研究成果

research

経済予測 : 関西2府4県GRPの早期推計

国のGDPの地域版であるGross Regional Product(以下GRPと略称)は、地域マクロ経済の景気変動を測る代表的な指標です。
しかし、各県のGRP確報値(『県民経済計算』)の発表は、例年、国のGDPの公表時期に比して2年ほど遅れています。
このような算出・公表ラグを踏まえ、関西各府県の実績見通しについて、APIRが独自に早期推計を行っています。

  • 小川 亮

    関西2府4県GRPの早期推計 No.2

    経済予測

    経済予測 » 関西2府4県GRPの早期推計

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    小川 亮 / 稲田 義久 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    【トピックス:関西各府県のコロナ禍からの回復過程】

    ・コロナ禍から4年が経とうとしている。今回のトピックスでは各府県のGRPがどのように回復してきたかを再レビューする。なお、2021-22年度の値は前回(No.1)からの改訂、2023年度は超短期予測値として今回が初出となる。

    ・2021-22年度の2年間をみると、兵庫県、京都府、大阪府、和歌山県には順調な回復の兆しが見える。一方で、奈良県においては他府県と異なり回復軌道に乗っているようにはみられず、コロナ禍によるダメージから未だ回復しきれていない現状が見える。

    ・さらに、2023年度の予測値をみると、府県によって新たな局面を迎えているのが分かる。大阪府、京都府は回復ペースを堅持するが、兵庫県や和歌山県は前年度よりも悪化すると予想される。奈良県は一進一退の様相にあり、滋賀県はコロナ前の水準あたりを保つと予想される。

    【ポイント】

    ・2020年度のGRPは、COVID-19の経済的影響のもと、関西各府県のマイナスの寄与度が大きく増し、国全体(-4.1%)に近いマイナス成長。

    ・2021年度には、大阪府、滋賀県を中心とした反転により関西全体で+1.2%のプラス成長であったが、同年度の国は+2.7%であり、関西の回復力は更に国を下回っている。

    ・2022年度では+1.3%となり回復の傾向が続いたが、23年度は製造業の不振などを背景に横ばいの状況になると予想される。

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  • 小川 亮

    関西2府4県GRPの早期推計 No.1

    経済予測

    経済予測 » 関西2府4県GRPの早期推計

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    小川 亮 / 稲田 義久 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    【トピックス:関西各府県のコロナ禍からの回復過程】

    ・コロナ禍から3年が経過した。今回のトピックスでは関西各府県GRPの回復過程をレビューする。2021年度以降の回復の推移を見れば、兵庫県、京都府、大阪府、和歌山県には順調な回復の兆しが見える。特に京都府や和歌山県では22年度における回復は急激である。一方で、滋賀県、奈良県においては他府県と異なり回復軌道に乗っているようにはみられず、コロナ禍によるダメージから未だ回復しきれていない状況が見える。

    【ポイント】

    ・2020年度のGRPは、関西各府県のマイナスの寄与度が大きく増し、国全体に近いマイナス成長になったと見込まれる。21年度には、大阪府と兵庫県を中心とした反転により関西全体でプラス成長であったが、関西の回復力は更に国を下回っている。そして、22年度では回復の傾向を強めたと予想される。

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