第1号 関西エコノミックインサイト

2009-06-09

関連論文

稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.39 <緩やかな改善を継続できるか、岐路に立つ関西>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰 DATE2018-08-28

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計

緩やかな改善を継続できるか、岐路に立つ関西-足下は踊り場、山積するリスクと課題 1.2018年4-6月期実質GDP成長率は前期比+0.5%(同年率+1.9%)と2四半期ぶりのプラス成長となった。実質GDP成長率への寄与度は、国内需要が前期比+0.6%ポイントと2四半期ぶりに成長を押し上げた。特に民間最終消費支出と民間企業設備の貢献が大きかった。一方純輸出は同-0.1%ポイントと2四半期ぶりのマイナス。結果、1-3月期の景気の落ち込みは一時的なものであることを確認した。 2.2018年4-6月期の関西経済は、おおむね緩やかに改善しているが、一部の指標には弱い動きも見られ、踊り場局面が続いている。家計部門は、所得環境や雇用環境など緩やかに改善しているが、消費者心理は悪化した。企業部門では景況感は改善が続き、今年度の設備投資計画は極めて旺盛であるが、生産は一進一退で足踏み状態。対外部門は輸出輸入とも拡大しており、インバウンド需要も堅調である。公的部門は、一進一退で停滞している。なお大阪北部地震の影響は限定的。 3.関西の実質GRP成長率を2018年度+1.8%、19年度+1.0%、新たに20年度+0.8%と予測する。前回予測と比較すると、18年度は+0.5%ポイント、19年度は+0.1%ポイントのそれぞれ上方修正。また過年度の実績見通しについて、16年度の成長率を+0.1%、17年度+2.5%とした。 4.実質GRP成長率に対する寄与度を見ると、2018年度は民間需要+1.1%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.6%ポイントと民需と外需がバランス良く成長を下支えする。19年度は民間需要+0.4%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.5%ポイントで、民需の寄与が小幅となる。20年度は民間需要+0.1%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.6%ポイントとなり、消費増税の影響が顕在化して、民需の寄与はさらに小さくなる。 5.全国と比較すると、18年度は、所得環境の回復やインバウンド需要の再加速により、全国を上回る成長率で推移する。19年度以降は、消費増税の影響から日本経済予測と同様に関西でも成長率は減速する。 6.2017年のインバウンド需要の経済波及効果を推計した。17年の関西インバウンド消費需要(直接効果)は前年比+16.4%増加し、その波及効果により関西のGRPに対して1%程度貢献できるようになった。急増するインバウンド需要に対応し、特に爆買いの2015年以降は、大規模で急速な宿泊施設への投資が進んでいる。稼働率等から見ていまのところ過剰投資の傾向はみられない。 ※英語版はこちら
稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.38 <改善基調に一服感、踊り場にある関西経済>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰 DATE2018-05-31

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計

改善基調に一服感、踊り場にある関西経済。堅調な設備投資計画の実現と外需の下支えが再加速の鍵 1.2018年1-3月期の実質GDP成長率は、前期比年率-0.6%(前期比-0.2%)と9四半期ぶりのマイナス成長となった。寄与度を見ると、純輸出は+0.3%ポイントと2四半期ぶりに成長に寄与した一方で、国内需要は-0.9%ポイントで2四半期ぶりに成長を押し下げた。住宅投資や在庫変動が低調だった。民間消費や設備投資も小幅ではあるが減少している。 2.2018年1-3月期の関西経済は、これまでの改善ペースにやや一服感が見られ、踊り場を迎えている。家計部門では、所得環境や雇用環境など堅調であるが、センチメントは悪化した。企業部門では、生産は一進一退で総じて横ばい。景況感や設備投資計画は高水準を維持している。対外部門は輸出輸入とも拡大しているが、ペースは減速しつつある。公的部門は、一進一退で推移している。 3.足下の経済状況および2015年度県民経済計算確報値の公表を受けて、関西の実質GRP成長率を2018年度+1.3%、19年度+0.9%と予測する。前回予測と比較すると、18年度は+0.2%ポイントの下方修正、19年度は修正なし。また過年度の実績見通しについて、GDP早期推計の改定(下記6.参照)を反映し、16年度の成長率を+0.1%、17年度同+2.2%とした。 4.実質GRP成長率に対する寄与度を見ると、18年度は民間需要が+0.7%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.5%ポイントとなる。19年度は民間需要+0.4%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.4%ポイントとなる。民需と外需が成長要因となるが、19年度にはどちらも若干減速する。 5.全国と比較すると、関西では外需の貢献が大きく、17年度以降全国より若干高い成長率で推移する。関西経済が踊り場を抜けて再加速するためには、全国を上回る伸びを見込む設備投資計画の着実な実行と、堅調な輸出と旺盛なインバウンド需要のさらなる拡大が肝要である。 6.関西各府県は、2015年度の県民経済計算を順次公表している。これを受けて、16-17年度の県内GDP早期推計を改定した。関西の実質GRP成長率(生産側)の実績見通しは、16年度+0.0%、17年度+2.6%となる。16年度は大阪府が-1.7%と大幅マイナスとなるが、他府県の成長によって関西全体では相殺される。一方、17年度は大阪府が+3.9%と大幅プラスに転じ、関西経済を牽引する。   ※ 英語版はこちら
稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.37 <緩やかな内需の好循環で総じて改善している>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰 DATE2018-02-28

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計

緩やかな内需の好循環で総じて改善している先行きは成長率低下を見込み、リスクの顕在化に注意 1.2017年10-12月期の実質GDP成長率は、前期比年率+0.5%(前期比+0.1%)と8四半期連続のプラスとなった。成長に対する寄与度をみると、国内需要は+0.6%ポイントで5四半期連続のプラスとなった。民間消費や設備投資が堅調に成長を下支えしたが、在庫循環の進展から在庫品増加がマイナスの寄与となった。純輸出は同-0.1%ポイントと小幅ではあるが2四半期ぶりに成長を押し下げた。 2.2017年10-12月期の関西経済は、前期に引き続き総じて堅調な改善ペースを維持した。家計部門は、消費者センチメント、所得環境、雇用環境など改善が見られ、堅調である。企業部門では、景況感は好調を維持し、生産も持ち直している。対外部門は輸出輸入とも拡大が続いている。公的部門は、底打ちの動きを見せている。 3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.8%、18年度+1.5%、19年度+0.9%と予測する。前回の予測結果と比較すると、17年度は修正なし、18年度は+0.1%ポイントの上方修正、19年度は-0.2%ポイントと下方修正とした。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、先行きでの成長率低下は民需が主因である。2017年度は民間需要が中心となり成長に貢献する。18年度は前年度に似た民需中心の成長パターンとなるが寄与度はやや小さくなる。19年度は民需の寄与がさらに小幅となるが、外需とともに成長を下支えする。 5.日本経済予測と比較すると、堅調な輸出にともなう外需の貢献から17年度以降は全国を上回る成長率で推移する。日本経済予測に比べて特に外需の貢献が関西では大きい。 6.足下では総じて好調な関西経済であるが、在庫循環や景気先行指標などでは景気後退局面への移行を示唆するシグナルも見え始めている。標準予測に対するリスク要因として、円高進行リスク、地方金融機関の経営リスクを指摘している。
稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.36 <停滞を抜け、堅調な改善が続いている。実感のある景気回復を定着させよ>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰 DATE2017-11-28

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関西経済, 四半期予測, 早期推計

停滞を抜け、堅調な改善が続いている。実感のある景気回復を定着させよ 1.2017年7-9月期実質GDP成長率は前期比+0.4%(同年率+1.4%)と7四半期連続のプラス。市場コンセンサスにほぼ一致する結果であった。成長に対する寄与度をみると、国内需要は-0.2%ポイントで4四半期ぶりのマイナス。純輸出は同+0.5%ポイントと2四半期ぶりのプラスとなった。 2.2017年7-9月期の関西経済は、堅調な改善ペースを維持した。家計部門は、堅調に推移している。住宅市場や雇用環境では改善傾向に一服感が出ているが、消費者センチメントや所得環境は、足下改善している。企業部門は、景況感は好調を維持しているが、生産は弱い動きであり、在庫は積み上がり局面を迎えている。対外部門は輸出輸入とも拡大が続いており、貿易収支は黒字基調が定着している。公的部門は、大幅な前年割れが続いていたが、足下では底打ちしている。 3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.8%、18年度+1.4%、19年度+1.1%と予測する。日本経済予測の下方修正を反映した結果、前回の予測結果と比較して、2017年度は0.1%ポイント、18年度は0.3%ポイントのともに下方修正である。なお今回から19年度の予測を新たに追加した。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2017年度は民間需要が+1.1%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.6%ポイントと、各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度は民間需要+0.8%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.5%ポイント、19年度は民間需要+0.6%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.3%ポイントとなる。成長に対する寄与度は徐々に減速していくが、バランスの良い成長パターンが続こう。 5.日本経済予測と比較すると、2015-16年度の回復の立ち遅れから転じて17年度以降は全国を上回る成長率で推移する。内需の寄与は日本経済予測とほぼ同じであるが、外需はアジア向けを中心とした輸出の伸びが旺盛なことと純移出の貢献から、全国よりも寄与が大きくなる。 6.県内GDP早期推計(2015-16年度実績見通し)を改定した。関西2府4県の実質GRP成長率(生産側)の実績見通しは、2015年度-0.0%、16年度-0.4%となる。日本経済(GDP)では15-16年度にプラス成長に回復していたのとは対照的に、関西は2年連続でマイナス成長であった。なお2017年度(超短期予測、参考値)は+1.4%と3年ぶりのプラス成長に回復する。
稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.35 <緩やかな改善が続く関西経済>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 DATE2017-08-30

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計

緩やかな改善が続く関西経済 1.2017年4-6月期実質GDP成長率は前期比年率+4.0%(前期比+1.0%)と6四半期連続のプラスとなった。市場コンセンサスから大幅に上振れた。国内需要の寄与度は前期比年率+5.1%ポイントと3四半期連続のプラス、純輸出は同-1.1%ポイントと6四半期ぶりのマイナス。内需主導型の堅調な回復となった。 2.2017年4-6月期の関西経済は、緩やかな改善が続いている。家計部門、企業部門ともに持ち直しており、特に企業部門の景況感は先行きも明るい。またこれまで関西では改善が遅れていた所得環境でも、まだ楽観視はできないものの、ようやく上昇の気配が見えてきた。対外部門では、対アジアを中心に輸出輸入とも持ち直してきており、貿易収支は黒字基調が続いている。ただし公的部門は、弱い動きとなっている。 3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.9%、18年度+1.7%と予測する。前回の予測結果と比較すると、関西経済の足下での底堅さと日本経済予測の上方修正を受けて、17年度+0.5%ポイント、18年度+0.4%ポイントとともに上方修正とした。なお過年度の実績見通しについては、前回予測から大きな修正はない。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2017年度は民間需要が+1.1%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.7%ポイントと、各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度は民間需要+0.9%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.7%ポイントと前年度に比べるとやや内需が減速するが、前年度に続いてバランスの良い成長パターンを見込む。 5.日本経済予測と比較すると、2015-16年度の回復の立ち遅れから転じて17年度は全国並み、18年度は全国を上回る成長率で推移しよう。内需の寄与は日本経済予測より小幅にとどまるが、外需はアジア向けを中心とした輸出の伸びが旺盛なことと純移出の貢献から、全国よりも寄与が大きくなる。 6.インバウンド消費の関西経済に対する影響について分析した。訪日外国人消費は2016年の関西GRPを約0.86%、就業者を約1.25%押し上げる効果をもたらした。インバウンド需要は「爆買いから新たな拡張局面へ」移行したといえる。