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「関西経済」の検索結果 [ 10/17 ]

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.72 – 景気は足下悪化傾向、先行きは改善の兆しか –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 馬 騰 / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    – 景気は足下悪化傾向、先行きは改善の兆しか –
    ・2月の生産は4カ月ぶりの前月比プラスだが、1-2月の生産は10-12月平均比-3.0%下落し、生産は依然低調である。近経局は生産の基調判断を「足踏みをしている」と前月から据え置いた。
    ・3月の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、前年比縮小した。輸出・輸入はともに減少しており、内容がよくない。世界経済減速の影響もあり、特に中国向けの科学光学機器、半導体等電子部品等が減少した。
    ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりに前月比悪化し、4カ月連続で50を下回った。月後半の気温の低下により春物商材の動きが芳しくなかったことがマイナスに寄与した。
    ・1月の関西コア実質現金給与総額は2カ月ぶりの前年比改善だが、伸びは小幅にとどまった。
    ・2月の大型小売店販売額は4カ月連続の前年比マイナス。百貨店はインバウンド需要の伸びがプラスに寄与したが、スーパーは野菜の相場安と冬物衣料の不調によりマイナスに寄与した。
    ・2月の新設住宅着工戸数は4カ月ぶりの前年比減少。持家は増加したものの、貸家の減少の影響が大きい。
    ・2月の有効求人倍率は5カ月ぶり、新規求人倍率は2カ月連続で前月比小幅改善した。完全失業率も3カ月連続で改善しており、引き続き雇用情勢は堅調である。
    ・3月の公共工事請負金額は3カ月ぶりの前年比減少。結果、1-3月期は5四半期ぶりに前年比増加した。
    ・3月の関空の外国人入国者数は6カ月連続で前年比増加したが、依然一桁台の伸びに留まっている。国籍別にみると、1月の台湾は8カ月ぶりに前年比増加したものの、韓国・香港からの入国者数は8カ月連続で同減少している。
    ・中国1-3月期実質GDP成長率は好調な第2次産業に支えられ、前年同期比6.4%となった。また、3月の製造工業PMIは2カ月ぶりに改善し、4カ月ぶりに50を上回った。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.70 – 景気は足下横ばいも、先行きは改善の兆しか –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    – 景気は足下横ばいも、先行きは改善の兆しか –
    ・12月の生産は2カ月連続の前月比減産となったが、10月の挽回生産の影響もあり、10-12月期は3四半期ぶりにプラスに転じた。結果、2018年平均の生産は3年連続で増加した。
    ・1月の貿易収支は12カ月ぶりの赤字となり、前年比大幅拡大した。中国経済の減速と米中貿易摩擦により、半導体関連を中心に輸出額が大幅減少したためである。
    ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは、3カ月連続の前月比悪化。暖冬傾向が続き季節商材の売れ行きが低調であること、中国における電子商取引法(EC法)の影響で百貨店の免税売上が減少したことなどが判断を押し下げた。
    ・11月の関西2府4県の現金給与総額は2カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額は消費者物価上昇率の減速もあり、4カ月ぶりの前年比上昇であった。
    ・12月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比マイナス。高額品や化粧品が伸び百貨店は2カ月ぶりのプラスも、季節性飲食料品の不振のためスーパーは3カ月連続のマイナスであった。
    ・12月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比増加。分譲をはじめ、すべての項目で増加した。結果、2018年通年では2年ぶりの改善となった。
    ・12月の有効求人倍率は3カ月連続で前月比悪化したが、完全失業率は4カ月ぶりの改善。雇用情勢は堅調である。2018年通年は、有効求人倍率は9年連続、完全失業率は6年連続で改善した。
    ・1月の公共工事請負金額(季節調整値)は前月比大幅増加し、2カ月ぶりのプラスとなった。
    ・12月の建設工事出来高は10カ月連続の前年比増加。結果、2018年通年は前年とほぼ同水準であった。
    ・1月の関空の外国人入国者数は4カ月連続で前年比増加したものの、一桁台の伸びにとどまっている。国籍別では、11月は韓国・台湾・香港からの入国者数が6カ月連続で減少した。
    ・中国1月の製造業PMIは2カ月連続で景気分岐点を下回ったが、前月からやや改善。一方、米中貿易摩擦の影響を受け、12月と1月の対米輸出入はともに前年比減少。米中貿易摩擦の影響が顕在化している。

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  • 豊原 法彦

    関西CLI の予測力の検証 – 2008年1月から2019年1月の発表データを用いて –

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    豊原 法彦

    ABSTRACT

    著者はアジア太平洋研究所(APIR)の2015 年度研究プロジェクト「関西独自の景気指標の開発と積極的な活用」において関西CLIを開発し、同年11 月より現在まで毎月計算した結果を経済フォーキャストならびに四半期に一度開催されるマクロ研にて報告している。

    本稿では、2 年にわたる継続的な結果を踏まえ、関西CLI がどれほど将来予測に利用可能かを検証する。具体的にはまず2 章ではt時点のCLI(t) ?とそれよりlカ月先の一致指数試算値(以下ではCI_c(t + l) と略記) を用いて計算されるTheil’s U を最小にするl を関西ならびに各府県ごとに求める。3 章では2017 年1 月から2019 年1 月の結果に対し、関西ならびに各府県それぞれについてCLI(t) を説明変数、lカ月先のCI_c(t + l) を被説明変数する回帰分析を行い係数の有意性と当てはまり度合いを調べ、さらに4 章ではCLI(t) とCI_c(t + l) の動く方向に注目し、同じ方向に動いている割合から当てはまりの状況を検証する。最後に5 章で全体の評価をまとめる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.41 <足下の景気は堅調だが先行き下降局面を迎える-18年7-9月期GDP2次速報値反映>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰

    ABSTRACT
    1. 12月10日発表のGDP2次速報値によれば、7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率-2.5%と1次速報値(同-1.2%)から大幅下方修正された。最大の要因は民間企業設備の下方修正である。また17年度の第一次年次推計値、16年度の第二次年次推計値が公表された。結果、16年度の実質GDP成長率は下方修正(+1.2%→+0.9%)されたが、17年度は上方修正(+1.6%→+1.9%)された。
    2. 日本経済の先行きについては、7-9月期GDP2次速報を織り込み、実質GDP成長率を2018年度+0.7%、19年度+0.6%、20年度+0.8%と予測 (APIR『第120回 景気分析と予測』)。緩やかな回復を維持するが、低い成長率にとどまろう。
    3. 関西の実質GRP成長率を2018年度+1.4%、19年度+0.7%、20年度+0.5%と予測する。前回予測と比較すると、2018年度は7-9月期GDP2次速報値の結果と日本経済予測の下方修正を織り込み、18年度は-0.4%ポイントの下方修正とした。19年度・20年度は、民間需要を上方修正、外需を下方修正した結果、成長率全体では修正なしとなった。
    4. 実質GRP成長率に対する寄与度を見ると、2018年度は民間需要+1.0%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.3%ポイントと民需が成長を牽引する。19年度は民間需要+0.5%ポイントで、前年度と同様に景気を下支えするが、年度央の消費増税の影響もあり、寄与は小幅となる。公的需要は+0.1%ポイント、外需は+0.1%ポイントと成長への貢献は小さい。また20年度は民間需要+0.3%ポイントと消費増税の影響が顕在化し、民需の寄与はさらに小さくなる。公的需要は+0.2%ポイント、外需は+0.1%ポイントとなる。

    全国の成長率と比較すると、18年度は、所得環境での全国を上回る改善やインバウンド需要の加速により、全国より高い成長率で推移する。19年度以降は、消費増税の影響から日本経済予測と同様に関西でも成長率は減速し、全国並みの成長率となる。2020年度には、全国に比して関西では内需の貢献が小幅となり、日本予測の成長率が関西を若干上回る。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.69 – 景気は足下横ばいも、先行きは悪化を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    – 景気は足下横ばいも、先行きは悪化を見込む –
    ・11月の生産は2カ月ぶりの前月比減産となったが、10-11月平均は7-9月平均比+2.8%上昇。10-12月期は3四半期ぶりの回復となる可能性が高い。
    ・12月の貿易収支は11カ月連続の黒字だが、黒字幅は4カ月連続の前年比縮小。貿易黒字を四半期ベースで見ると、1-3月期と4-6月期は前年比拡大したが、7-9月期と10-12月期は縮小した。
    ・12月の景気ウォッチャー現状判断DIは、3カ月ぶりの前月比悪化。インバウンド需要は堅調だが、株価下落や暖冬傾向が続き、季節商材の売れ行きが低調であることが判断を押し下げた。
    ・10月の関西コア賃金指数は2カ月ぶりの前年比増加だが、消費者物価上昇により、実質現金給与総額は3カ月連続で減少している。実質賃金を巡る環境は悪化している。
    ・11月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比マイナス。暖冬の影響もあり、冬物衣料の不振で百貨店は2カ月ぶり、飲食料品(鍋物)の不振でスーパーは2カ月連続のマイナスであった。
    ・11月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比改善。分譲をはじめ、すべての項目が全体を押し上げた。
    ・11月の有効求人倍率は2カ月連続の前月比悪化。完全失業率も3カ月連続で悪化したが、非労働力人口の減少もあり、引き続き雇用情勢は堅調である。
    ・12月の公共工事請負金額(季節調整値)は3カ月ぶりの前月比マイナスとなったが、10-12月期は2四半期ぶりの前期比プラス。今後、復旧関連の補正予算の効果が期待できる。
    ・11月の建設工事出来高は9カ月連続の前年比増加。インバウンド・復興関連作業で今後も増加することが見込まれる。
    ・12月の関空の訪日外客数は3カ月連続の前年比増加。訪日外客数は徐々に回復しており、2018年通年では前年比+6.8%の765万人。7年連続の前年比プラスだが、伸びは1桁に減速した。
    ・中国経済の減速は鮮明である。2018年の実質GDP成長率は+6.6%となり、90年以来の低水準。12月の製造業PMIは米中貿易摩擦の影響で29カ月ぶりに景気分岐点(50)を下回った。

     

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  • 稲田 義久

    「訪日外国人消費動向調査」個票データ分析から得られる関西インバウンド戦略へのインプリケーション(2)-訪日外国人の移動パターン-

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    本稿では、『訪日外国人消費動向調査』の個票データの観察に基づき、訪日外国人の移動パターンについて得られる特徴を整理、検討し、関西インバウンド戦略に向けての含意(インプリケーション)を導出する。今回の報告では、特に訪日外国人の滞在日数と移動パターンについて詳細(国籍別)に検討する。

    観察結果より、(1)アジア地域からの観光・レジャー目的での滞在日数は概ね1週間以内である一方で、欧米からの観光客は滞在日数が10日以上の長期型となっている。(2)ビジネス目的での訪日外国人の滞在日数はアジア、欧米にかかわらず、長期研修目的を除けば概ね4泊5日以下の短期滞在型が主流である。(3)注目すべきはインバウンド需要が本格化する2015年から足元の移動パターンは、観光・レジャー目的のみならずビジネス目的においても広域化しており、入国先が関西であったとしても、その後の移動先はほぼ全国に広がっていることが確認できた。

    インバウンド需要が関西経済を拓く新たな原動力と捉えるならば、こうした現象・傾向はインバウンド産業戦略を考える上での重要な点であり、検討すべき課題と言える。この分析をもとに、今後は関西から入国した後の訪日外国人の移動パターンを、個別地域に特化してより詳細に観察することが可能となろう。また、ミクロデータを用いてインバウンド需要の決定要因について定量的に分析することが可能である。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.68 – 景気は足下横ばいも、先行きは悪化を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    – 景気は足下横ばいも、先行きは悪化を見込む –
    ・10月の生産は7-9月平均比+3.1%と上昇し、9月の挽回生産の影響もあり好調な結果だが、持続性については注意が必要。
    ・11月の貿易収支は10カ月連続の黒字となったが、黒字幅は前年同月比縮小した。米中貿易摩擦の影響で、中国向け半導体関連(通信機、科学光学機器)輸出が大幅減少した影響が大きい。
    ・11月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月連続の前月比改善。関空の機能が平常に戻ったことでインバウンド需要や百貨店の売上が堅調に伸びていることなどが改善に寄与した。
    ・9月の関西2府1県の「関西コア」賃金指数は17カ月ぶりの前年比減少。消費者物価上昇もあり、実質現金給与総額は2カ月連続で減少しており、実質賃金を巡る環境に悪化が見られる。
    ・10月大型小売店販売額は4カ月ぶりの前年比プラスだが小幅にとどまった。百貨店は国内向け高額品が好調で2カ月ぶりのプラス。スーパーは季節商材の低調で2カ月ぶりのマイナス。
    ・10月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比減少。持家と分譲は好調を維持しているが、貸家は大幅減少し、全体を押し下げた。
    ・10月の有効求人倍率は有効求人数と有効求職者数が共に増加した結果、6カ月ぶりの前月比悪化。完全失業率は2カ月連続で小幅悪化したが依然低水準であり、雇用情勢は堅調である。
    ・11月の公共工事請負金額は前年比4カ月ぶりの、前月比2カ月連続のいずれもプラスで、持ち直しの動きが見られる。
    ・10月の建設工事出来高は8カ月連続の前年比増加。インバウンド・復興関連作業で今後も増加すると期待される。
    ・11月関空の訪日外客数は2カ月連続で前年比増加し、伸びも加速。入国者数は回復している。国籍別では、9月は台風で関空が一時閉鎖されたため、いずれの国・地域でも大幅に減少した。
    ・中国11月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は3カ月連続で前月比下落し、28カ月ぶりに景気分岐点の50となった。米中貿易摩擦の影響を受け、輸出新規受注指数は6カ月連続で50を下回った。また、工業生産は10年ぶり、社会消費品小売総額は15年ぶりの低い伸びとなった。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.67 – 景気は足下悪化が続くも先行きは改善の兆しか –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    -景気は足下悪化が続くも先行きは改善の兆しか-

    ・9月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比マイナスとなり、結果7-9月期は2四半期ぶりの前期比低下。近畿経産局は生産の基調判断を「緩やかな持ち直しの動きに一服感」と下方修正した。
    ・10月の貿易収支は9カ月連続の黒字となったが、黒字幅は前年比縮小した。9月の台風の影響で一時閉鎖した関空の物流機能が回復しつつあり、輸出と輸入はともに増加した。
    ・10月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりの前月比改善。関空の機能が平常に戻り、インバウンド需要や百貨店の売上が回復傾向にあることなどが改善に寄与した。
    ・8月の関西2府4県の現金給与総額は18カ月連続の前年比増加だが、伸びは1%未満にとどまった。また、実質現金給与総額はガソリン等エネルギー価格の上昇から6カ月ぶりに減少した。
    ・9月の大型小売店販売額は3カ月連続の前年比マイナス。百貨店は台風の影響もあり2カ月ぶりの同マイナス。スーパーは農産品価格の高騰が続いており2カ月ぶりの同プラスとなった。
    ・9月の新設住宅着工戸数は貸家と分譲の急増により4カ月ぶりの前年比増加。結果、7-9月期は2四半期連続の前年比プラスとなった。
    ・9月の有効求人倍率は4カ月連続の前月比改善。依然として労働需給は引き締まった状態が続く。完全失業率は3カ月ぶりに小幅悪化したが、雇用情勢は引き続き堅調である。
    ・10月の公共工事請負金額は3カ月連続の前年比マイナスだが、前月比(季節調整値)では3カ月ぶりのプラスであった。
    ・9月の建設工事出来高は7カ月連続の前年比増加。結果、7-9月期は2四半期連続のプラスと持ち直しの動きがみられる。
    ・10月関空の訪日外客数は2カ月ぶりに前年比増加したが、小幅にとどまった。国籍別では、8月は韓国・台湾・香港からの入国者数が3カ月連続で減少した。
    ・中国10月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月連続で前月比下落。うち、生産指数も2カ月連続、輸出新規受注指数も3カ月連続といずれも悪化が続いている。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.40 <2つの輸出により足下景気は堅調も先行きに黄信号>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰

    ABSTRACT

    2つの輸出により足下景気は堅調も先行きに黄信号自然災害と米中貿易摩擦高進で高まる景気減速リスク

    1.2018年7-9月期実質GDP成長率は前期比-0.3%(年率換算-1.2%)と2四半期ぶりのマイナス成長となった。実質GDP成長率に対する寄与度は国内需要-0.8%ポイント、純輸出-0.3%ポイントとともにマイナスとなった。国内需要は相次ぐ自然災害の影響で伸び悩み、民間最終消費支出が-0.3%ポイント、民間企業設備が-0.1%ポイントと成長を押し下げた。また輸出は関空の一時閉鎖の影響もあり、-1.3%ポイントと5四半期ぶりのマイナスとなった。

    2.2018年7-9月期の関西経済は、一部で自然災害の影響が見られたが、おおむね堅調を維持した。家計部門では、所得や雇用は改善が続いているが、センチメントや大型小売店販売は低調だった。企業部門では、景況感は堅調に推移し、設備投資計画は旺盛である一方、生産は弱い動きとなった。対外部門は、関空一時閉鎖により輸出入や外国人客数は一時的に前年割れとなったが、インバウンド需要は前年を上回る拡大を維持した。公的部門は弱い動きである。

    3.関西の実質GRP成長率を2018年度+1.8%、19年度+0.7%、20年度+0.5%と予測する。前回予測と比較すると、18年度は修正なし、19年度・20年度ともに-0.3%ポイントの下方修正である。

    4.全国の成長率と比較すると、18年度は、所得環境の全国を上回る高い伸びやインバウンド需要の加速により、全国より高い成長率で推移する。19年度以降は、消費増税の影響から日本経済予測と同様に関西でも成長率は減速し、全国並みの成長率となる。2020年度には、全国に比して関西では内需の貢献が小幅となり、日本予測の成長率が関西を若干上回る。

    5.標準予測に対して、海外・国内とも様々なリスクが懸念される。海外リスクとしては、世界経済全体の鈍化が指摘できる。特に中国経済にスローダウンの兆しが見えつつある中で、米中間の貿易戦争の高進は、関西経済にも影響が波及するおそれがある。国内リスクとしては、消費増税後の民間需要の停滞がある。一方で、2025年の万博開催が大阪・関西に決定したことは、先行きの明るい材料となろう。

    6.トピックスとして、自然災害の中でも、9月の台風21号による影響について検討した。9月の関空一時閉鎖によりインバウンド関連では317億円、財輸出関連では281億円となり、合計では約598億円の経済的損失が発生した見込み。これは輸出の0.3%、関西GRPの0.1%に相当する。関西に対する風評被害が履歴効果として蓄積しないよう、迅速かつ適切な情報発信が必要である。また、関西2府4県のGDP早期推計の改定結果および超短期予測の結果が示されている。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.66 – 景気は足下先行きともに悪化傾向が続く –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    -景気は足下先行きともに悪化傾向が続く-

    ・8月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比プラスとなったが、7-8月平均は4-6月平均比で低下した。近畿経産局は3カ月連続で生産の基調判断を前月から据え置いた。
    ・9月は台風21号と24号で関空が一時閉鎖された影響もあり、輸出入ともに減少した。結果、同月の貿易収支は8カ月連続の黒字となったが、黒字幅は前年比縮小した。
    ・9月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりの前月比悪化した。台風21号による影響を受けたが、その後迅速に復旧が進んだため、落ち込みは比較的軽微であった。
    ・7月の関西2府4県の現金給与総額は17カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額は5カ月連続で増加したものの、1%未満の伸びにとどまった。
    ・8月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比マイナス。百貨店ではブランド品を中心に国内消費が好調であったが、スーパーでは季節性の衣料品が不調であったため。
    ・8月の新設住宅着工戸数は貸家着工の減少が影響し、3カ月連続の前年比減少となった。弱含みの動きが見られる。
    ・8月の有効求人倍率は3カ月連続の前月比改善。依然として労働需給は引き締まった状態が続いている。完全失業率は2カ月連続で改善しており、雇用情勢は引き続き堅調である。
    ・9月の公共工事請負金額は2カ月連続で前年比マイナス。結果、7-9月期は2四半期ぶりのマイナス。公共工事の低迷もあり、建設工事の伸びは減速している。
    ・9月関空の訪日外客数は2度の台風の影響が大きく、19カ月ぶりの前年比マイナス。国籍別では、7月は韓国・台湾・香港からの入国者数が2カ月連続で同減少した。
    ・中国7-9月期の実質GDPは前年同期比+6.5%となり、2四半期連続で低下し、2009年1-3月期以来の低水準。米中の貿易を見れば、9月の対米輸出額は駆け込み需要により6カ月連続の増加だが10月以降の反動減が懸念される。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.65 – 景気は足下先行きともに悪化傾向が続く –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    – 景気は足下先行きともに悪化傾向が続く-
    ・7月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月比マイナス。4-6月平均比でも低下し、7-9月期の最初の月としては低調であったが、近畿経産局は生産の基調判断を前月から据え置いた。
    ・8月の貿易収支は7カ月連続の黒字となり、黒字幅も前年比拡大した。エネルギー価格高騰により輸入が伸びたものの、好調な半導体関連の需要で輸出の伸びがそれを上回ったため。
    ・8月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりの前月比改善。相次ぐ自然災害に加え、8月は連日の猛暑で様々な業種に悪影響が出た。しかし、落ち込んでいたインバウンド需要が戻ったことが好感され、DIは改善した。
    ・6月の関西2府4県の現金給与総額は16カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額は同横ばいで、4カ月連続で1%未満の伸びにとどまっている。
    ・7月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比マイナス。スーパーでは猛暑で飲食関連商品が好調だったが、百貨店では豪雨や台風、バーゲン前倒しによる買い控えの影響が大きかったため。
    ・7月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比マイナス。個人向けアパートローン融資額の減少による貸家の着工の減少が影響した。
    ・7月の有効求人倍率は2カ月連続の前月比改善。労働需給は引き締まった状態にある。完全失業率も2カ月ぶりに改善しており、雇用情勢は引き続き堅調である。
    ・8月の公共工事請負金額は3カ月ぶりに前年比マイナスに転じた。大阪府北部地震や台風21号からの復旧・復興関連作業で、関西の公共工事は増加すると見込まれる。
    ・8月関空の訪日外客数は18カ月連続で前年比増加したものの、大阪北部地震や西日本豪雨等による影響で、2カ月連続で1桁の伸びにとどまった。
    ・中国の8月の貿易収支は5カ月連続の黒字となった。なお、対米貿易収支は、駆け込み輸出増の影響もあり黒字が拡大。米中貿易戦争の影響は年後半にかけて顕在化すると見られる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.39 <緩やかな改善を継続できるか、岐路に立つ関西>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰

    ABSTRACT

    緩やかな改善を継続できるか、岐路に立つ関西-足下は踊り場、山積するリスクと課題

    1.2018年4-6月期実質GDP成長率は前期比+0.5%(同年率+1.9%)と2四半期ぶりのプラス成長となった。実質GDP成長率への寄与度は、国内需要が前期比+0.6%ポイントと2四半期ぶりに成長を押し上げた。特に民間最終消費支出と民間企業設備の貢献が大きかった。一方純輸出は同-0.1%ポイントと2四半期ぶりのマイナス。結果、1-3月期の景気の落ち込みは一時的なものであることを確認した。

    2.2018年4-6月期の関西経済は、おおむね緩やかに改善しているが、一部の指標には弱い動きも見られ、踊り場局面が続いている。家計部門は、所得環境や雇用環境など緩やかに改善しているが、消費者心理は悪化した。企業部門では景況感は改善が続き、今年度の設備投資計画は極めて旺盛であるが、生産は一進一退で足踏み状態。対外部門は輸出輸入とも拡大しており、インバウンド需要も堅調である。公的部門は、一進一退で停滞している。なお大阪北部地震の影響は限定的。

    3.関西の実質GRP成長率を2018年度+1.8%、19年度+1.0%、新たに20年度+0.8%と予測する。前回予測と比較すると、18年度は+0.5%ポイント、19年度は+0.1%ポイントのそれぞれ上方修正。また過年度の実績見通しについて、16年度の成長率を+0.1%、17年度+2.5%とした。

    4.実質GRP成長率に対する寄与度を見ると、2018年度は民間需要+1.1%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.6%ポイントと民需と外需がバランス良く成長を下支えする。19年度は民間需要+0.4%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.5%ポイントで、民需の寄与が小幅となる。20年度は民間需要+0.1%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.6%ポイントとなり、消費増税の影響が顕在化して、民需の寄与はさらに小さくなる。

    5.全国と比較すると、18年度は、所得環境の回復やインバウンド需要の再加速により、全国を上回る成長率で推移する。19年度以降は、消費増税の影響から日本経済予測と同様に関西でも成長率は減速する。

    6.2017年のインバウンド需要の経済波及効果を推計した。17年の関西インバウンド消費需要(直接効果)は前年比+16.4%増加し、その波及効果により関西のGRPに対して1%程度貢献できるようになった。急増するインバウンド需要に対応し、特に爆買いの2015年以降は、大規模で急速な宿泊施設への投資が進んでいる。稼働率等から見ていまのところ過剰投資の傾向はみられない。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.64-景気は足下悪化も、先行きは足踏み-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    – 景気は足下悪化も、先行きは足踏み-
    ・6月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月比プラスとなったものの、近畿経産局は生産の基調判断を前月から据え置いた。結果、4-6月期の生産は2四半期ぶりに上昇に転じた。
    ・近畿圏の7月の貿易収支は6カ月連続の黒字となったが、黒字幅は前年比縮小した。なお、全国は2か月ぶりの赤字となった。
    ・7月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりの前月比悪化。前月に続き自然災害による影響が百貨店や外食、ホテルなどに及んでいる。猛暑で夏物商材の販売は好調だが、出控えによる客足の減少もあり、総じてみると消費者のマインドは弱い。
    ・5月の関西2府1県の「関西コア」賃金指数は13カ月連続の前年比増加。また、実質現金給与総額も3カ月連続の改善。所得環境は改善が見られる。
    ・6月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比プラス。スーパーでは天候不順により夏物商材の売上が低迷したが、百貨店ではバーゲンの前倒しと免税品売上が好調であったため。
    ・分譲マンションの急減により、6月の新設住宅着工戸数は、3カ月ぶりに前年比マイナスに転じた。しかし、4-6月期は前年同期比5四半期ぶりのプラスとなった。
    ・6月の有効求人倍率は3カ月ぶりの前月比改善。労働需給は引き締まった状態が続いている。完全失業率は4カ月ぶりに悪化したものの、雇用情勢は引き続き堅調である。
    ・7月の公共工事請負金額は2カ月連続の大幅増加。大阪北部地震の復興工事の影響もあり、今後も増加すると考えられる。
    ・6月の建設工事は、4カ月連続で前年比増加した。結果、4-6月期は前年同期比4四半期ぶりの増加となった。
    ・7月の関空を利用した外国人入国者数は17カ月連続の前年比増加。大阪北部地震や西日本豪雨が影響したものの、マイナスに転じるまでには至っていない。
    ・中国7月の製造業の購買担当者景況指数(PMI)は、2カ月連続で悪化した。加えて、1-7月期の(累積)固定資産投資は5カ月連続で減速したが、うち高技術製造業と生態保全・環境規制に関する産業への投資は大きく伸びた。

     

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  • 稲田 義久

    インバウンド先進地域としての関西+MICE

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2018年度 » 日本・関西経済軸

    RESEARCH LEADER : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学教授

     

    研究目的

    日本経済が人口減少化の下で、将来に亘って持続的な経済成長を実現するためには、新たな成長戦略が必要となる。特に関西経済においては、インバウンド・ツーリズムの戦略的価値が高い。昨年度は、関西におけるインバウンド戦略を検討するための関西基礎統計の整理、マイクロデータによる分析に取り組んだ。

    研究の3つの方向:2017年度に引き続き、関西におけるインバウンド戦略を検討するために、以下の4つの軸を中心にバランスよく研究を進める。

    ①関西基礎統計の整理

    ②マイクロデータによる分析

    ③観光戦略の在り方

    ④MICEに関する調査分析

    特に研究の中心は、②である。具体的には、観光庁が訪日外国人客の消費実態等を把握し、観光行政の基礎資料とする目的で実施してきた訪日外国人消費動向調査個票・宿泊旅行統計調査個票(今年度データ取得予定)を用いたマイクロデータの分析である。

     

    研究内容

    <成長戦略立案のための実証分析>

    産業としての「インバウンド・ツーリズム」を確立するために、近畿運輸局などの協力のもと、エビデンスにもとづいた戦略が議論できるための実証分析を行う。

    具体的には「訪日外国人消費動向調査」等の個票データを用いて、消費品目別の需要関数を推定し、「爆買い」以降のインバウド需要決定の構造的要因を定量的に考察していく。

    <成長戦略立案のための課題の認識>

    政策担当官庁、推進組織、民間団体が認識する「爆買い」以降のマーケティング戦略をめぐる課題を議論できる場を提供し、その解決策を発信する。

    <関西のインバウンド需要の定量分析と他地域との比較分析>

    今年度の個票データを活用した分析により、観光エリアとしての調査分析が可能となり、より詳細な成長戦略立案への具体的な資料提供が可能となる。

    <観光施策についてより実現性のある研究>

    本研究により観光DMOや観光庁、民間の事業方針とマーケティング分析や効果検証が実現できる。

    リサーチャー

    大井達雄 和歌山大学観光学部 教授

    松林洋一 APIR主席研究員、神戸大学教授

    研究協力者

    柴谷淳一 国土交通省・近畿運輸局観光部計画調整官

    森 健夫 関西観光本部 事務局長

    濱田浩一 関西観光本部 事務局次長

    角倉洋介 日本旅行業協会 事務局長

    筒井千恵 関西エアポート㈱ グループリーダー

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    ・関西インバウンド基礎統計の整備

    ・マイクロデータによる分析成果

    ・関西観光戦略の課題の共有化

    ・関西の観光産業の成長戦略の立案

    ・観光ハードとソフトのインフラ整備の選択・集中

    ・DMOのKPIとその検証

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2018年9月   第1回研究会開催(予定)

    ・2018年11月   第2回研究会開催(予定)

    ・2019年1月   第3回研究会開催(予定)

    ・2019年2月   第4回研究会開催(予定)

    ・2019年3月   第5回研究会開催(予定)

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  • 高林 喜久生

    2011年版 APIR関西地域間産業連関表の作成と活用

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2018年度 » 経済予測・分析軸

    RESEARCH LEADER : 
    高林 喜久生

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    上席研究員 高林 喜久生 関西学院大学経済学部教授

     

    研究目的

    企業活動のグローバル化に伴い、地域経済を取り巻く状況は大きく変化している。中でも関西では、インバウンド需要の増加による交流人口の拡大や、交通網整備を始めとするインフラの充実など、地域を越えた財・サービスの流動が近年増加しており、地域間かつ広域で経済活動を把握することが重要となっている。

    APIRでは、前身の関西社会経済研究所の時代から、関西における地域間産業連関表の作成に取り組んでおり、その成果は「2005年 関西地域間産業連関表」として公表されている。しかし、それから10年以上が経過し、当時と比べて関西の経済構造は大きく変化している。そこで、本プロジェクトでは、関西経済の構造分析や観光消費による経済波及効果分析のために、APIRが持つ「関西地域間産業連関表」の更新・拡張を行うことを目的として実施する。

    また関西全体を一地域として捉えた近畿経済産業局の「近畿地域産業連関表」が2005年表を最後に作成中止となったため、本表が関西地域を対象とする唯一の本格的な2011年産業連関表となり、その意義はさらに大きくなるものと考えられる。

     

    研究内容

    関西経済の構造分析や観光消費による経済波及効果分析のために、APIRが持つ「関西地域間産業連関表」を2011年版へと更新・拡張を行う。具体的には、関西の各府県の「2011年地域産業連関表」及び総務省「2011年全国産業連関表」の統合・調整を行う。その作業過程において必要な移出入等に関する情報について、APIRマクロ研等のネットワークを活用して各府県統計担当者へのヒアリングを行う。

    対象となる府県は従来の関西2府4県(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)に加えて、福井県、三重県、徳島県、鳥取県の4県を合わせた2府8県をベースとする。これにより、関西広域連合(2府6県)、関西観光本部(2府8県)など、関西を広域で捉えた際の経済波及効果等の分析を行うことが可能となる

    産業連関表の作成においては、企業間の取引状況の把握と同時に、消費者がどこで消費行動を行っているか把握することが重要である。そのため、既存統計に加えて、関西域内外の消費者を対象としたWEBアンケート調査を実施することで、より実態に即した産業連関表を作成する

     

    リサーチャー

    下田 充  日本アプライドリサーチ研究所主任研究員

    下山 朗  奈良県立大学地域創造学部教授

    入江啓彰  近畿大学短期大学部准教授

    木下祐輔  APIR調査役・研究員

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    成果物である「2011年 関西地域間産業連関表」は、部門を集約した上でAPIRのホームページ上で発表を行う。また、各リサーチャーがそれぞれの持つネットワークを通じて、2011年表の紹介や分析成果を報告する。

    産業連関表を用いることで、関西における府県間・産業間の相互取引関係・供給構造の分析や、経済波及効果の推計を通じた政策評価を客観的かつ定量的に行うことが可能となる。これらの分析結果は、自治体の担当者にとっても、政策形成を行ううえでの重要な指針となるだけでなく、関西経済の現状及び特徴を説明する際の貴重な資料として活用されることが期待できよう。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2018年7-10月   第1回研究会開催(予定)

    ・2018年11-12月   第2回研究会開催(予定)

    ・2019年2-3月   第3回研究会開催(予定)

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.63-景気は足下、先行きともに悪化基調で推移-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    – 景気は足下、先行きともに悪化基調で推移-
    ・5月の鉱工業生産指数は4カ月ぶりに前月比大幅マイナスとなり、近畿経産局は生産の基調判断を前月から下方修正した。一方、4-5月平均は1-3月平均比で大幅上昇した。
    ・6月の貿易収支は5カ月連続の黒字となり、黒字幅は前年比大幅拡大した。アジア向けの半導体関連による輸出の伸びが、原油高による輸入の伸びを上回ったためである。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは、6カ月ぶりに前月比改善。大阪北部地震の影響はあったが、サッカーW杯開催による家電の販売増や好天に恵まれたことなどから、総じてみれば改善した。
    ・4月の関西2府1県の「関西コア」賃金指数は12カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額も2カ月連続の改善。所得環境は改善が見られる。
    ・5月の大型小売店販売額は3カ月ぶりの前年比マイナス。百貨店では気温低下による夏物衣料品の販売が低調となり、スーパーでは主に農産品価格が低下したため。
    ・分譲マンションの好調により、5月の新設住宅着工戸数は、2カ月連続で前年比大幅増加。水準は2015年6月以来の最高値。
    ・5月の有効求人倍率は前月比横ばい。労働需給が引き締まった状態が続く。完全失業率は4カ月ぶりの小幅改善。雇用情勢は好調である。
    ・6月の公共工事請負金額は前月から大幅なプラスの伸びに転じた。結果、4-6月期、公共工事請負金額は2四半期ぶりのプラスであった。
    ・5月の建設工事は、3カ月連続で前年比増加した。大阪府北部地震の影響もあり、今後は増加が期待される。
    ・6月の関空を利用した訪日外客数は16カ月連続の前年比増加。15カ月連続で2桁増が続いており好調である。国籍別では、4月は花見のため中国からの訪日客が8カ月ぶりに最多となった。
    ・4-6月期の中国実質GDPは前年同期比+6.7%となり、前期から‐0.1%ポイント減速した。6月の工業生産は2カ月連続で前年比減速し、(累積)固定資産投資は4カ月連続で同減速した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.62-景気は足下、先行きともに悪化基調-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに悪化基調-
    ・4月の鉱工業生産指数は前月比大幅上昇し、3カ月連続のプラス。また、1-3月平均比でも大幅上昇した。近畿経産局は生産の基調判断を前月から据え置いた。
    ・5月の貿易収支は4カ月連続の黒字となったものの、黒字幅は前年比縮小。アジア向けの半導体関連の輸出が伸びたが、原油高により輸入の伸びが上回ったため。
    ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりの前月比悪化。インバウンド消費は堅調だが、天候不順や3-4月に売上が好調だった衣料品の反動減などが悪化に寄与した。
    ・3月の関西2府4県の現金給与総額は13カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額は3カ月ぶりの改善となったものの、物価上昇の影響から伸びは小幅にとどまった。
    ・4月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比プラス。スーパーでは農産品価格の低下により減少したが、百貨店では高額品と初夏物アイテムの好調により増加したため。
    ・4月の新設住宅着工戸数は、分譲マンションの急増により、2カ月ぶりの前年比大幅増加。2015年6月以来の最高値となった。
    ・4月の有効求人倍率は43カ月ぶりに前月比小幅悪化も、依然として高水準で推移。完全失業率は2カ月連続で横ばい。労働力人口と就業者数の増加がみられ、雇用情勢は好調である。
    ・5月の公共工事請負金額は3カ月ぶりの前月比マイナス。基調は前月の持ち直しから減少に転じた。また、4月の建設工事は、2カ月連続で前年比増加した。
    ・5月の関空を利用した訪日外客数は15カ月連続の前年比増加。14カ月連続で2桁増と好調が続く。国籍別にみれば、3月は韓国からの訪日客は7カ月連続で最多を更新した。
    ・5月の中国経済は幾分減速感がみられる。工業生産は2カ月ぶりの前年比減速。1-5月期の(累積)固定資産投資は3カ月連続で減速。社会消費品小売総額は2カ月連続で前年比減速した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.61-景気は足下、先行きともにおおむね悪化基調-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともにおおむね悪化基調-
    ・3月の鉱工業生産指数は2カ月連続の前月比プラス。1月の大雪の影響もあり1-3月期は2四半期ぶりに低下した。近畿経産局は基調判断を、「持ち直しの動きで推移」と前月から据え置いた。
    ・4月の貿易収支は3カ月連続の黒字となり、黒字幅は前年比拡大した。中国向け半導体関連を中心とした輸出の伸びが、輸入の伸びを上回ったため。
    ・4月の景気ウォッチャー現状判断DIは、前月比横ばい。堅調なインバウンド需要に加え、株価が回復傾向となり高額消費が増加したことなどが消費マインドに好影響をもたらした。
    ・1月の関西2府4県の現金給与総額は11カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額は6カ月連続で改善したものの、物価上昇の影響から伸びは停滞している。
    ・3月の大型小売店販売額は、2カ月ぶりの前年比プラス。スーパーの販売額は野菜価格の高騰が落ち着き減少したが、百貨店の販売額は気温上昇による春物衣料の好調により増加した。
    ・貸家をはじめ、持家、分譲の減少により、3月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比減少となった。結果、1-3月期の新設住宅着工は4四半期連続でマイナスとなった。
    ・3月の有効求人倍率は2カ月ぶりの前月比小幅改善。一方、完全失業率は横ばいであった。雇用環境は引き続き堅調である。
    ・4月の公共工事請負金額は前月比増加し、2カ月連続のプラス。引き続き持ち直しがみられる。
    ・3月の建設工事出来高は2カ月ぶりに前年比小幅増加したが、1-3月期は3四半期連続で減少した。
    ・4月の関空への訪日外客数は14カ月連続の前年比増加。単月過去最高を更新したことに加え、13カ月連続で2桁増が続いており好調である。
    ・4月の中国(累積)固定資産投資の伸びは、前月から0.5%ポイント低下した。また、同月の社会消費品小売総額の伸びは前月から0.7%ポイント下落し、4カ月ぶりのマイナスとなった。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.60-景気は足下停滞気味、先行きは悪化の兆し-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    -景気は足下停滞気味、先行きは悪化の兆し-

    ・2月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比プラスだが、1-2月平均は10-12月平均比で大幅下落した。なお、近畿経産局は基調判断を「持ち直しの動きで推移」と前月から据え置いた。
    ・3月の貿易収支は2カ月連続の黒字となり、黒字幅は前年比大幅拡大した。原動機と半導体等電子部品の貢献により輸出が伸び、一方、輸入が13カ月ぶりに減少したため。
    ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で前月比悪化。インバウンド需要や春物商材の販売は好調だったが、円高・株安の影響から消費マインドは悪化した。
    ・1月の関西主要府県(大阪府・兵庫県)の現金給与総額は一定の改善が見られるが、足下物価の上昇が続いており、実質賃金の伸びは停滞している。先行きには依然注意が必要である。
    ・天候不順の影響で、2月の大型小売店販売額は4カ月ぶりの前年比マイナス。野菜価格高騰でスーパーの販売額は増えたが、春物衣料需要低下のため、百貨店の販売額は減少した。
    ・分譲の好調の影響で、2月の新設住宅着工戸数は前年比大幅に増加し、6カ月ぶりのプラス。
    ・2月の有効求人倍率は前月比横ばい。完全失業率は2カ月ぶりに悪化したものの、雇用環境は引き続き堅調である。
    ・3月の公共工事請負金額(季節調整値)は前月比大幅増加し、4カ月ぶりのプラス。結果、1-3月期は2四半期連続の前期比プラスとなった。
    ・2月の建設工事出来高は3カ月ぶりの前年比減少。関西ではオリンピック・パラリンピックの影響は見られず、伸びは低調である。
    ・3月の関空への訪日外客数は13カ月連続で前年比増加。また、12カ月連続で2桁増が続いており依然好調である。
    ・中国の実質GDPは、2018年1-3月期に前年同期比+6.8%成長した。17年7-9月期以来、3四半期連続で同じ伸び。2018年の政府目標である6.5%成長を上回った。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.59-景気は足下、先行きともに横ばいから改善傾向に-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに横ばいから改善傾向に-
    ・1月の鉱工業生産指数は前月比大幅低下し、4カ月ぶりのマイナス。また、10-12月平均比でも大幅下落した。なお、近畿経産局は生産の基調判断を前月から据え置いた。
    ・2月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字となったが、黒字幅は前年同月と比べ縮小した。輸出額は増加した財と減少した財の全体で横ばいだが、輸入額が中国産衣料品を中心に伸びたため。
    ・2月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比悪化。春節によるインバウンド需要や冬物商材の販売は好調だったが、天候不順の影響で景況感は悪化した。
    ・12月の関西2府4県の現金給与総額は10カ月連続の前年比増加。2017年通年では関西の改善幅が全国を上回った。実質賃金総額は5カ月連続で上昇したものの、物価上昇の影響で伸びは減速。
    ・1月の大型小売店販売額は3カ月連続の前年比プラス。百貨店は高額品が国内外向けに好調、スーパーは野菜価格の高騰もあり、いずれも販売額が伸びた。
    ・1月の新設住宅着工戸数は5カ月連続の前年比減少。利用関係別にみると、持家、貸家、分譲のいずれも減少が続いており、低迷している。
    ・1月の有効求人倍率は5カ月連続の前月比上昇。完全失業率は3カ月ぶりに改善しており、雇用環境は引き続き堅調である。
    ・2月の公共工事請負金額は5カ月ぶりの前年比減少。季節調整値で見ても、3カ月連続で減少している。
    ・1月の建設工事出来高は2カ月連続の前年比増加。関西ではオリンピック・パラリンピックの影響は見られず、伸びはほぼ横ばいにとどまった。
    ・2月の関空への訪日外客数は12カ月連続で前年比増加。また、11カ月連続で2桁増が続いており好調である。
    ・中国2月の製造業の購買担当者景況指数は19カ月連続で景気分岐点を上回っているが、直近3カ月は減速感がみられる。

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