研究者紹介

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研究者紹介

下田 充

下田 充2019年4月現在

本研究者は以前に在籍されていた、または研究活動に関わっていた方です。

日本アプライドリサーチ研究所 主任研究員

論文一覧

  • 稲田 義久

    128回 景気分析と予測

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1.  5月18日発表のGDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率-3.4%(前期比-0.9%)低下し、2四半期連続のマイナス成長を記録した。市場コンセンサス(ESPフォーキャスト5月調査)の最終予測同-4.63%を上回った。CQM最終予測は、支出サイドが同-5.2%、生産サイドが同-1.7%、平均同-3.4%となった。
    2.  1-3月期のGDP統計を供給面からみると、COVID-19による供給ショックで国内総生産は前期比-4.5兆円、財貨サービスの輸入は同-4.6兆円減少した。これに対して、需要面では、民間最終消費支出が-2.1兆円、民間資本形成-1.3兆円、また財貨サービスの輸出-5.3兆円の減少が対応した。4-6月期には、4月の緊急事態宣言発令による民間消費削減の影響が一層強く出てこよう
    3.  COVID-19の感染拡大は急速に経済を縮小に追い込んでいる。財とサービスの2つの輸出の縮小に加え、自粛活動の広範化による民間最終消費支出への影響を今回の予測に反映した。緊急事態宣言が解除されても、ソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)が持続するため、生産・消費の急速な(V字型)回復は期待薄である
    4.  1-3月期GDP1次速報を追加し外生変数の情報を織り込み、予測を改定した。2020年度の実質GDPは-5.6%大幅減少し2年連続のマイナス成長となろう。21年度は大幅落ち込みの反動もあり+2.5%と回復に転じるが、19年度の水準が回復するのは22年度以降となろう。前回(第127回)予測に比して、今回は20年度を-5.2%ポイント大幅下方修正。21年度は前年度の大幅下方修正からの反動もあり+1.3%ポイント上方修正した。
    5.  実質GDPの四半期パターンをみれば、緊急事態宣言の影響もあり、4-6月期は-20%を超える大幅なマイナス成長は避けられない。20年の後半の2四半期はマイナス成長からの反動で比較的高い成長となるが、以降は潜在成長率を幾分上回るペースが持続する。ただ前年同期比でみると、19年10-12月期と20年の最初の3四半期はマイナス成長が避けられない
    6.  標準予測ではCOVID-19による経済悪化は4-6月期を大底と想定しているが、収束・回復については不確実性が高い。内需外需の低迷からデフレ圧力は高まり深刻である。原油安を背景としたガソリン価格の下落、幼児教育無償化に加え高等教育無償化の影響もCPIを引き下げる。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、消費者物価コア指数のインフレ率を、20年度-0.4%、21年度+0.4%と予測する。

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  • 稲田 義久

    127回 景気分析と予測<新型コロナウイルスの影響で2四半期連続の マイナス成長は不可避:2次速報更新後の予測改定>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1. 3月9日発表のGDP2次速報によれば、10-12月期実質GDPは前期比年率-7.1%と1次速報(同-6.3%)から更に下方修正された。前回増税時(14年4-6月期:同-7.4%)以来の下げ幅となった。

    2. 10-12月期GDP2次速報発表に合わせて、基礎統計の改定や季節調整のかけ直しが行われ、過去値が改訂された。注意を要するのは、7-9月期が-0.4%ポイント(前期比年率+0.5%→同+0.1%)下方修正された結果、ほぼゼロ成長になったことである。駆け込み需要は前回増税時に比して限定的であったが、その反動減は一部台風の影響もあるとはいえ大きかった。日本経済は消費増税前から景気減速に入っていたといえよう。

    3. 新型コロナウイルス感染拡大は急速に経済を縮小に追い込んでいる。財とサービスの2つの輸出の減少に加え、自粛活動の広範化による民間最終消費支出への影響を今回の予測に反映した。このため、もともと基調の弱い民間最終消費支出の大幅落ち込みにつながった。

    4. 10-12月期GDP2次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は-0.0%、20年度は-0.4%と2年連続のマイナス成長、21年度は+1.2%と回復に転じよう。前回(第126回)予測に比して、今回は(1)7-9月期のほぼゼロ成長、(2)10-12月期大幅マイナス成長の下方修正、(3)1-3月期以降の新型コロナウイルスの民間最終消費支出への影響を反映し、19年度を-0.3%ポイント、20年度を-0.6%ポイントいずれも下方修正。21年度は下方修正からの反動もあり、+0.1%ポイント上方修正した。

    5. 実質GDPの四半期パターンをみれば、2019年10-12月期は5四半期ぶりのマイナス成長。純輸出はプラス寄与となったものの、民間需要が総崩れとなったためである。標準予測(後掲、表2参照)では、新型コロナウイルスの影響で1-3月期は民間需要の戻りが遅いことに加え、純輸出がマイナス寄与に転じるため、2四半期連続のマイナス成長は避けられない。20年度の最初の2四半期はマイナス成長からの反動で比較的高い成長となるが、以降は潜在成長率ないしはそれを幾分下回るペースが持続する。前年同期比でみると、19年10-12月期と20年の最初の3四半期はマイナス成長が避けられない

    6. 新型コロナウイルスの感染拡大の終息は標準予測では4-6月期と想定しているが、終息・回復が一層遅れる可能性もある。その回復の程度は、経済活動の下落幅とその持続期間に依存する。また中国での生産や輸出活動が回復したとしても、風評被害により人の移動の回復が遅れる可能性が高い。2011年東日本大震災の場合は、訪日外客の回復に1年を要した。生産・消費の回復スピードは一様ではない。

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  • 稲田 義久

    第126回景気分析と予測<消費増税、新型コロナウイルスの影響で大幅減速>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1.  CPB World Trade Monitor(25 Feb. 2020)によれば、2019年10-12月期の世界輸出(数量ベース:2010年=100)は前期比+0.1%と2四半期連続のプラスだが小幅にとどまった。12月14日に、米中貿易交渉は第1段階の合意に達し世界貿易の一層の悪化は避けられたが、世界貿易の先行きは依然読みにくい。
    2.  2月17日発表のGDP1次速報によれば、10-12月期実質GDPは前期比年率-6.3%(前期比-1.6%)大幅低下し、5四半期ぶりのマイナス成長マイナス幅は市場コンセンサス(ESPフォーキャスト1月調査)の最終予測同-4.05%を大きく下回った。CQM最終予測は、支出サイドが同-4.2%、生産サイドが同-6.4%、平均同-5.3%となり、生産サイドからの予測が実績に近かった。
    3.  10-12月期1次速報発表に合わせて、基礎統計の改定や季節調整のかけ直しが行われ、過去値が改訂された。過去1年を振り返ると、18年10-12月期+1.0%ポイント、19年1-3月期0.0%ポイント、4-6月期-0.1%ポイント、7-9月期-1.3%ポイント、それぞれ修正された。特に、7-9月期の下方修正が大きい
    4.  10-12月期GDP1次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は+0.3%、20年度は+0.2%と減速する。21年度は+1.1%と回復に転じよう。前回(第125回)予測に比して、今回は(1)7-9月期の下方修正、(2)10-12月期の大幅マイナス成長と(3)1-3月期以降の新型コロナウイルスの影響を反映し、19年度を-0.6%ポイント、20年度を-0.2%ポイント下方修正。下方修正からの反動もあり、21年度は+0.4%ポイント上方修正した。
    5.  経済政策の影響もあり今回の駆け込み需要は低く出たものの、増税後は駆け込み需要の反動減や10月の台風の影響もあり、消費の落ち込みは相対的に大きかった。そもそも民間最終消費支出の基調は弱く、その後の回復はしばらく緩やかなものにとどまろう。
    6.   米中貿易戦争は一時的な休戦に入ったが、1月下旬に明らかになった中国を発生源とする新型コロナウイルスの感染拡大は日本経済の先行きに大きな影響を与える。その影響はまず財とサービスの輸出に表れる。またその影響の程度は、経済活動の下落幅とその持続期間に依存する。このため、19-20年度の日本経済は大きく減速し、回復に転じるのは21年度である
    7.  物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税に加え教育無償化の影響が重要だ。1月における消費増税と幼児教育無償化のCPIに与える影響は+0.4%にとどまった。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.5%、21年度+0.4%と予測するる。

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  • 稲田 義久

    第125回景気分析と予測<世界貿易悪化は一服も、予断を許さない先行き>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1.   CPB World Trade Monitor (24 Dec. 2019) によれば、2019年7-9月期の世界輸出数量は前期比+0.5%増加し、4四半期ぶりのプラス。10月の世界輸出数量も前月比+0.9%と3カ月ぶりのプラスとなった。また12月14日米中貿易交渉は第1段階の合意に達し世界貿易の一層の悪化は避けられたが、先行き世界貿易の回復については依然予断を許さない。
    2.  12月8日発表のGDP2次速報によれば、7-9月期実質GDPは前期比年率+1.8%(前期比+0.4%)と1次速報(前期比+0.1%、同年率+0.2%)から大幅上方修正された。なおCQMの最終予測は前期比年率+1.7%。
    3.  過去に遡って基礎データが改訂された結果、2018年すべての四半期の成長率が1次速報から下方修正され、19年の3四半期はすべて上方修正された。このため、18年度の実質GDP成長率は前年比+0.7%から同+0.3%へと大幅下方修正された。18年度は公的固定資本形成が大幅上方修正(-4.0%→+0.6%)されたものの、民間最終消費支出(+0.4%→+0.1%)と民間企業設備(+3.5%→+1.7%)が下方修正されたためである。
    4.  7-9月期GDP2次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は+0.9%、20年度は+0.4%と減速する。21年度は+0.7%と回復に転じよう。前回(第124回)予測に比して、今回は7-9月期の上方修正を反映し、19年度を+0.2%ポイント上方修正した。20-21年度はいずれも変化なし。
    5.  駆け込み需要やその反動減は前回増税時に比して限定的だが、低い可処分所得の伸びに加え消費性向(消費者センチメント)が低下トレンドにあるため、消費増税後の民間最終消費支出の回復基調は弱い。このため、19年10-12月期はマイナス成長を避けられず、その後の回復はしばらく緩やかなものにとどまる。ただ、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の効果が剥落する20年度後半に景気落ち込みは避けられない。加えて、米中貿易戦争解決には時間がかかり世界貿易への下押し圧力は依然強いことから20年度の日本経済は減速し、回復に転じるのは21年度である。
    6.  物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税に加え教育無償化の影響が重要だ。10月における消費増税と幼児教育無償化のCPIに与える影響は+0.2%にとどまった。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.4%、21年度+0.5%と予測する。

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  • 稲田 義久

    第124回景気分析と予測<下げ止まりも、予断を許さない世界貿易の回復>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1. CPB World Trade Monitorによれば、2019年7-9月期の世界輸出は前期比+0.6%増加した。4四半期ぶりのプラスとなった。日本の7-9月期機械受注(外需)は前期比+6.8%と3四半期ぶりのプラス。10-12月期見通しで外需は2四半期連続の増加が予測されている。9月の世界半導体売上高(3カ月移動平均)は前年比-14.6%と9カ月連続のマイナスを記録したが、落ち込み幅は前月から幾分縮小した。IT関連輸出は下げ止まり傾向を示しているが、世界貿易の回復は予断を許さない。
    2. 11月14日発表のGDP1次速報によれば、7-9月期実質GDPは前期比年率+0.2%(前期比+0.1%)と4四半期連続のプラス成長となったが小幅にとどまった。市場コンセンサスやCQMの最終予測は実績から上振れ、過大予測となった。
    3. 4-6月期は堅調な内需が低調な純輸出を相殺したが、7-9月期は低調な純輸出に加え内需が減速したため、4四半期連続のプラス成長となったものの小幅な伸びにとどまった。民間最終消費支出の伸びが予想ほど高くなかったことに加え、民間在庫変動のマイナスの寄与(駆け込み需要による在庫取り崩し)が大きかったことが、内需の減速の要因といえよう。
    4. 7-9月期GDP1次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は+0.7%、20年度は+0.4%と更に減速する。21年度は+0.7%と回復に転じよう。前回(第123回)予測に比して、19年度を-0.3%ポイント、20年度を-0.1%ポイント、いずれも下方修正した。19年前半の低調な民間需要を反映して、19年度全体の予測を下方修正した。内需の下方修正と米中貿易摩擦の長期化予想の影響を受け、20年度も幾分下方修正となっている。
    5. 駆け込み需要は前回増税時に比して限定的だが、低い可処分所得の伸びに加え消費者センチメントの回復が遅いため、民間最終消費支出の基調は弱い。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。しかし、米中貿易戦争解決には時間がかかり世界貿易への下押し圧力は依然強いこと、また政策効果の一巡から20年度は更に落ち込む。日本経済が回復に転じるのは21年度である。
    6. 物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税に加え教育無償化の影響が重要だ。10月における消費増税と幼児教育無償化のCPIに与える影響は+0.2%にとどまった。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.4%、21年度+0.5%と予測する。

     

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