規模を求め、またステップ1が2010年度内に、ステップ2が2011年度にわたって支出されるパターンを 想定すると、2010年度で2兆3,185億円、2011年度で2兆6,679億円となる。これらの補正予算額は、政府最終消費支出、公的固定資本形成、 家計への移転、企業への移転、民間最終消費支出、民間住宅の形態で追加需要となる。 政策効果として、政府は今回の対策により、実質GDPを0.6%押し上げるとしている。われわれは「第85回景気分析と予測」においてこれを検証した (11月25日発表)。7-9月期のGDP1次速報値を更新して、新たに2010-2012年度の日本経済の成長パターンを予測した。この予測値には今回 の補正予算は含まれていない。次に補正予算を反映させたシミュレーションを行い、これと比較したものが補正予算の効果となる。下図が示すように、2010 年度末にかけてステップ1の効果が表れてくるが、効果の発動期間は2期間であるため2010年度平均では0.38%の押し上げ効果にとどまる。一旦、 2011年4-6月期に押し上げ効果は低下するが、これは家電エコポイント制度が3月に終了することから、4-6月期に民間消費の反動減が生じるためであ る。2011年度平均では乗数効果も表れ0.53%の実質GDP押し上げ効果がでてくるが、2012年度には効果が剥落し0.06%と押し上げ効果はほぼ ゼロとなる。 日本 <10-12月期はマイナス成長の可能性が高まるが、一時的な停滞にとどまろう> 11月15日発表のGDP1次速報値によれば、7-9月期の実質GDP成長率はエコカー補助金等の駆け込み需要の影響で前期比+0.9%、同年 率+3.9%となった。4期連続のプラス成長となり、4-6月期の改定成長率同+1.8%から加速した。なお前年同期比では+4.4%と3四半期連続のプ ラスとなった。 7-9月期の実績は、市場コンセンサス(2.31%:11月ESPフォーキャスト調査)を大きく上回ったが、超短期予測の平均値に近い結果となった。超短 期モデルの最終週の予測では、支出サイドモデルが同+2.0%、主成分分析モデルが同+4.4%、両者平均で+3.2%の予測となった。注目すべきは、超 短期予測は7-9月期の最初の月のデータが利用可能となる8月の終わりにはすでに3%台を予測していたことである。 7-9月期の実質GDP成長率(前期比年率ベース)への寄与度を見ると、国内需要は+3.7%ポイントとなり、成長率に4期連続のプラス寄与となった。一 方、純輸出は+0.1%ポイントの寄与にとどまった。純輸出は6期連続で成長率を引き上げたが、その寄与度はほぼゼロとなった。データは、アジア向けの輸 出が減速したことと、1年を上回る補助金政策の終焉による駆け込み需要の影響が大きく出たことを示している。10-12月期には逆に反動減が出るため、マ イナス成長に陥る可能性が高い。 今週の超短期予測では、実績としてごく一部の10月データしか予測に反映されていない。にもかかわらず、10-12月期の実質GDP成長率を、内需は小幅 拡大するが純輸出が縮小するため前期比+0.1%、同年率+0.4%と予測する。一方、1-3月期の実質GDP成長率を、内需は引き続き拡大するが、純輸 出は横ばいとなるため、前期比+0.5%、同年率+2.1%と予測している。 10-12月期の国内需要を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.2%となる。現時点では小幅のプラスを予測している。実質民間住宅は同+4.4% 増加し、実質民間企業設備は同+0.6%増加する。実質政府最終消費支出は同+0.6%、実質公的固定資本形成は同-2.5%となる。 財貨・サービスの実質輸出は同-1.8%、実質輸入は同-2.0%それぞれ減少する。このため、実質純輸出の実質GDP成長率に対する貢献度はマイナスに転じる。 一方、主成分分析モデルは、10-12月期の実質GDP成長率を前期比年率+0.1%と予測している。また1-3月期を同+1.6%とみている。 この結果、支出サイド・主成分分析モデルの実質GDP平均成長率(前期比年率)は、10-12月期が+0.2%、1-3月期が+1.9%となる。 10月のデータがほとんど利用可能ではない現時点においてでも、超短期予測は10-12月期の日本経済をゼロ成長と予測しており、悲観的なデータが更新されるにつれてマイナス成長に陥る可能性が高まっているが、一時的な停滞にとどまるとみている。 [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]] 米国 7-9月期の実質GDP(速報値)の伸び率(前期比年率)は+2%と超短期予測と同じであった。またコア個人消費支出価格デフレーターでみたインフレ率 も+0.8%と超短期予測とほとんど同じであった。また7-9月期データを更新した、10-12月期の実質GDP成長率については、今週の予測では 同+3.4%と高い成長率を見込んでいる。 しかし、それに基づいての政策となると連銀と超短期モデルの考え方は全く異なる。連銀は彼らの“完全雇用、物価安定の2つの目標”から”2%経済成長、 1%インフレを失望的に低い”と判断し、11月3日のFOMCミーティングにおいて2011年中頃までに6,000億ドルの長期国債を購入することを発表 した。 超短期モデル予測からすれば、1%のインフレ率は理想的である。米経済はデフレ状況でもなく、今のコモディティー価格の上昇、異常なドル安を考えれば、デ フレを懸念する状況ではなくむしろ、将来のインフレを懸念すべきである。2%という経済成長は確かに、雇用を急速に増やす成長率ではない。しかし、異常な 低金利を長期間続け、連銀のバランスシートを異常に膨らませてきた中で、効果の不確実な追加的数量的金融緩和政策を更に導入しなければならないほど低い経 済成長率でもない。連銀がデフレに敏感なのは、日本の1991年の土地バブル崩壊後の失われた20年がデフレによると考えているからである。 確かに、バブル崩壊後にデフレの経済への悪影響はあったであろう。それが、20年も続くわけではない。更に、異常なゼロ金利で日本経済が立ち直らないのは 別の根本的な問題があるからである。すなわち、日本経済の長期停滞は1990年代から急速に進んでいるIT化によるグローバライゼーションに日本の企業が 対応できなくなっているからである。例えば、簡単なパンフレットやレストランのメニューを作る町の小さな印刷屋さえ、中国の印刷屋と競争をせざるを得なく なった。日本の印刷屋が中国の印刷屋と同じものを作る限り、品物の価格は下がり、賃金も下がらざるをえない。これはデフレではなく、グローバライゼーショ ンによる“要素価格の均等化”である。それ故、金融緩和政策を幾ら続けても、日本経済はよくならない。IT化によるグローバライゼーションに適応した、ビ ジネスモデルの導入とそれを促す経済政策が必要なのである。発展途上国からの安いあらゆる品物が先進国に即座に入るようになっている。この事実を見逃し、 いつまでも異常な低金利政策を続ければ、経済に副作用がでてくる。米国はすでに、異常なドル安により輸入業者や消費者の購買力が大きく減少している。金融 政策当局はいち早く“デフレ病”から抜け出すべきである。今の経済回復に対して、金融政策のできることには限りがある。 [[熊坂侑三 ITエコノミー]]
著者不明
研究プロジェクト

「東アジア経済発展国際フォーラム」に出席

[ 2010年度 ] AUTHOR- DATE2010-11-08
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Abstract/Keywords

東アジア

10月23日24日の二日間、中国遼寧省大連市にある大連民族学院にて開催されました「東アジア経済発展国際フォーラム」にて、当研究所の所長である本間正明がメインスピーチを行いました。
著者不明
ディスカッションペーパー

消費税率引き上げパスに関するシミュレーション分析

[ ディスカッションペーパー ] AUTHOR- DATE2010

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Abstract/Keywords

消費税率

熊坂 侑三
インサイト

今月のトピックス(2010年10月)

[ コメンタリー ] AUTHOR熊坂 侑三 DATE2010-10-19

Abstract/Keywords

日米超短期予測(月次)

日銀は10月5日に開いた政策決定会議で4年ぶりのゼロ金利政策を再開した。日銀自身が「包括的金融政策」としているように、以下の3つの画期的な政策が含まれている。 (1)ゼロ金利政策0−0.1% (2)消費者物価上昇率でみて1%になるまで金融緩和:「時間軸」効果 (3)5兆円規模の資産買取り(国債以外にETF(上場投資信託)REIT(不動産投資信託)を含む) さて、今月の米国経済見通しでは、「今の物価下落には、IT化によるグローバライゼーションの影響が大きい。今は、技術・知識が即座に世界中に伝 播する。そのため、日米が発展途上国と同じものを作っていれば、物価は安くなるのは当然であり、グローバライゼーションの結果要素価格は均等化することか ら日米の賃金も低下せざるをえない。すなわち、日米の消費者は価格低下のベネフィットを受ける一方、企業は新しいビジネスモデルを導入しなければ、賃金の 低下は防げない。」と述べられている。この点は本コラムでもつとに強調してきたことである。 デフレは確かに金融的現象であるが、金融政策ですべてを説明できるわけではない。例えば、1990年代半ば以降の労働生産性、消費者物価指数、賃金の変 化の国際比較をすると、日米欧はともに生産性を伸ばしているが、日本のみが賃金・物価の下方スパイラルに陥っている。これはこれまで日本がとってきた成長 戦略と大いに関係がある。日本は輸出拡大により2002年からの景気回復を実現してきたが、輸出品の多くは発展途上国との競合品であり、これらを伸ばすこ とにより結果的に賃金デフレを加速したのである。日本は要するに付加価値の高い製品をつくり出せていない。例えば、欧州がブランドやデザインを重視し価格 を維持しながら良質の製品を長く売っていくパターンと日本の製品を作り出すパターンを比較すればよく理解できる。 その意味で日銀が消費者物価指上昇率でみて1%以上を実現できるまでゼロ金利政策を持続するという宣言は金融政策の効果を過信しすぎではないだろうか? むしろ日銀がこれまで恐れてきたゼロ金利政策長期維持の弊害を大きくする可能性もある。重要なのは金融政策と財政政策(補正予算)のセットの効果であっ て、日本がどのような成長戦略をとるかが極めて重要であることを理解しなければならない。すなわち高付加価値を生み出す産業を展望することが重要であり、 環境関連産業や観光に注目するのは正解である。(稲田義久) 日本 <7-9月期は2%程度の成長は可能となるが、円高の進行は下振れリスクを高める> 10月18日の超短期予測では、GDP項目を説明する大部分の8月データと一部の9月データが更新されている。その結果、7-9月期の実質GDP成長率 は前期比+0.4%、同年率+1.7%となり、前期(同+1.5%)を上回る成長率予測となっている。また10-12月期は同年率+1.8%と引き続き緩 やかな回復となっている。この結果、2010暦年の実質成長率は3%程度が見込まれている。ちなみに、マーケットコンセンサス(ESPフォーキャスト10 月調査)を見ると、7-9月期は同年率+2.11%と超短期予測と大きな差異はないが、10-12月期は同-0.21%とマイナス成長が予測されており、 現時点でマーケットは日本経済が年度後半には減速すると想定している。 さて7-9月期の成長率(前期比+0.4%)の中身をみると、実質国内需要は+0.6%ポイント、実質純輸出は-0.1%ポイントとなっている。これまで景気回復のエンジンであった純輸出は2009年4-6月期以来6期ぶりのマイナスが予測されている。 7-9月期の国内需要の中身を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.6%の増加が見込まれている。実質民間住宅は同-1.1%、実質民間企業設備 は同-1.6%と投資関係は減少が見込まれている。民間需要は民間最終消費支出を除き低調となっている。民間最終消費支出は政策の前倒し効果の影響で好調 であるが不安材料もある。9月の乗用車新車販売台数(季節調整値:含む軽)は同月初旬にエコカー補助金が予算額を超過したため前月比-29.4%減となっ た。4ヵ月ぶりのマイナスである。これが9月の消費総合指数に反映された場合、7-9月期の民間最終消費支出の予測値が下振れする可能性がある。公的需要 では、実質政府最終消費支出は前期比+0.6%、実質公的固定資本形成は同+0.5%となる。 問題は外需の縮小である。7-9月期の財貨・サービスの実質輸出は前期比+0.2%とほぼゼロ成長を予測しており、実質輸入は同+1.6%と輸出の伸び を上回ろう。8月の鉱工業生産指数が3ヵ月連続で前月比マイナスとなっており、輸出の弱さと整合的である。海外市場、特に、新興市場は伸びの減速が予想さ れており、しばらく純輸出は景気押し上げのエンジンとはなりにくい。 グラフに見るように、日本経済の成長率予測(支出サイドモデル)は一時9月の後半に減速傾向を示したが、10月に入り再び2%台をうかがう傾向となって いる。この程度の成長率が年度後半も持続するかは純輸出の動向に依存する。80円台を突破する可能性のある円高は日本経済の下振れリスクを高めよう。 [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]] 米国 バーナンキFRB議長は10月15日のボストン連銀において”低インフレ環境における金融政策と手段”という講演を行った。それによると、2010年6 月のFOMCにおけるFOMCメンバーや地域連銀総裁たちによる長期目標の経済成長率、失業率、インフレ率を基準にして、バーナンキ議長は米国経済の現状 を判断し、”景気回復のペースは連銀が想定している3%程度(前年同期比)より遅く”、”現在のインフレ率1%は連銀の目標値(1.7%〜2.0%)に比 べかなり低い(too low)”とコメントをした。その結果、市場は11月初めのFOMCにおいて、FRBが長期国債の購入という更なる金融緩和を行う と期待し始めた。 グラフに見るように、米国の景気回復は8月になると急速にペースを落とし、ダブルディップリセッション(二番 底)懸念が生じたのも理解できる。しかし、超短期予測では9月の半ば以降景気は徐々に持ち直していることが分かる。おそらく、7-9月期の経済成長率は 2%前後と思われる。これは、対前年同期比でみれば3%程度の成長率となり、FRBの目標値とあまり変わらない。問題は物価への見方である。バーナンキ議 長は現状のインフレ率を1%と見なし、それをFRBの目標値(1.7%〜2.0%)に対して”too low”と表現していることである。日銀と同じよう にFRBも”デフレ恐怖症”に陥っている。日銀が物価上昇率を1%になるまで金融緩和を続けると同じように、連銀も物価上昇率が2%になるまで金融緩和を 続けるように思われる。日米の物価上昇率がそれぞれ1%、2%になれば、政策当局の思うように日米の経済回復がもたらされるであろうか?”需給ギャップ” からのデフレ、金融緩和による需要拡大、デフレの解消、景気拡大というようなシナリオを考えているならば、日本経済はとっくに立ち直っているはずである。 今の物価下落には、IT化によるグローバライゼーションの影響が大きい。今は、技術・知識が即座に世界中に伝播する。そのため、日米が発展途上国と同じ ものを作っていれば、物価は安くなるのは当然であり、グローバライゼーションの結果要素価格は均等化することから日米の賃金も低下せざるをえない。すなわ ち、日米の消費者は価格低下のベネフィットを受ける一方、企業は新しいビジネスモデルを導入しなければ、賃金の低下は防げない。FRBにとっての今一番の 問題は高い失業率であるが、この急速な解決には最低賃金を引き下げることが望ましい。今のデフレ(?)に対して、金融政策ができることは限られている。 [[熊坂侑三 ITエコノミー]]
熊坂 侑三
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今月のトピックス(2010年9月)

[ コメンタリー ] AUTHOR熊坂 侑三 DATE2010-09-13

Abstract/Keywords

日米超短期予測(月次)

8月にL.R.クライン(ペンシルベニア大学名誉教授)、市村真一(京都大学名誉教授)編集の”Macroeconometric Modeling of Japan”がWorld Scientific(ISSN: 2010-1236)から出版された。本書は戦後の計量モデルによる代表的な日本経済分析の論文を集めたものである。マクロ計量モデル、産業連関モデル、 資金循環モデル、CGEモデル、超短期モデルといった代表的なものが紹介されている。戦後の計量経済学の一分野の成果を評価したものであり、日本の計量モ デルの遺産を後世に伝えたいという編者達の意欲がよく伝わってくる。内容は以下のような構成となっている。すなわち、(1)社会会計とサーベイ分析、 (2)産業連関とCGEモデル、(3)マクロ計量モデルの3部構成からなり、はじめに、市村名誉教授自身の「日本のマクロ計量モデル」の歴史的展望がつい ている。 ●Introduction: A Historic Survey of Macroeconometric Models in Japan (S Ichimura) ●Social Accounting and Survey Analysis: ○Factors for Rapid Growth of the Japanese Economy: A Social Accounting Approach (S Ichimura) ○Social Accounting Analysis of Japan's Lost 90s (H Suk) ○Business Indexes and Survey Data for Forecast (Y Shimanaka & T Shikano) ●Input Output Analyses and CGE Models: ○Factor Proportions and Foreign Trade: The Case of Japan (M Tatemoto & S Ichimura) ○Interregional Interdependence and Regional Economic Growth in Japan (T Akita) ○The Flying-Geese Pattern of East Asian Development: A Computable General Equilibrium Approach (M Ezaki & S Ito) ○A Flow-of-Funds Analysis of Quantitative Monetary Policy (K Tsujimura & M Tsujimura) ●Macroeconometric Models: ○An Econometric Model of Japanese Economic Growth, 1878_1937 (L R Klein) ○An Econometric Model of Japan, 1930_1959 (L R Klein & Y Shinkai) ○Osaka ISER Model (L R Klein et al.) ○The Japan Model for World Project LINK (K Ban) ○The Saito Model of the Japanese Economy (M Saito) ○High Frequency Model vs Consensus Forecast (Y Inada) ○Policy Alternatives for Japan Toward 2020 (S Shishido et al.) KISERでは、森口親司大阪大学名誉教授、伴金美大阪大学教授の貢献もあり、歴史的に戦後の計量経済学への貢献の一翼(研究並び研究の場の提供を通して)を担ってきた。筆者は今後もその役割が引き継がれることを望んでいる。 本書の編者たちは、序文で以下のように述べている。「最近マクロ計量分析の信頼性が官民で低下しているように思われる。この厄介な問題の一部の責任は、 複雑な現実の経済問題に定法(routine method)を適用する場合の、計量経済学者の不注意によるものと思われる。定法ないし確立されたモデルや方法の単純な適用は、現実の注意深い分析やよ りよい分析のための新しいアプローチを発見する努力にとってかわることはできない」と。言いえて妙であり、われわれにとって至言であるといえよう。 なお、本書の日本語版は近々日本経済新聞社から出版される予定である。(稲田義久) 日本 <年後半の日本経済は減速するが、年平均では3%を上回る可能性が高い> 9月10日発表のGDP2次速報値によれば、7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.5%となり、1次速報値(同+0.4%)から1.1%ポイ ントの上方修正となった。実質GDP成長率上方修正の主要因は、民間企業設備、民間企業在庫品増加、公的固定資本形成が主因である。民間企業設備は1次速 報値の前期比+0.5%から同+1.5%へと上方修正された。2次速報値推計の基礎データである法人企業統計調査の好調な結果を反映したものである。法人 企業統計調査の結果により、実質民間企業在庫品増加も1次速報値の-0.2%ポイントの寄与度から2次速報値で-0.1%ポイントに上方修正された。公的 需要は、実質政府最終消費支出は同+0.2%から同+0.3%へと、実質公的固定資本形成も同-3.4%から同-2.7%へいずれも上方修正された。 1次速報値は過去に遡って改定された。実質GDP成長率の四半期パターンを比較してみれば、2010年1-3月期は0.6%ポイント(前期比年 率+4.4%→同+5.0%)と4-6月期同様に上方修正された。2009年については、1-3月期(同-16.6%→同-16.4%)と7-9月期(同 -1.0%→同-0.3%)が上方修正されたが、4-6月期(同+10.4%→同+9.7%)と10-12月期(同+4.1%→同+3.4%)は下方修正 された。この結果、半期ベースでみると、2009年7-12月期は前期比年率+3.0%と1次速報値の場合と変化がなかったが、2010年1-6月期は 同+3.7%となり、1次速報値の同+3.3%から加速していることに注意。 7月データがほぼ更新された9月13日の支出サイドモデルは、7-9月期の実質GDP成長率を、内需は拡大するが純輸出が縮小するため前期 比+0.6%、同年率+2.6%と予測する。予測動態のグラフが示すように、トレンドは上向いており今後3%を超える可能性が高い。ちなみに、マーケット コンセンサスは2.1%(ESPフォーキャスト9月調査)である。 7-9月期の国内需要を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.2%となる。実質民間住宅は同-2.0%、実質民間企業設備も同-0.1%と減少す る。実質政府最終消費支出は同+0.8%、実質公的固定資本形成は同+4.8%となる。このため、国内需要の実質GDP成長率(前期比+0.6%)に対す る寄与度は+0.8%ポイントとなる。財貨・サービスの実質輸出は同+2.4%増加し、実質輸入は同+5.1%増加する。このため、実質純輸出の実質 GDP成長率に対する貢献度は-0.2%ポイントとなる。 ただ10-12月期の実質GDP成長率は、内需は小幅拡大にとどまり純輸出は引き続き縮小するため、前期比+0.2%、同年率+0.8%と予測してい る。景気は政策変更に伴う駆け込み需要の反動減で減速するとみている。ただ2010年平均でみれば前半の好調に支えられ3%を超える成長を確保できそうで ある。 [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]] 米国 8月の雇用統計が市場コンセンサスより良かったことから、景気回復に対して悲観的だった市場のセンチメントが楽観的な見方へと大きく変わった。市場のセンチメントが変化する兆候は8月のISM製造業指数が市場コンセンサスをかなり上回ったときからあった。 発表された月次経済統計をあるがままに更新して予測者の恣意的なデータハンドリングをしない”Go by the Numbers”手法による超短期予測では、8月30日と9月3日の予測で大きく変化したわけではない。ただ、7月の建設支出の大幅な低下による住宅投資 の大幅な下方修正が、8月の雇用統計による個人所得の上方修正を上回った。そのため、GDPはじめ、その他のアグリゲート指標が少し下方に修正されてい る。しかし、超短期モデル予測の立場は”景気回復に対する注意深い楽観的見方”に変わりはない。確かに、連銀エコノミストなどが懸念するように景気回復の ペースがスローダウンしてきたことは認めるが、それがダブルディップリセッションになる可能性は少ないとみている。それはグラフに見るように、7-9月期 の実質総需要、国内需要、最終需要2(GDP−在庫−純輸出)は前期比年率2.5%〜3.0%の成長率を示している。4-6月期に実質輸入が30%以上も 伸びた経済が今期にマイナス成長をするようなことはないだろう。今の米国経済では企業の利潤率が良くなり、設備・ソフトウエア投資が実質で10%程度の伸 びを続けている。更に、サービス個人消費支出も2%程度の伸び率を回復してきている。 今、大事なことは政策当局者が景気回復に対して楽観的になり始めた市場のセンチメントを利用し、株価の上昇をも たらすことである。政府はできるだけ早く高所得者を含めたブッシュの減税政策の延長を発表すべきである。この高所得者層には中小企業経営者がかなりいるこ とから、中小企業の雇用増に結びつく。FRBにしても、バーナンキ議長の最近の議会証言やジャクソンホールでのコンファレンスでの講演のようにいつまでも 悲観的でいるべきではない。FOMC議事録の書き振りも、”構築物の投資は依然としてマイナスだが、設備・ソフトウエア投資が堅調に伸びている”というよ うに前と後を逆に書くべきである。設備投資の高い伸び率を指摘しながら、その後で、それは旧設備の更新が多いためなどと否定的に述べるのではなく、設備更 新が先にくることは当然のことであり、FRBは更新設備から投資が堅調に伸びていると書くべきである。景気回復が初期において脆弱なことはいつものことで ある。政策当局は市場とのコミュニケーションも一つの重要な政策手段であることを忘れてはならない。 [[熊坂有三 ITエコノミー]]
著者不明
研究プロジェクト

遼寧省開発計画に関する大連民族学院との共同研究で大連訪問

[ 2010年度 ] AUTHOR- DATE2010-09-13

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遼寧省,大連

著者不明
ディスカッションペーパー

近年のデフレーションに関する考察

[ ディスカッションペーパー ] AUTHOR- DATE2010

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デフレーション

入江 啓彰
経済予測

第7号 関西エコノミックインサイト

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR入江 啓彰 / 武者 加苗 DATE2010-09-01

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エコノミックインサイト