研究者紹介

researcher

研究者紹介

下田 充

下田 充2019年4月現在

本研究者は以前に在籍されていた、または研究活動に関わっていた方です。

日本アプライドリサーチ研究所 主任研究員

論文一覧

  • 稲田 義久

    第125回景気分析と予測<世界貿易悪化は一服も、予断を許さない先行き>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1.   CPB World Trade Monitor (24 Dec. 2019) によれば、2019年7-9月期の世界輸出数量は前期比+0.5%増加し、4四半期ぶりのプラス。10月の世界輸出数量も前月比+0.9%と3カ月ぶりのプラスとなった。また12月14日米中貿易交渉は第1段階の合意に達し世界貿易の一層の悪化は避けられたが、先行き世界貿易の回復については依然予断を許さない。
    2.  12月8日発表のGDP2次速報によれば、7-9月期実質GDPは前期比年率+1.8%(前期比+0.4%)と1次速報(前期比+0.1%、同年率+0.2%)から大幅上方修正された。なおCQMの最終予測は前期比年率+1.7%。
    3.  過去に遡って基礎データが改訂された結果、2018年すべての四半期の成長率が1次速報から下方修正され、19年の3四半期はすべて上方修正された。このため、18年度の実質GDP成長率は前年比+0.7%から同+0.3%へと大幅下方修正された。18年度は公的固定資本形成が大幅上方修正(-4.0%→+0.6%)されたものの、民間最終消費支出(+0.4%→+0.1%)と民間企業設備(+3.5%→+1.7%)が下方修正されたためである。
    4.  7-9月期GDP2次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は+0.9%、20年度は+0.4%と減速する。21年度は+0.7%と回復に転じよう。前回(第124回)予測に比して、今回は7-9月期の上方修正を反映し、19年度を+0.2%ポイント上方修正した。20-21年度はいずれも変化なし。
    5.  駆け込み需要やその反動減は前回増税時に比して限定的だが、低い可処分所得の伸びに加え消費性向(消費者センチメント)が低下トレンドにあるため、消費増税後の民間最終消費支出の回復基調は弱い。このため、19年10-12月期はマイナス成長を避けられず、その後の回復はしばらく緩やかなものにとどまる。ただ、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の効果が剥落する20年度後半に景気落ち込みは避けられない。加えて、米中貿易戦争解決には時間がかかり世界貿易への下押し圧力は依然強いことから20年度の日本経済は減速し、回復に転じるのは21年度である。
    6.  物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税に加え教育無償化の影響が重要だ。10月における消費増税と幼児教育無償化のCPIに与える影響は+0.2%にとどまった。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.4%、21年度+0.5%と予測する。

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  • 稲田 義久

    第124回景気分析と予測<下げ止まりも、予断を許さない世界貿易の回復>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1. CPB World Trade Monitorによれば、2019年7-9月期の世界輸出は前期比+0.6%増加した。4四半期ぶりのプラスとなった。日本の7-9月期機械受注(外需)は前期比+6.8%と3四半期ぶりのプラス。10-12月期見通しで外需は2四半期連続の増加が予測されている。9月の世界半導体売上高(3カ月移動平均)は前年比-14.6%と9カ月連続のマイナスを記録したが、落ち込み幅は前月から幾分縮小した。IT関連輸出は下げ止まり傾向を示しているが、世界貿易の回復は予断を許さない。
    2. 11月14日発表のGDP1次速報によれば、7-9月期実質GDPは前期比年率+0.2%(前期比+0.1%)と4四半期連続のプラス成長となったが小幅にとどまった。市場コンセンサスやCQMの最終予測は実績から上振れ、過大予測となった。
    3. 4-6月期は堅調な内需が低調な純輸出を相殺したが、7-9月期は低調な純輸出に加え内需が減速したため、4四半期連続のプラス成長となったものの小幅な伸びにとどまった。民間最終消費支出の伸びが予想ほど高くなかったことに加え、民間在庫変動のマイナスの寄与(駆け込み需要による在庫取り崩し)が大きかったことが、内需の減速の要因といえよう。
    4. 7-9月期GDP1次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は+0.7%、20年度は+0.4%と更に減速する。21年度は+0.7%と回復に転じよう。前回(第123回)予測に比して、19年度を-0.3%ポイント、20年度を-0.1%ポイント、いずれも下方修正した。19年前半の低調な民間需要を反映して、19年度全体の予測を下方修正した。内需の下方修正と米中貿易摩擦の長期化予想の影響を受け、20年度も幾分下方修正となっている。
    5. 駆け込み需要は前回増税時に比して限定的だが、低い可処分所得の伸びに加え消費者センチメントの回復が遅いため、民間最終消費支出の基調は弱い。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。しかし、米中貿易戦争解決には時間がかかり世界貿易への下押し圧力は依然強いこと、また政策効果の一巡から20年度は更に落ち込む。日本経済が回復に転じるのは21年度である。
    6. 物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税に加え教育無償化の影響が重要だ。10月における消費増税と幼児教育無償化のCPIに与える影響は+0.2%にとどまった。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.4%、21年度+0.5%と予測する。

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  • 稲田 義久

    日韓関係の悪化と関西経済:2つの輸出とそのリスク

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 下田 充

    ABSTRACT

    本稿では最近の日韓関係の悪化が関西経済にどのような影響を及ぼすかを「2つの輸出」の視点から分析した。分析から以下の結論が得られた。

    1. 財貨の交易についてみれば、韓国のシェアは関西・全国ともに輸出が約7%、輸入が約4%である。中国のシェアと比較すれば、輸出で約4分の1、輸入で約8分の1である。今後、韓国との交易が停滞したとしても、関西の輸出や景気全体への影響は限定的となろう。足下、関西の輸出では韓国向けと中国向けの下落率が大きい。米中貿易摩擦の昂進とグローバル・バリュー・チェーンを通じた中国経済と韓国経済の連動性に起因していると考えられる。

    2. 2018年関西への訪日外客による消費総額は1兆1,338億円である。関西産品で9,965億円、その他地域で1,373億円が賄われている。これらによる関西経済への波及効果(付加価値ベース)は約9,213億円なり、関西の域内総生産の1.08%を創出したことになる。

    3. 仮に、訪日韓国人客が前年比30%大幅減少したとしても、訪日外客が関西で生み出す付加価値はベースケースより376億円、-4.1%の減少にとどまる。この背景には韓国人の消費単価の低さがある。府県別では、大阪府の影響が大きく269億円減少し、関西の減少幅の72%を説明する。GRPに対する寄与度でみれば、ベースの1.08%から0.044%ポイント低下する。

    最近の日韓関係の悪化が関西経済に及ぼす影響は限定的と見るが、特にインバウンドの観点から、この結論に至るうえで、重要なのは中国の役割である。関西はアジアからの訪日客が圧倒的に多く、中国人客が堅調に伸びる中、日韓関係の悪化からくるインバウンドへの影響は限定的となろう。勿論、訪問率からわかるように、韓国人の訪問率は中国人に比して比較的地方に分散しているため、関西以外ではその影響は厳しめに出る可能性がある。

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  • 稲田 義久

    第123回景気分析と予測<深刻度を増す世界貿易、足下堅調も民需先細り懸念>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    深刻度を増す世界貿易、足下堅調も民需先細り懸念

    1. 世界貿易は深刻度を増している。CPB World Trade Monitor(23 August, 2019)によれば、19年4-6月期の世界輸出数量は前期比-0.9%減少し、3四半期連続のマイナス。地域別にみれば、先進国は同-0.5%と2四半期ぶりのマイナス、新興国は同-1.4%と3四半期連続のマイナスを記録した。米国の対中制裁第4弾をめぐり、事態打開は当面期待できない。世界貿易の先行きが読みにくくなっており、米中貿易戦争は世界を巻き込みその影響は長期化かつ深刻化している。
    2. 8月9日発表のGDP1次速報によれば、4-6月期実質GDPは前期比年率+1.8%と3四半期連続のプラス成長。市場コンセンサス(ESPフォーキャスト8月調査)の最終予測(同+0.25%)は実績を大幅下回った。一方、CQM最終予測は、支出サイドが同+1.5%、生産サイドが同+2.1%、平均同+1.8%となり、実績とほぼピンポイントとなった。
    3. 4-6月期の実質GDP成長率は、堅調な内需が低調な純輸出を相殺し、3四半期連続のプラスとなった。民間最終消費支出、民間住宅、民間企業設備、公的需要(政府最終消費支出、公的固定資本形成)が成長率を押し上げる一方で、民間在庫変動や純輸出は押し下げた。4-6月期1次速報発表に合わせて、基礎統計の改定や季節調整のかけ直しが行われ、過去値が改訂された。19年1-3月期の上方修正と4-6月期の堅調な成長により、19年1-6月期は前期比年率+2.1%と予想を上回る高成長となった。
    4. 4-6月期GDP1次速報を織り込み、2019年度の実質GDP成長率を+1.0%、20年度を+0.5%と予測した。前回(第122回)予測に比して、19年度を0.4%ポイント上方修正した。一方、20年度を-0.1%ポイント下方修正した。19年前半の好調を反映して、19年度全体の予測を上方修正した。内需の下方修正と米中貿易摩擦の長期化予想の影響を受け、20年度は幾分下方修正となっている。
    5. 足下、民間最終消費支出の堅調は大型連休の影響による一時的なものにとどまり、基調は弱い。標準予測では消費増税が予定通り実施されると想定している。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、実施時期が年央であること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。
    6. 物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税の影響に加え教育無償化の影響が重要だ。これらを考慮し、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.5%と予測する。
    7. 世界経済は減速を避けるために、一連の景気刺激策を打っている。一方、米中貿易摩擦の高進は最大のリスク要因となっている。両国の敵対的行動がさらに進めば、世界経済が同時不況入りするリスクが高まる。

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  • 稲田 義久

    第122回景気分析と予測<高まる輸出・投資の縮小スパイラル・リスク>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    高まる輸出・投資の縮小スパイラル・リスク

    1.CPB World Trade Monitorによれば、2019年1-3月期の世界輸出(数量ベース)は前期比-0.3%低下した。15年7-9月期以降18年7-9月期まで13四半期連続で増加したが、足下の2四半期は連続で減少している。1-3月期の機械受注(外需)は2四半期ぶりのマイナス成長、4-6月期も低調が見込まれている。機械受注の先行性を考慮すれば、19年後半も輸出市場は低迷が続く

    2.5月20日発表のGDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率+2.1%と2四半期連続のプラス成長となった。1-3月期実績は、市場コンセンサス(ESPフォーキャスト5月調査)の同-0.06%を大幅に上回った。一方、CQM最終予測は、支出サイドが同+0.1%、生産サイドが同+0.8%、平均同+0.5%とかろうじてプラス成長を予測したが、実績から下振れた。

    3.1-3月期の結果はポジティブサプライズとなったが、内容は決してよくない。民間最終消費支出、民間企業設備、輸出が前期比減少する一方で、民間在庫変動の増加、輸入の大幅減が成長率を押し上げたからだ。実質GDP成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比+0.1%ポイント(うち、民間在庫変動は同+0.1%ポイント)と2四半期連続、純輸出は同+0.4%ポイント(うち、輸入は同+0.9%ポイント)と4四半期ぶりの、プラスとなった。

    4.1-3月期GDP1次速報を織り込み、2019年度の実質GDP成長率を+0.6%、20年度を+0.6%と予測した。前回(第121回)予測に比して、19年度は変化なし、20年度は-0.1%ポイント下方修正した。米中貿易摩擦の長期化予想の影響を受け、20年度は下方修正となっている。

    5.標準予測では消費増税が予定通り実施されると想定している。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、実施時期が年央であること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。

    6.標準予測に対して、最大のリスク要因は米中貿易摩擦の激化と長期化である。これまで日本経済が享受してきた2つの輸出による景気回復に一段と下押し圧力が高まってきている。輸出の減少が企業収益縮小につながり企業設備を抑制するという、輸出・投資の縮小スパイラルに転じる瀬戸際に日本経済は位置している

    7.物価の先行きについては、エネルギー価格の動向と消費税増税の影響に加え教育無償化の影響が重要だ。これらを考慮し、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.7%、20年度+0.8%と予測する。

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