「東アジア」の検索結果 [ 2/2 ]
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都道府県別訪日外客数と訪問率:2月レポート
インバウンド
インバウンド
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ABSTRACT
【ポイント】
・2月の関西2府8県別に訪日外客数(推計値)をみると、福井県1,691人(前年同月比-67.6%)、三重県7,421人(同-53.3%)、滋賀県6,466人(同-60.6%)、京都府28万3,118人(同-54.7%)、大阪府41万1,531人(同-55.8%)、兵庫県5万8,021人(同-60.8%)、奈良県14万5,024人(同-36.1%)、和歌山県9,880人(同-56.0%)、鳥取県3,994人(同-66.3%)、徳島県2,391人(同-58.0%)となった。
・JNTO訪日外客数推計値によれば、2月総数は108万5,100人と前年同月比-58.3%大幅減少し、5カ月連続のマイナス。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、各国で海外旅行を控える動きがみられるようである。
・国籍別に伸び率をみると、中国は17カ月ぶり、台湾は7カ月ぶり、香港は6カ月ぶり、韓国は8カ月連続のマイナス。特に中国は2003年5月以来の減少幅(前年同月比-69.9%)となった。東アジアを中心に新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく現れ、来月以降も更なる大幅減少が予想されていることから、今後の動向には一層の注意が必要。
【トピックス】
・2月の関空への訪日外客数は前年同月比-66.0%大幅減少した。2019年の関西での外国人消費額は1兆610億円と推計(APIR)されるから、2月のインバウンド需要の損失額は583.9億円(=10610/12×0.66)と推計される。
・関空入国者数の伸びをリーマンショック期、東日本大震災期と今回の新型コロナウイルスの3つの時期を比較すると、今回の落ち込みが最も大きい。各経済ショック発生月の翌月に減少幅が拡大する傾向が見られる。その後、再び訪日外客がプラスとなるまでリーマンショック期で15カ月、東日本大震災期で10カ月を要している。
※英語版はこちら
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アジアをめぐる経済統合の展望と課題
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2018年度 » アジア太平洋地域軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
上席研究員 木村福成 慶應義塾大学経済学部教授
研究目的
アジア諸国は、Brexitと米トランプ政権の登場に象徴される保護主義的風潮の高まりに危機感を抱きつつも、日EU EPAの大枠合意、TPP11の署名、RCEP交渉の継続などを受け、新たな段階にはいりつつある。アジアは自由貿易に対する向かい風に抗していけるのか、デジタル・エコノミーの波はこれまでの製造業ベースのグローバル・ヴァリュー・チェーンを中心に据えた開発戦略をどう変えていくのか、高いレベルの自由化と新たな国際ルール作りは進むのかなど、最新の情報を踏まえつつ検討すべき課題は多い。本プロジェクトでは、国際経済学のみならず、国際法学、企業研究などさまざまな知見を得ながら、アジアの経済統合について研究を進めていく。
2018年度は、過去3年間の研究プロジェクトの後継として、改めて研究のスコープを設定し、特に企業経営に影響を与えうる諸要因の抽出を行っていく。
研究内容
2017年度までの3年プロジェクトから仕切り直しとなる初年度は、刻々と変化する国際貿易体制の状況を踏まえながら、マクロ的には自由貿易体制の行方、ミクロ的には自由化と国際ルール作りの要点につき、学際的な視点を固めていくことに力を傾けたい。また最新情勢の把握のため、適宜、外部講師を招聘し、認識の共有を促進したい。
研究会は、オープン形式のワークショップとし、会員企業の方々等との情報共有を進め、また同時に多方面の方々からのフィードバックも受ける。喫緊の課題についての研究実施となるため、事態の新展開を常に追っていく必要がある。それら最新の情勢に関して専門性をもって解釈し、将来を見据えた議論を展開していくところに、本プロジェクトの独自性が存在する。
リサーチャー
期待される成果と社会還元のイメージ
オープン形式のワークショップにおいて、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々に還元する。また、アジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資する。
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アジア太平洋地域におけるFTAとEPAのあり方
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2017年度 » アジア太平洋地域軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
上席研究員 木村福成 慶應義塾大学経済学部教授
研究目的
2017年1月、米国トランプ大統領がTPPからの撤退の意志を明確にした。今後、「ポストTPP」がどのような方向に行くのか、他の選択肢も含めて注意深くその動向を調査・分析する必要がある。また、「ポストTPP」が他の多国間経済連携協定(AEC、RCEPなど)へ与える影響もふまえ、東アジア諸国の経済はどのように変わっていくのか、またそれは日本・関西の企業にどのような変化をもたらすのか、経済、国際法、国際政治など多方面から分析を加える。
研究内容
研究3年目の最終年度となる2017年度は、商業出版も視野に入れながら、研究会を進めていく。内容としては、第一に、国際通商政策体系の再編と東アジアが目指すべき経済統合の姿について、経済学、国際政治学、国際経済法の視点から議論を深める。それを踏まえ、第二に、東アジア経済統合の進展を、台湾のケース、ASEAN・東アジア経済統合、連結性、企業活動などの切り口から、検討を加えていく。
リサーチャー
阿部顕三 大阪大学大学院経済学研究科教授
春日尚雄 福井県立大学地域経済研究所教授
川島富士雄 神戸大学大学院法学研究科教授
椎野幸平 拓殖大学国際学部准教授
清水一史 九州大学経済学研究院教授
陳 永峰 東海大学副教授・日本地域研究センター長
湯川 拓 大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授
期待される成果と社会還元のイメージ
オープン形式のワークショップにおいて、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々に還元する。研究成果の集大成として商業出版を実施し、一般の方々にも広く研究に理解を得る。また、アジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資する。
<研究会の活動>
研究会
・2017年4月14日 キックオフミーティング開催
・2017年6月27日 第1回研究会開催
・2017年10月02日 第2回研究会開催
・2017年12月18日 第3回研究会開催
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災害復興の総合政策的研究
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2016年度 » アジア太平洋地域の経済的ダイナミズムと今後の行方
ABSTRACT
リサーチリーダー
研究員 林 万平
研究目的
地震、台風、洪水を始めとする自然災害が近年多発するアジア地域において、総合政策としての復興政策の重要性は高まってきていることを背景に、日本、フィリピン、タイ、インドネシアにおける災害後の復興政策について、経済的、行政的、市民的視点も含めて、求められる政策対応について考察する。
研究内容
過去に東日本大震災、フィリピン台風「ハイアン」、タイ洪水の分析を行ってきている(「アジアの自然災害リスク」、「アジアの自然災害リスクへの対処」、「日本企業立地先としての東アジア」、「日本、フィリピン、タイにおける災害復興のあり方」)。今年度はインドネシアの現地調査を行う。
海外学会参加を通じて、調査研究によって得た分析結果を、海外学会で発表し、ディスカッションを通じて知見を深める。
過年度の研究報告書(「アジアの自然災害リスク」、「アジアの自然災害リスクへの対処」、「日本企業立地先としての東アジア」、「日本、フィリピン、タイにおける災害復興のあり方」)にて行った2011年のタイ洪水、東日本大震災、2013年フィリピン台風「ハイアン」による被害とその後の復興についての分析を、最新の情報も加えた上で、再度整理する。
以上の分析を比較し、各大災害の特性を踏まえつつ復興における問題点や課題について整理し、政策提言を行う。また、各分析結果をもとに本の出版に向けた準備を行う。
統括
林 敏彦 APIR研究統括
リサーチャー
Jose Tiusonco APIRインターン
Mizan Bustanul Fuady Bisri APIRインターン
期待される成果と社会還元のイメージ
東日本大震災、タイ洪水、ヨランダ台風、インドネシア地震・津波災害による被害やその復興における問題や課題等についての分析を元に、報告書を執筆し公表する。政府・自治体は今後の災害復興や将来の災害対策に向けた参考にすることができる。市民・企業は、地域における防災体制の構築の上で参考にすることができる。
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日本、フィリピン、タイにおける災害復興のあり方
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2015年度 » アジア太平洋地域の制度インフラとリスク分析
ABSTRACT
リサーチリーダー
研究員 林 万平
研究目的
アジア地域の大きなリスクのひとつである自然災害への備えを研究する。
研究内容
過去に行った東日本大震災、タイ洪水の分析研究(「アジアの自然災害リスク」、「アジアの自然災害リスクへの対処」、「日本企業立地先としての東アジア」)をベースに、最新の情報を加えつつ、フィリピンのヨランダ台風のケースについても調査分析を行うことで、各災害の比較研究を行う。
リサーチャー
Jose Tiusonco APIRインターン
Mizan Bustanul Fuady Bisri APIRインターン
林 敏彦 APIR研究統括
期待される成果と社会還元のイメージ
東日本大震災、タイ洪水、ヨランダ台風による被害やその復興における問題や課題等についての分析を元に、報告書を執筆し公表する。政府・自治体は今後の災害復興や将来の災害対策にむけた参考にすることができる。市民・企業は、地域における防災体制の構築の上で参考にすることができる。
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日中韓三国協力国際フォーラム2015 参加報告
インサイト
インサイト » トレンドウォッチ
/ DATE :
ABSTRACT
2015年は第2次世界大戦の終戦後70年、日韓国交正常化が行われて50年、日中国交正常化が行われて43年となる日中韓3か国にとって節目の年である。こうした中で、日中韓をめぐる北東アジアの国際関係は北朝鮮及び米国、ロシアを含め、これまで以上に複雑な様相を見せている。このような状況の中、4月3日に東京で日中韓三国協力国際フォーラムが開催された。昨年は韓国のソウルで行われたこのフォーラムが今回日本で初めて開催されるということで、これを記念するため日中韓の三国やそれ以外にも様々な国の要人が参加した。本稿では、フォーラムで行われた議論の概要について紹介し、若干の課題について述べる。
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シンガポールに見る新しい空港の形 ~オリンピックブームと観光戦略~
インサイト
インサイト » トレンドウォッチ
/ DATE :
ABSTRACT
2020年に開催される東京オリンピックに当たって、海外からの外国人旅行者の呼び込みにも注目されるが、その際、重要となるのが空路、すなわち空港である。日本は島国であるため、海外からの需要を呼び込むためには航空ネットワークの整備が必要不可欠である。現在日本国内において、空港法によって定められている国際空港は成田国際空港、東京国際空港、中部国際空港、関西国際空港、大阪国際空港の5つである。この内、大阪国際空港は関西国際空港が開港されたことにより、国際航空路線が全廃されたため、実質的には残りの4つの空港が日本における国際空港として機能している。インバウンド需要を考える上でアジア圏からの旅行者の割合は非常に高く切り離せない存在になっているため、アジア圏のハブ空港としてのポジションを獲得できるかどうかは重要な問題である。本稿ではアクセス面に於いてアジア圏と近く、また国際線の便数も1000万人規模となっている関西国際空港と東アジアの空港の代表としてシンガポール・チャンギ国際空港との異なる点について言及する。
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日本の対アジア太平洋外交政策と通商政策のあり方
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2014年度 » アジア太平洋地域の経済成長と発展形態
ABSTRACT
リサーチリーダー
主席研究員 大矢根聡 同志社大学教授
研究目的
緊張感が高まる東アジア地域の外交関係の中で、日本の通商政策のシナリオオプションを探る。
研究内容
今般、日中・日韓関係が混迷し対米関係にも影を落としていることに鑑み、政治学・国際関係論分野の地域研究、政治経済・安全保障研究の観点から、二国間外交における対立緩和メカニズムの変化や対応策を検討する。日本と中国、韓国、ASEAN、アメリカの国内政治・外交上の変化と、それが通商政策、ひいては地域秩序に及ぼす影響をとらえ、対応策に関して提言をまとめる。
リサーチャー
大西 裕 神戸大学 教授
三宅康之 関西学院大学 教授
西山隆行 成蹊大学 教授
多湖 淳 神戸大学 准教授
湯川 拓 大阪大学 准教授
期待される成果と社会還元のイメージ
関西においては、政治や国際関係に関するオープンな研究会、シンポジウムの開催が少ない。前年度までの本研究会の活動が多くの企業関係者、市民の参加を得て、好評であった。本年度はより発展的なシンポジウム開催や研究成果の刊行等をとおして社会への一層の還元を図る。
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環太平洋経済協力をめぐる日・米・中の役割
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2013年度 » アジア太平洋地域軸
ABSTRACT
研究成果概要
本研究では、主要国において政権交代後に一定の傾向を示しつつある通商政策を把握し、TPP(環太平洋連携)協定やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)協定の交渉の動向を考察して、アジア太平洋地域における経済協力の枠組みの変化を説明した上で、日本が果たすべき役割を提示しました。詳細はこちら
?目的
この研究の背景には、日・米・中・韓で2012年に政権選挙と、政治的指導者の交代が相次いだことがある。政権交代によって、主要国の環太平洋経済協力を巡る対応はどのように変化するか。地域貿易協定(RTA)に関するTPPのような契約型アプローチと、ASEAN型の合意型アプローチの間で、日本はどのような役割を果たすことができるか。この研究では、地域経済協力の可能性と限界について、国際関係、歴史、政治経済学的視点から分析する。 本研究では、政権交代の通商政策への影響とそれを踏まえた日本の役割への提言を、企業関係者と一般市民を対象にまとめる。
内容
関西を代表する米・中・韓各国政治および国際政治、国際政治経済の専門家で研究会を構成し、それぞれが各国及び国際関係の情勢を調査・分析し、それを会員企業及び一般市民に開かれたオープンなワークショップ・シンポジウムを通じて知見の共有と発展を図る。現地調査にはアメリカで関係学会への出席及び政府関係者へのヒアリングを予定する。 ?政治学的なテーマでのオープンなワークショップ・シンポジウムの開催は、会員企業、市民に対する関西発の特徴ある社会還元となる。
期待される成果と社会還元のイメージ
アジア太平洋地域における地政学的分析を踏まえ、日本がTPP、日中韓間FTA、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉にどのような態度で臨むべきか明らかにする。 2012年に日、米、中、韓で改まった政治指導体制が2013年には本格的に始動する。2013年体制がもたらすアジア太平洋地域の新たな政治秩序と、経済協力との関係についての展望を明らかにする。アジア太平洋地域における経済協力と政治的安定性との間の因果関係を分析し、国際政治的リスクの視点から、日本企業が留意すべきポイントを明らかにする。
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中小企業の東南アジア進出に関する実践的研究
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2013年度 » アジア太平洋地域軸
ABSTRACT
研究成果概要
本研究は、日本の中小企業が「ものづくり」を東アジア諸国で展開するために相手国および日本側でとるべき施策・体制を検討し、提言を策定することを目的としています。2013 年度は関西及び国内他地域の産業集積地を訪問し、地域の特色を活かした中小企業の海外展開支援の取り組みについて調査しました。また、ベトナムと並んで日系中小企業の関心が高いタイで現地調査を実施し、昨年度焦点をあてたベトナムとの比較分析を行いました。本研究が強調している点は、①日本型ものづくりの将来ビジョンを策定する必要性とその指針の提示、②海外進出支援のめざす方向として、国内ビジネス支援機能と海外展開支援機能、及び現地支援機能を連携させる仕組みをつくる必要性、そして国内の産業集積地における好事例の紹介、③相手国との共創プロセスを通じた進出の促進、その意味で日本の産業政策と産業開発協力を調和化させ、相手国と「ものづくりパートナーシップ」ビジョンを共有する意義、です。研究を進めるにあたっては、実践とネットワーキング、政策的な働きかけを意識して、オープンな研究会の運営や問題意識を共有する組織とのコラボレーション企画に取り組みました。本報告書の分析と提言、及び研究プロセスで構築された知的ネットワークが、関係者の皆様に役立つことを願っています。詳細はこちら
目的
日本の中小企業が東アジア諸国で展開するために、日本および投資受入れ国でとるべき具体的施策・体制について提言する。その背景には、近年の事業環境変化によって中小企業の取引が多様なものに変化していることがある。特に現地人材を育成し、パートナー国を戦略的に増やしていくための実効的な施策が重要となる。 研究成果は報告書・セミナー等を通じて政策担当者・支援組織・協力機関・企業・研究者等を主な対象とする。
内容
前年度のベトナムを事例とした提言をフォローし成果を発信するとともに、本年度は、日本のものづくりパートナー先行国であるタイに焦点をあてる予定である。これらを通じて、政策インパクトを高めていく。 本研究の特徴は、実践(「Do」)とネットワーキング、政策的働きかけを意識した取組みを行うことにある。
期待される成果と社会還元のイメージ
(1)前年に大阪・関西で構築した産学官のネットワークを関西広域および東京を含む他地域にも広げることで、発信力や政策インパクトを高めることができる。
(2)他地域の中小企業の海外展開の好事例を調べ、関西の支援機関や企業にとって参考になる情報を提供する。
(3)タイ進出に関心ある中小企業に対し、両国の受入れ体制等について具体的な情報提供ができる。
(4)本年度の早い時期に、研究報告書を商業出版し、政策担当者・中間支援組織・経済協力機関・企業・研究者等を主対象に幅広く発信することをめざす。
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環太平洋経済協力をめぐる日・米・中の役割
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2012年度 » アジア太平洋地域軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
大西 裕 神戸大学教授研究成果概要
本研究は、主要国の政権交代による通商政策への影響を踏まえながら、環太平洋経済協力に対する各国の政策基調を考察し、米中など関係国で高まる政治的不確実性に対する情報を提供し、TPP等で日本の積極的役割が求められていることを示しました。詳細はこちら研究目的
国際政治、国際協力、政治経済学、災害復興協力等の視点から、環太平洋経済協力に対し、日本が果たすべき役割を考察。地域の長期展望を得て、日本及び関西が主導すべき政策的方向性を提言。研究内容
○日本・外国の研究者、産業界、政府関係者の協力のもと研究会・ミニシンポジウムを開催
○中国での現地調査
○多国間交渉における日本の外交的役割として、日本がどのような説得力を発揮できるかを考察
○日米中韓の国内的政治経済状況について、パワーゲームと各々の主張、さらに今年の政権交代が与えるインパクトや選挙結果を分析
○東アジアにおける戦略的災害復興協力体制について提案。 東日本大震災の国際協力の実態も整理・分析メンバー
林 敏彦 (同志社大学)
大矢根聡 (同志社大学)
三宅康之 (関西学院大学)
多湖 淳 (神戸大学)
西山隆行 (甲南大学)
穐原雅人 (ひょうご震災記念21世紀研究機構)期待される研究成果
・米中韓の選挙・政権交代について、選挙の争点及び選挙結果を分析。今後の政治的展望、対外経済政策を見通す。
・過去の貿易自由化交渉を検証し、国際政治経済学の理論に基づいた戦略的視座を得る。
・東日本大震災における防災・復興に関する国際協力の検証により、より有効な支援のあり方を考える。 -
関西企業とアジアの経済統合
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2012年度 » アジア太平洋地域軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
阿部 茂行 同志社大学教授研究成果概要
TPPが動き出すことによりアジア大の経済統合が現実味を帯びてきました。もとより「世界の工場」アジアは、デファクトに統合をすすめ、広範囲の生産ネットワークを築いてきたのです。2011年のタイ洪水はそうしたネットワークの中心にあったタイに甚大な被害を与え、世界の自動車・電機電子産業への影響も強いものがありました。このプロジェクトでは、タイ経済の回復過程、そして今後起こりうる変化を分析することにより、今後の経済統合の進展が及ぼす関西企業(ことに中小企業)への影響を考察しました。多国籍企業は人件費等の安さだけで立地決定をしているわけではなく、業種によっては裾野産業が育っていることが重要です。その意味でタイは、関西中小企業に格好の進出機会を与えてくれる、というのが結論です。詳細はこちら研究目的
関西企業の東アジアに進出するモチベーション、技術移転、経済統合への対応、アジアへの貢献等を産業分野別に調査分析し、アジアの枠組みの中で関西経済を見直し、関西経済復権への具体的提言につなげる研究を行う。研究内容
○専門家、企業人を招いた研究会を開催
○関西企業のFTA/EPAに関するヒアリング
○タイにおいて現地企業から聞き取り調査を実施
○経済統合の進展とともに、どのようにサプライチェーンが構築されたか、今後の経済統合がどのようにサプライチェーンを変質させるか等のデータ分析メンバー
Eric D.Ramstetter (国際東アジア研究センター)
上田曜子 (同志社大学)
後藤健太 (関西大学)
久保彰宏 (富山大学)
阿部良太 (神戸大学大学院生)期待される研究成果
・日本・アジアにおける関西企業の立ち位置を統計的に明示
・タイ洪水がもたらした生産ネットワークへの被害実態と対策について客観的に評価
・アジアにおける産業別生産ネットワークの実態の解明により、今後の方向性とリスク回避方法を探究
・日本企業の貢献に関する現地側の評価の明確化
・TPP等経済連携についての関西企業の取組み・期待に関するサーベイ
・関西経済復権につながる具体的な政策研究 -
中小企業の東南アジア進出に関する実践的研究
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2012年度 » アジア太平洋地域軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
大野 泉 政策研究大学院大学教授研究成果概要
本研究は、日本の中小企業が「ものづくり」を東アジア諸国で展開するために相手国および日本側でとるべき施策・体制を検討し、提言を策定することを目的としています。2012年度は、関西のものづくり中小企業のベトナム進出支援に関わる諸問題に焦点をあてて分析・検討を行いました。そして、ものづくり中小企業が海外進出の際に直面する途上国側と国内の課題を明確にし、政府・地方自治体、国内支援機関、経済協力機関、企業や研究者等の参考に資することを念頭に、日越の支援ネットワークの結合を含む提言をとりまとめました。研究を進めるにあたっては、実践とネットワーキング、政策的な働きかけを意識して、オープンな研究会を運営したり、ベトナムの工業団地に関する情報等、国内支援機関や企業に役立つ具体的情報を提供することに努めました。本報告書の分析と提言、及び研究プロセスで構築された知的ネットワークが、関係者の皆様に役立つことを願っています。 詳細はこちら研究目的
わが国の中小企業の「ものづくり」がアジアに展開しつつある。また政府はそれを支援するための体制を構築している。この動きを現場レベルで実践・推進するために、日本および投資受け入れ国でとるべき具体的施策を検討し、提言をとりまとめる。研究内容
○国内での議論と海外調査(ベトナム)を組み合わせて実施
・中小企業の海外進出に関する考察
・現地工業団地の状況調査、誘致政策等の把握
・途上国における人材育成の課題の把握
○自治体、経済協力機関へのヒアリング
○国・自治体・企業・経済協力機関等のネットワーク構築
・近畿経済産業局をはじめとする近畿地域中小企業海外展開支援会議の構成機関等との連携にも努めるメンバー
大野健一 (政策研究大学院大学)
森 純一 (JICA専門家)
前田充浩 (産業技術大学院大学)
領家 誠 (大阪府商工労働部)
関係機関・企業・専門家等が参加するオープンな研究会方式期待される研究成果
・日本の中小企業が海外展開の際に直面する途上国側の課題を明確にし、今後の政策、企業の取組みに役立つ具体的な情報の提供
・ベトナムの現場の取組みを踏まえ、実効性と政策インパクトのある分析と提言
・国内外の知的ネットワークの構築への貢献 -
今月のトピックス(2010年4月).
インサイト
インサイト » コメンタリー
/ DATE :
ABSTRACT
2007年9月の本コラムで、中国成長のカギを握る農業についてレポートした。当時としての中国経済に対する判断は、「10%を超える成長のモメンタム を維持しており、この傾向は少なくとも上海万博が開催される2010年まで持続する」というものであった。この間、リーマン・ショックというかつてない世 界的な景気の落ち込みを経験したが、中国経済は足下でみれば当時の診断がさほど外れていないようである。「経済成長の牽引役は工業であり、当面、何らかの 措置を講じなくても高成長を持続しそうな勢いである」と成長の強さを強調する一方で、農業の停滞は全体の成長にとって大きなリスクとなっていることを強調 した。実際、農業生産性の停滞は食料価格の上昇や食料輸入の増加をもたらしていることを指摘した。
中国農業は三農(農村、農業、農民)問題を抱えており、中国農民は貧しく、一向に豊かになれないのである。中国政府は都市住民との所得格差を是正するた め農業税を廃止したが、あまり効果は上がっていないようである。現地の農業問題専門家の指摘によれば、(1)低い社会保障制度、(2)低い農村の教育水 準、(3)貧弱な農村技術指導が大きな問題である。
これまで筆者が参画する東アジアの発展と環境に関する調査プロジェクトは、農家向けの戸別メタン発酵装置(有機性廃棄物からメタンを発酵させ高率よくメ タンガス等のバイオガスを回収)導入による農村地域の貧困及び環境改善の可能性を調査してきた。この政策は、(1)貧困地域には経済・環境改善の効果があ るが、都市周辺地域ではほとんど効果がなく、(2)立地条件が重要な要素である。これが、複数の調査結果から得た結論であった。
そこで、都市周辺の農村地域の発展モデルの1つとして、6次産業化(1次産業、2次産業、3次産業を同時に実現するという意味で)を実現し、国家モデル となっている留民営村(北京市郊外第6環状線の外の大興区長子営)を3月初旬に調査した。同村は人口860人、戸数260戸、面積2,212ムー (148ha)の規模である。農地面積は1,800ムーで小麦、トウモロコシ、野菜が中心である。特に、北京市内向けに低農薬・無農薬の緑色食品を販売し ている。安全で高品質な農産物を供給する「生態農業」としてつとに有名なのである。同村には、小規模な工業団地があり工業生産もある。また「グリーンツー リズム」も内包しており、農業を中心に多様な付加価値を生み出す農村となっている。
留民営村が成功・機能している要因としては、(1)北京市、天津市の近郊という立地特性を生かした緑色製品の生産販売(農商連携)、(2)輸出用農産物 も生産(立地の優位性)、(3)農産物の加工販売(農工連携)、(4)生態農業による家畜糞尿等の循環利用(畜産連携)、(5)主流の農家個別ではなく、 村単位として発展に取り組んだこと、(6)キーマン(村長)のリーダーシップを挙げることができる。日本でも鳩山政権の政策の一つとして農業の高付加価値 化が謳われているが、留民営村は非常に参考になるモデルである。
最後に、このモデルの課題を指摘しておこう。一見素晴らしいモデルを留民営村は確立してきたのであるが、後継者問題が最大の課題となっている。若年労働 者が北京市や天津市などの高所得を生み出す地域に流出する傾向を反転することはできない。現地の農業労働者の高齢化が進んでいるのである。(稲田義久)日本
<成長率の加速を予測:1-3月期の日本経済。しかし、大幅な需給ギャップが足枷>4月19日の予測では、1-3月期のGDPを説明する一部の3月のデータ(金融物価関連)と2月のほとんどの月次指標が更新された。
超短期予測(支出サイドモデル)は、1-3月期の実質GDP成長率を、内需が大幅拡大し純輸出も引き続き拡大するため前期比+1.9%、同年 率+7.8%と予測する。先月の予測(+5.0%)から大幅上方修正されている。この強気な見方は、マーケットコンセンサス(+2.42%:4月ESP フォーキャスト)とは対照的である。
超短期予測が強気である理由は、内需が前期比大幅拡大するという見方が、コンセンサス予測とは異なる点であると思われる。
1-3月期の国内需要をみると、実質民間最終消費支出は前期比+0.9%と堅調な伸びを予測している。実質民間住宅は同-1.0%減少するが、実質民間 企業設備は同+5.9%大幅増加するとみている。実質民間企業在庫品も4,450億円増加する。実質政府最終消費支出は同+0.8%、実質公的固定資本形 成は同-4.6%となる。このため、国内需要の実質GDP成長率(前期比+1.9%)に対する寄与度は+1.6%ポイントとなる。
内需のうち、民間最終消費支出と民間企業設備の強めの予測が特徴的である。1-2月期の平均消費総合指数は10-12月期比+0.9%上昇した。1-2 月の小売業販売額の好調も1-3月期の民間消費が堅調であることを示唆している。政策効果の表れといえよう。一方、民間企業設備についてみると、2月の資 本財出荷指数(確報値)は前月比+7.2%増加し、3ヵ月連続のプラス。同指数の1-2月平均は10-12月期比+15.4%と大幅な上昇となった。この ため、1-3月期の実質民間企業設備の予測値は大幅に上方修正されている。その他のGDP項目では、実質民間企業在庫品増加の予測値が上方修正されてい る。
1-3月期の財貨・サービスの実質輸出は前期比+4.9%増加し、実質輸入は同+3.7%増加する。このため、実質純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度は+0.3%ポイントとなる。
このように、1-3月期経済は、政策要因と海外市場の回復に支えられ非常に高い成長を実現しそうであるが、問題は持続性である。高い成長にもかかわら ず、GDPデフレータは、1-3月期に前期比-0.8%、4-6月期に同-0.5%となる。民間最終消費支出デフレータも、1-3月期に同-0.2%、 4-6月期に同-0.4%と予測しており、大幅な需給ギャップの存在が持続的成長の足枷となっている。[[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]
米国
グラフにみるように、4月16日の超短期予測では、支出・所得サイドの平均実質GDP成長率(前期比年率)が3%となった。それまでの緩やかな上昇トレ ンドが急な上向きに変わった。1-3月期の支出サイドの成長要因は個人消費支出で、おそらく3.5%程度の伸び率となり成長率には2.5%ポイント程度の 寄与となろう。在庫は前期ほどではないが1%ポイント程度成長に寄与するだろう。純輸出は輸出入共に大きく伸びるため、成長にはそれほど大きく寄与しない だろう。しかし、輸出入の大きな伸び率は米国の貿易相手国、米国自体の景気回復を意味している。構築物投資、住宅投資の低迷は、成長にとって大きなマイナ ス要因となる。
今回最も予測が難しく不確実性が残るのが、景気刺激策・金融危機対策を含む政府支出である。3月の政府支出は大きく減少しているため、成長へのマイナス要因となることも考えられる。一方、所得サイドでの成長要因は個人所得と法人所得の増加である。
成長率が3%(前期比年率)程度になる一方で、インフレ率(前期比年率)は0.5%?1.5%と落ち着いている。このことから、景気の本格的回復(例え ば、雇用増)を確認するまでFRBは出口戦略を急ぐ必要はないとの見方もあるが、4月30日発表の2010年1-3月期実質GDPの成長率が3%を超えれ ば、やはりFRBは政策金利引き上げに動きたくなるだろう。異常な低金利の期間が長すぎることは誰もが認めており、その潜在的な弊害が大きいことも知って いる。今の米国の景気回復をみると、製造業が本格的に回復しており、25ベーシスポイント(0.25%)程度の政策金利引き上げで景気の腰が折れるような ことはない。
このように考えると、1-3月期の実質GDP成長率が3%を超えた時点で、FRBは政策金利を徐々に引き上げる態勢に入るだろう。これは、市場コンセン サスとは異なる見方だが、6月22日、23日のFOMCにおける25ベーシスポイントの政策金利引き上げのシナリオを描いてもよいだろう。[[熊坂有三 ITエコノミー]]
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関西地域間産業連関表を活用したシミュレーションについて
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2005年度
ABSTRACT
「関西経済分析モデル」研究成果発表
(主査:福重元嗣・大阪大学大学院経済学研究科教授)
当研究所の関西経済分析モデル研究会は、学界の専門家、近畿経済産業局、近畿財務局、各府県統計部署担当者、民間シンクタンク、その他で組織されて いる。モデルの作成に先立ち、大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀、福井の2府5県を対象に、各府県の産業連関表と近畿表を連結した、関西地域唯一の地 域間産業連関表を作成した。その特徴は以下のとおりである。(1) 各都道府県内のモノの流れだけではなく、府県の境界を越えて移動するモノの流れを考慮することが可能(=生活経済圏が発達した現在の社会状況をよく反映した分析が可能)
(2) 75部門の産業ごとの詳細な経済効果と、産業全体への経済効果の両方を数値化することが可能。
平成17年3月25日、「関西活性化の鍵を探る」をテーマとして、この産業連関表を使った研究成果を発表した。その活用例は、以下の3点のシミュレーションである。
1. 関西地域における企業集積の経済波及効果
関西の各府県の電子・通信機器部門の生産額の10%相当が兵庫県に立地したと仮定した場合、関西地域全域における経済波及効果は1,598億円である。
2. 関西地域における道州制の経済波及効果
関西の自治体の区域・役割再編、税源移譲を行い、官業の一部民間委託と10%の経営努力が行われると、公的部門の減少が民間部門への移管により相殺され、関西地域のGRPは0.001%押し下げられるのみにとどまる。
3. 日韓FTA実施による関西への経済波及効果(詳細はマクロ経済分析プロジェクト「交流深まる関西と東アジア」を参照)