「人口減少」の検索結果
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人口減少が経済に与える影響の分析
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2018年度 » 日本・関西経済軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
上席研究員 大竹文雄 大阪大学大学院経済学研究科教授
研究目的
人口減少が経済に与える影響をプラス面とマイナス面の双方から整理し、対応策を提言する。経済理論、実証分析を整理した上で、人口減少社会でイノベーションを引き起こすための組織のあり方、人口減少のスピードを遅くするための少子化対策、人口減少社会における労働力不足への対応策などについて検討する。関西圏は、人口移動や高齢化率など、同じ大都市でも首都圏と比較して、異なる点が多い。日本全体の特徴を捉えるだけでなく、関西圏に焦点を当てた分析を行うことも、効果的な政策を行うためには重要である。
本プロジェクトでは、専門的な研究結果の主な内容を、日本の、特に関西圏の、企業関係者、行政関係者向けに分かりやすくした解説を報告書にまとめる。
研究内容
経済学の枠組みで、理論分析と実証分析を用いて、人口減少の影響を明らかにする。2017年度は企業の年齢構成と生産性の関係から少子化が企業の生産性に得る影響、少子化対策としての保育所の有効性、人口減少が都市に与える影響などの研究をしてきた。2018年度は、少子化に伴うコーホート”サイズ”効果の影響、ワークライフバランス政策が労働者の健康状態や出生意欲に与える影響、戦争が人口動態に与えた影響、高齢労働者の増加が賃金・賞与に与える影響、社会的選好が出生に与える影響などについて、実証分析を進める。家計行動、企業行動に関する研究者のグループにより、日本の人口減少の経済的影響についての分析と人口減少のスピードを遅くするための政策についてのエビデンス・ベーストな政策提言を行う点がセールスポイントである。
リサーチャー
佐々木 勝 大阪大学教授
小原 美紀 大阪大学教授
滝澤 美帆 東洋大学教授
奥平 寛子 同志社大学准教授
川田 恵介 東京大学准教授
古村 聖 武蔵大学准教授
期待される成果と社会還元のイメージ
研究成果を、会員企業のみならず一般の方々にも解説する。研究成果は、企業の人事政策、人材育成などの重要な指針になるであろう。また、自治体への政策提言の一助となると期待される。
<研究会の活動>
研究会
・2018年6月22日 第1回研究会開催
・2018年10月26日 第2回研究会開催
・2019年1月25日 第3回研究会開催
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人口減少が経済に与える影響の分析
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2017年度 » 日本・関西経済軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
上席研究員 大竹文雄 大阪大学社会経済研究所教授
研究目的
人口減少が経済に与える影響をプラス面とマイナス面の双方から整理し、対応策を提言する。経済理論、実証分析を整理した上で、人口減少社会でイノベーションを引き起こすための組織のあり方、人口減少のスピードを遅くするための少子化対策、人口減少社会における労働力不足への対応策などについて検討する。関西圏は、人口移動や高齢化率など、同じ大都市でも首都圏と比較して、異なる点が多い。日本全体の特徴を捉えるだけでなく、関西圏に焦点を当てた分析を行うことも、効果的な政策を行うためには重要である。
研究内容
経済学の枠組みで、理論分析と実証分析を用いて、人口減少の影響を明らかにする。特に、少子化を引き起こす経済学的な背景と少子化対策としての保育所の有効性や保育所需要について研究する。また、企業の年齢構成と生産性の関係から少子化が企業の生産性に得る影響を分析する。さらに、都市の規模と出生率の因果関係についての実証分析を行う。実証分析では、地域ごとのサブサンプル分析も行い、日本全体と比較した関西圏の特徴を明らかにする。
家計行動、企業行動に関する研究者のグループにより、日本の人口減少の経済的影響についての分析と人口減少のスピードを遅くするための政策についてのエビデンス・ベーストな政策提言を行う。
統括
猪木 武徳 研究統括
リサーチャー
佐々木 勝 大阪大学教授
小原 美紀 大阪大学教授
滝澤 美帆 東洋大学教授
奥平 寛子 岡山大学准教授
川田 恵介 東京大学准教授
古村 聖 武蔵大学准教授
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APIR Commentary No.53<人口減少国ドイツと日本>
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ABSTRACT
日本の人口減少が始まってしばらく経つ。人口のピークは2009年だった。そこから2100年まで、日本の人口は継続的に減少すると予測されている。しかし、実は、人口減少を経験するのは日本だけではない。
国連が新しく改定した人口推計の2015年版を調べてみると、人口が21世紀中のどこかで最大値を記録し、2100年にかけて減少していく国の数は155カ国。データに収録されている231カ国のうち、実に67%に当たる。世界の総人口は2100年まで増加を続けるが、ヨーロッパやアジアの高所得国から上位中所得国では人口減少こそが常態となる。
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人口減少下の医療介護ビジネス
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ABSTRACT
医療・介護ビジネスは成長の源泉として期待される一方、担い手不足や医療・介護保険財政の悪化など課題も多い。本稿では、最初にアベノミクスにおける医療市場創出の方向性を概観するとともに、関西における医療を中心とした国家戦略特区の概況、医薬品・医療機器産業の現状と課題を紹介する。次いで、著者による人口推計を用い、医療保険・介護保険制度の財政状況及び担い手に関する需給バランスなどについて、全国と関西圏の動向を整理する。
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研究報告書「人口減少時代における大阪再生の研究-大阪都市圏の空間構造分析」をまとめました
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2011年度
ABSTRACT
人口減少時代、競争力ある大阪に再生することは容易ではない。経済の再生と居住環境の改善は大阪の競争力を高める2本の柱であるが、人や企業の活動に適した容れ物に変えることがなければ、衰退に歯止めはかからない。
本報告書はこうした認識の下、都市力によって左右される人口の動向を中心に、空間概念を取り入れた形で大阪都市圏の構造を分析した。報告書は下記をご覧ください。
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令和6年能登半島地震の影響と北陸3県経済 -ストック、フロー、人流を中心に-
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/ DATE :
ABSTRACT
1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」の影響が懸念されている。震災によって大きな被害を受けた新潟県、富山県、石川県の3県(以下、北陸3県と記す)の被害状況に基づき、復旧復興の観点からその経済的な影響を考察した。それを整理し得られた含意は以下の通りである。
- ストックの観点から北陸3県経済をみれば、民間企業資本ストックは、各県とも「サービス」が最も大きい。次いで新潟県、石川県では「農林水産」が、富山県では「化学」が大きい。また、住宅ストックは新潟県が最も大きく、次いで石川県、富山県と続く。
- フローの観点から北陸3県経済をみれば、各県とも製造業のシェアが最も高い。うち、新潟県は「食料品」が、富山県は「化学」が、石川県は「はん用・生産用・業務用機械」がそれぞれ最も高いシェアを占めている。
- 今回の震災による北陸3県の直接被害(建築物等)を推計すれば、新潟県は5,177億円、富山県は2,946億円、石川県は5,827億円、3県計で1兆3,951億円となる。また、間接被害は4兆円となり、これは2020年度の名目GDPの0.4%に相当する。
- 人口移動の観点からみれば、北陸新幹線開業を契機に富山県、石川県でみられたような人口移動が今回の震災を契機に一層進む可能性がある。3月16日に金沢-敦賀間の延伸が実現するが、この効果は福井県では限定的と思われる。
- 今回の震災で北陸の観光業の特徴が明らかとなった。北陸は国内市場に強く依存した構造となっている。人口減少が長期トレンド下にあるため、この構造から脱却する必要がある。地域創生戦略にとって、インバウンド需要の一層の取り込みを実現する戦略が重要となろう。
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DMOのインバウンド誘客の取組とその効果(2) -マーケティング・マネジメントエリアに着目した分析:和歌山県の事例から-
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ABSTRACT
本稿では和歌山県の主要な観光地域づくり法人(以下、DMO)を取り上げ、『観光客動態調査報告書』や観光庁の『宿泊旅行統計調査』の個票データを基礎統計として用いて、マーケティング・マネジメントエリア(以下、マネジメントエリア)別にインバウンド誘客の取組とその成果を分析する。分析を整理し、得られた含意は以下のようにまとめられる。
1.和歌山県の外国人宿泊者比率をDMOのマネジメントエリア別にみれば、高野町では約5割程度となっている。田辺市熊野ツーリズムビューロー(以下、TKTB)地域では約9%程度となっている。また、白浜町では7~8%台で推移している。
2.外国人宿泊者を国籍別にみれば、(1)高野町は、欧米豪のシェアが3割強と高く、一方、アジア地域のシェアも1割程度を占めている。(2)TKTB地域では、東アジア地域のシェアが5割程度と高い。しかし、(3)TKTB地域の一部である「熊野古道」ルートに限定すれば、欧米豪のシェアが5割弱に大幅上昇。この背景にはTKTBの欧米豪に対する同ルートへの誘客効果がみられる。(4)白浜町は、東アジアをターゲット層としているため、そのシェアは7割超と高い。一方、欧米豪のシェアは拡大しているが、高野町やTKTB地域と比較すると小さい。
3.TKTB地域と熊野古道ルートの比較から、同ルートの起点旧田辺市、終点新宮市や那智勝浦町ではアジア地域のシェアが高い。これは白浜町からこれらへの地域へとアジア人が周遊している可能性が高く、一層の地域連携の高まりが周遊性を拡大させる可能性を示唆している。
4.持続可能な経営の観点からすれば、これまで多くのDMOでは、単価の高い欧米豪へとインバウンドターゲット層をシフトさせてきたが、コロナ禍でこの戦略が変更を迫られている。インバウンド需要が完全に消滅している現在では、回復を見据えこれまでの内外比率を見直すことが喫緊の課題となっている。
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DMOのインバウンド誘客の取組とその効果 -マーケティング・マネジメントエリアに着目した分析:京都府の事例から-
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ABSTRACT
京都府は訪日外客の偏在する京都市とそうでない地域を抱える典型的な自治体である。本稿では観光庁の『宿泊旅行統計調査』の個票データを基礎統計として用いて、その問題の解決を目指す京都府の3つの地域連携DMOと京都市を例にとり、マーケティング・マネジメントエリア別にその取組と成果を分析する。分析を整理し、得られた含意は以下のようにまとめられる。
1. 府域及び京都市の宿泊施設の推移をみれば、府域においては宿泊施設数や宿泊者の収容人数が増加している地域がみられるものの、京都市の宿泊施設の急増が他エリアを圧倒している。
2. 京都市やお茶の京都エリアに注目すれば、外国人宿泊者の急増や住宅宿泊事業法が施行されたこともあり、簡易宿所及びタイプ不詳の宿泊施設が急増している。今後は京都市と府域の宿泊施設の需給バランスを意識し、施設の質の向上を担保する政策が課題となろう。
3. 外国人宿泊者を国籍別にみると、全エリア共通して、中国、香港、台湾等東アジア地域のシェアが高まっている。京都市では他エリアに比して観光消費額の拡大が期待される欧米豪地域のシェアが高く、一定程度占めている。今後は、欧米豪の府域への誘客と宿泊増が課題となろう。
4. 各DMOが実施した観光プロモーション事業展開は重要である。例えば、海の京都DMOは台湾に向けてのプロモーションに力をいれた結果、同国のシェアが大幅に拡大した。しかし、実効的なプロモーション活動のためにも、KPI等に基づく指標管理が重要となろう。
5. これまでのプロモーション活動に加え、京都市から、各府域へも足を伸ばし、利用客が府域を観光したくなる魅力的な仕組みづくりが課題である。その際に留意すべきは、各府域DMOで宿泊を増加させるような仕組みづくりまたはプログラムを開発する必要があろう。
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コロナ禍における大阪府の人口移動動態-住民基本台帳人口移動報告月次データを用いた分析-
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ABSTRACT
1. 大阪府の人口は2015年に転入超過に転じ、6年連続で転入超過が続いている。ただし、20年はコロナ禍の影響で転入・転出者数が4年ぶりに減少したが、トレンドに変化はない。
2. 人口移動動態を地域別にみれば、近畿からの転入超過数が最も多い。一方、2018年から20年にかけて、南関東への転出超過の傾向は続いているものの、幾分縮小している。その他の地域では、中国、四国、九州地域からの転入超過数は18年から19年にかけて拡大したが、20年は幾分縮小している。
3. 転入超過数が最も多い年齢階級は20~24歳で、うち近畿からが最も多く、中国、四国、九州も多い。しかし、20年はコロナ禍により府県間移動が制限されたこともあり、中国、四国、九州からの転入超過数が減少した一方、南関東への20~24歳の転出超過数が縮小している。
4. 大阪府内では、大阪市への転入超過数は拡大しており、特に大阪府北部では転入超過数が拡大している地域が増加している。一方、南部では転出超過が続いている地域が多い。
5. 大阪府に対して4度にわたって発令された緊急事態宣言は、人口移動動態に影響を及ぼしている。その影響は男女別に異なる状況となっており、総じて女性の転入者への影響が大きい。
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コロナ後における財政の規律回復と健全化 – 内閣府「中長期の経済財政に関する試算」から考察した論点 –
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ABSTRACT
内閣府は、例年1月と7月に「中長期の経済財政に関する試算」の結果を公表している。今年、7月21日に最新の試算結果が示された。2025年度のPB(プライマリーバランス)黒字化目標を堅持した骨太方針2021を数字で裏付けるものである。本稿では、この最新の試算結果を考察し、コロナ後における財政の規律回復と健全化の論点整理を行った。要約は以下の通りである。
1. 今回の試算結果によると、「成長実現ケース」では、2027年度にPB黒字化が達成される。前回(2021年1月)試算結果では2029年度であったのが2年早くなっている。コロナ前への経済回復がやや遅れると見通しているにもかかわらず、こうした試算結果となるのは、名目GDPの水準の落ち込みによる収支悪化要因よりも、2020年度の税収の予想外の上振れによる収支改善要因の方が大きいということの結果といえるだろう。また、歳出改革を今後も継続すれば、PB黒字化の前倒しが視野に入る試算結果ともなっており、コロナ後における財政健全化の道筋についての検討で、歳出改革は重要なポイントになることがわかる。
2. 内閣府の中長期試算の前提となっている全要素生産性の上昇率(いわば技術進歩率)については、以前から多くの研究者から非現実的あるいは過大な想定との疑問が呈されている。潜在成長率の過去の推移から、今回試算の「成長実現ケース」の想定は過大ではないかという見方はどうしても否めない。かといって、1%弱を下回る「ベースラインケース」の想定のままであってもいけない。政府が成長戦略の柱に掲げるグリーンやデジタルについて、具体的な戦略を積み上げていく議論が、財政健全化の道筋の具体化という意味でも必要である。
3. コロナ感染の収束が見極められてから、財政規律の回復とともに、PB黒字化などの財政健全化目標を再設定するのがよいだろう。コロナ後の財政健全化については、人口減少・高齢化等による構造的な財政赤字への対処と、コロナ対策のような予期できない緊急措置による財政赤字への対処とを、分けて考える必要がある。また、コロナ後の財政規律の確保のために、コロナ対応の施策を中心に、必要なくなったものが存続しないよう既存歳出のスクラップに取り組む必要があるし、補正予算も含め、追加的な歳出にはそれに見合う安定的な財源を確保するというペイアズユーゴー(pay as you go)原則が踏まえられるべきである。
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インバウンド先進地域としての関西 持続可能な観光戦略を目指して
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
研究統括兼数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学経済学部教授
研究目的
・世界に通用する観光圏「関西」形成のための、関西におけるインバウンド戦略の必要性
日本経済が人口減少化の下で、将来に亘って持続的な経済成長を実現するためには、新たな成長戦略が必要となる。特に関西経済においては、インバウンド・ツーリズムの戦略的価値が高い。本テーマでは、関西におけるインバウンド戦略を検討するための関西基礎統計の整理、マイクロデータによる分析に取り組んできた。これらを引き続き深化させる。
・持続可能な戦略策定のために考慮すべき課題
インバウンド需要を持続的に拡大するうえで課題となるオーバーツーリズムの解消に加え、最近の課題として、今後数年の間に動向変化が見込まれるIR/MICEの観点、関西三空港の観点も研究に含める必要がある。
研究内容
2018年度に引き続き、以下4つの軸でバランスよく進めるが、特に②に重点をおく。
①関西基礎統計の整理
インバウンド関係基礎データ(観光庁の公開データ、RESAS等)の整理に加え、18年度に開発した府県別外客数の月次推計手法を用いて動態を分析する 。
②マイクロデータによる実証分析
近畿運輸局等の協力のもと、エビデンスにもとづいた戦略が議論できるための実証分析を行う。具体的には、観光庁が訪日外国人客の消費実態等を把握し、観光行政の基礎資料とする目的で実施してきた訪日外国人消費動向調査(個票をもとに、訪日外国人の多面的な移動パターンの分析)・宿泊旅行統計調査(同じく、府県別宿泊者数の動態分析)等の分析を行う。
③観光戦略の在り方成長戦略立案のための課題の認識と共有
政策担当官庁、推進組織、民間団体と、持続可能なマーケティング戦略をめぐる課題を議論できる「場」を提供し、分析を通じて得られた解決策を発信する。
④IR/MICEに関する調査分析
動向調査による現状把握をもとに、課題抽出と提言の検討を行う。
研究体制
リサーチャー
松林洋一 APIR主席研究員、神戸大学大学院教授
森本 裕 甲南大学経済学部 准教授
研究協力者
柴谷淳一 国土交通省・近畿運輸局観光部 計画調整官
村上良明 国土交通省・近畿運輸局観光部 観光企画課 課長
野口礼子 関西観光本部 事務局長
都留敦徳 日本旅行業協会 事務局長
筒井千恵 関西エアポート株式会社 グループリーダー
※必要に応じてDMOや民間企業、IR/MICE関係者 等にも参画いただく。
期待される成果と社会還元のイメージ
関西の各自治体・観光団体・経済界に対して
①基礎的な観光指標を公表する
昨年に続いてインバウンド関係基礎データを整理し、関西観光本部と協力して公表する。
②インバウンド戦略策定に向けた実績推計値とマーケティング情報を提供する
観光庁データのより詳細な分析により、関西におけるインバウンド需要の特性を分析し、観光戦略を検討するために必要となる実績推計を行う 。これらは、新たなツーリズム施策の効果検証を可能にする。
また個票データ等の分析による関西と他地域の比較から、関西の強みを活かしたマーケティングの立案に貢献することができる情報を提供する。インバウンド消費需要の数量的分析(需要関数の推定)もここで行う。
③観光戦略の在り方と課題を共有するための、情報と「場」を提供する
関西三空港の動向も踏まえ、四半期毎の研究会を想定する。
④IR/MICEについて、現状分析と新たな提言を行う
最近の動向を含む分析から、新たな提言を行う。
<研究会の活動>
研究会
・2019年 7月31日 第1回研究会開催
・2019年11月21日 シンポジウム開催 (シンポジウム概要はこちら)
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地方創生 関西の人口動態と地域経済に与える影響
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
研究統括兼数量経済分析センターセンター長 稲田義久 甲南大学教授
研究目的
我が国の総人口は少子化・高齢化、人口減少が継続して進んでおり、2010年に1億2,805万人でピークを迎え、2017年の段階で7年連続の減少となった。国立社会保障・人口問題研究所の2017年時点の推計によると、2045年の日本の総人口は約1億人、高齢化率は約37%、生産年齢人口は約5,600万人になるとされている。また、東京一極集中の傾向は継続・拡大しており、2018年の東京圏(1都3県)への人口移動は、約14万人の転入超過となった。
関西は、人口の減り方が全国や東京圏より厳しい。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2010年~45年の減少率で、東京圏17%減に対し、関西は19%減となる。関西の人口減少の大きな要因は自然増減よりも社会増減である。関西から人口の転出を促している最大の要因は、関西から企業の本社機能が東京へ流出している点である。経済社会のグローバル化の流れにより、東京移転が加速された点もある。本社機能の東京集中は税収の偏在をもたらし、地域創生に取り組む関西の自治体が必要な財源を十分に確保できない状態になっている。
人口動態の足元の動向からは、東京集中だけでない、新たな兆候もみられる。2018年に大阪圏からの転出超過人数は7,907人と4年連続で縮小した。インバウンド産業が活性化している関西が人口流入を惹き付けている点もあるだろうとみられる。関西で働く外国人も増えている。
そこで、関西の人口動態を中心に、企業移転や産業構造、税収も含めて、基礎データを整理することにより、政策提案になりうる特徴やポイントを見出だすことが必要である。また、地域創生に必要な雇用所得創生について、その方策を探るうえで実証分析を行う必要がある。あわせて、地域創生、地方分権に寄与する法制度(税制等)の提案を検討していくことも有意義と考える。
研究内容
リサーチリーダーの指導の下、APIR所内研究員、近畿経済産業局、日本政策投資銀行関西支店の実務メンバーからなるワーキンググループにて、基礎データ整理と検討、実証分析、法制度の提案検討を行う。研究成果のTrend Watchでの発信の機会に、自治体・経済団体・会員企業団体・大学の関係者を集めたオープン研究会を開催し、その質疑応答や意見交換を通じ、さらなる課題の深掘りや研究の深耕を図る。
RESASをはじめとする基礎データの整理、関西地域間産業連関表を活用した実証分析は、APIRの独自性を生かしたものとなる。また、近畿経済産業局、日本政策投資銀行関西支店の協力を得ることで、オープンデータだけでは容易に得難い産業・金融関係のデータ把握や知見の共有は、本研究の質を上げることになる。
研究体制
研究統括
稲田義久 APIR研究統括兼数量経済分析センターセンター長、甲南大学教授
リサーチャー
下田 充 日本アプライドリサーチ研究所主任研究員
藤原幸則 APIR主席研究員
中山健悟 APIR調査役・研究員
野村亮輔 APIR研究推進部員
研究協力者
山本敏明 近畿経済産業局 総務企画部企画調査課長
有馬貴博 近畿経済産業局 総務企画部企画調査課総括課長補佐
坂倉孝雄 近畿経済産業局 総務企画部企画調査課総括係長
田口 学 日本政策投資銀行 関西支店企画調査課長
柏山稜介 日本政策投資銀行関西支店企画調査課副調査役
期待される成果と社会還元のイメージ
関西の人口動態と地域経済に与える影響について、基礎データ整理からの政策的インプリケーション、経済分析ツールによる実証分析、法制度の提案の3点から、政策提案になる研究成果をまとめる。研究成果は、Trend Watch として発信するとともに、景気討論会等での議論・報告にも活用することを検討し、政府、自治体、経済界、マスコミ、学界の関係者に広くアピールする。詳しい基礎データも含めた全体報告書は年度末までにまとめ、HPにて公開する。
地域創生にかかわる基礎データからの緻密な整理と分析をもとにした政策提案・制度提案は、関西の自治体関係者の政策立案を行う上での有益な参考資料・情報として活用されることが期待できる。また、政府の「まち・ひと・しごと創生本部」事務局にも報告を行い、2020年度からの第2期「まち・ひと・しごと総合戦略」への反映もめざす。
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これからの日本型雇用システムを考える
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
主席研究員 勇上和史 神戸大学大学院経済学研究科准教授
研究目的
経済活動のグローバル化、IoT、AI等の技術進歩、人口減少と外国人労働者の増加等、日本の労働市場を取り巻く環境が大きく変化するなか、それに対応した人的資源の開発や労働力の最適配分のあり方を展望する必要がある。さらに、労働者の内的変化の観点からは、多様でストレスフリーな働き方を実現する仕組みが求められている。
研究内容
様々な労働力タイプから人的資源の開発・管理において生じている変化を実証的に検証、評価したうえで、今後20年程度を視野に入れ、日本の特徴を踏まえた雇用制度、それを実現する政策を提案する。2020年度以降は、研究成果を企業が試行し、実証していくことをめざす。
変化に関するデータ整理および、リサーチャー(企業除く)等から変化に関する見解をヒアリングし、意見交換を実施する。
働き方改革を2つの視点(経済政策と社会政策の観点)から比較して課題を整理する。
研究体制
リサーチャー
藤本 真 労働政策研究・研修機構主任研究員:産業社会学・人的資源管理論/高齢者雇用
大内章子 関西学院大学経営戦略研究科准教授:人的資源管理論/女性雇用
守屋貴司 立命館大学経営学部教授:人的資源管理/外国人労働
野崎治子 堀場製作所理事管理本部HORIBA COLLAGE学長兼CSR担当
渡邊弘子 富士電子工業社長
須東朋広 組織内サイレントマイノリティ代表理事、多摩大学大学院経営情報学研究科客員教授
中山 明 APIR研究員・総括調査役
期待される成果と社会還元のイメージ
主に中堅・中小企業の労使を対象として、時代の環境変化に対応した働き方について、個人と企業、社会の関係性も踏まえて、自律したキャリアデザインを構築するための指針(人と仕事の幸せな関係)を提案。
企業にとっての事業継続(新たな事業展開を含む)に向けた働き方、労働者にとってのストレスフリーな働き方、自律したキャリアデザインの構築という、労使双方がwin-winになる仕組みを探るひとつのツールとして活用してもらう
<研究会の活動>
研究会
・2019年5月28日 第1回研究会開催
・2019年7月5日 第2回研究会開催
・2019年7月25日 第3回研究会開催
・2019年8月22日 第4回研究会開催
・2019年9月24日 第5回研究会開催
・2019年10月8日 第6回研究会開催
・2019年11月19日 第7回研究会開催
・2019年12月19日 第8回研究会開催
・2020年1月10日 第9回研究会開催
・2020年2月18日 第10回研究会開催
・2020年3月11日 第11回研究会開催
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インバウンド先進地域としての関西+MICE
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2018年度 » 日本・関西経済軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学教授
研究目的
日本経済が人口減少化の下で、将来に亘って持続的な経済成長を実現するためには、新たな成長戦略が必要となる。特に関西経済においては、インバウンド・ツーリズムの戦略的価値が高い。昨年度は、関西におけるインバウンド戦略を検討するための関西基礎統計の整理、マイクロデータによる分析に取り組んだ。
研究の3つの方向:2017年度に引き続き、関西におけるインバウンド戦略を検討するために、以下の4つの軸を中心にバランスよく研究を進める。
①関西基礎統計の整理
②マイクロデータによる分析
③観光戦略の在り方
④MICEに関する調査分析
特に研究の中心は、②である。具体的には、観光庁が訪日外国人客の消費実態等を把握し、観光行政の基礎資料とする目的で実施してきた訪日外国人消費動向調査個票・宿泊旅行統計調査個票(今年度データ取得予定)を用いたマイクロデータの分析である。
研究内容
<成長戦略立案のための実証分析>
産業としての「インバウンド・ツーリズム」を確立するために、近畿運輸局などの協力のもと、エビデンスにもとづいた戦略が議論できるための実証分析を行う。
具体的には「訪日外国人消費動向調査」等の個票データを用いて、消費品目別の需要関数を推定し、「爆買い」以降のインバウド需要決定の構造的要因を定量的に考察していく。
<成長戦略立案のための課題の認識>
政策担当官庁、推進組織、民間団体が認識する「爆買い」以降のマーケティング戦略をめぐる課題を議論できる場を提供し、その解決策を発信する。
<関西のインバウンド需要の定量分析と他地域との比較分析>
今年度の個票データを活用した分析により、観光エリアとしての調査分析が可能となり、より詳細な成長戦略立案への具体的な資料提供が可能となる。
<観光施策についてより実現性のある研究>
本研究により観光DMOや観光庁、民間の事業方針とマーケティング分析や効果検証が実現できる。
リサーチャー
大井達雄 和歌山大学観光学部 教授
松林洋一 APIR主席研究員、神戸大学教授
研究協力者
柴谷淳一 国土交通省・近畿運輸局観光部計画調整官
森 健夫 関西観光本部 事務局長
濱田浩一 関西観光本部 事務局次長
角倉洋介 日本旅行業協会 事務局長
筒井千恵 関西エアポート㈱ グループリーダー
期待される成果と社会還元のイメージ
・関西インバウンド基礎統計の整備
・マイクロデータによる分析成果
・関西観光戦略の課題の共有化
・関西の観光産業の成長戦略の立案
・観光ハードとソフトのインフラ整備の選択・集中
・DMOのKPIとその検証
<研究会の活動>
研究会
・2018年9月 第1回研究会開催(予定)
・2018年11月 第2回研究会開催(予定)
・2019年1月 第3回研究会開催(予定)
・2019年2月 第4回研究会開催(予定)
・2019年3月 第5回研究会開催(予定)
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未来を見据えた関西の総合力強化~関西広域連合の機能強化
インサイト
インサイト » トレンドウォッチ
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ABSTRACT
地域が世界と直につながる経済社会のグローバル化の進展、本格的な人口減少が進む日本の将来を見据えるならば、関西はひとつという視点から、地域としての総合力を発揮することがますます重要になる。本稿では、関西における広域連携の実績と課題を踏まえ、多様性や独自性を尊重しながらも、関西としての総合力を発揮できる制度のあり方として、関西広域連合の機能強化の必要性について意見を述べる。
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インバウンド先進地域としての関西
研究プロジェクト
研究プロジェクト » 2017年度 » 日本・関西経済軸
ABSTRACT
リサーチリーダー
数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学教授
研究目的
世界に通用する観光圏「関西」形成の必要性:日本経済が人口減少化の下で、将来に亘って持続的な経済成長を実現するためには、新たな成長戦略が必要となる。特に関西経済においては、インバウンド・ツーリズムの戦略的価値が高い。今や、その戦略のステージは、第1フェーズから「インバウンド先進地域としての関西社会をいかに設計していくのか」の第2フェーズにある。昨年度は、持続的経済成長を支える第2フェーズのテーマである「産業化」実現のキラーコンテンツとなり得る「健康」と「観光」を掛け合わせたウェルネス・ツーリズムの可能性について研究した。。
研究の3つの方向:関西における第2フェーズのインバウンド戦略を検討するにおいて、本年度は以下の3つの軸を中心にバランスよく研究を進める。
① 関西基礎統計の整理
②マイクロデータによる分析
③観光戦略の在り方
特に研究の中心は、②である。具体的には、観光庁が訪日外国人客の消費実態等を把握し、観光行政の基礎資料とする目的で実施してきた訪日外国人消費動向調査個票を用いたマイクロデータの分析である。
研究内容
<成長戦略立案のための実証分析>
産業としての「インバウンド・ツーリズム」を確立するために、近畿運輸局などの協力のもと、エビデンスにもとづいた戦略が議論できるための実証分析を行う。
具体的には「訪日外国人消費動向調査」の個票データを用いて、消費品目別の需要関数を推定し、「爆買い」以降のインバウド需要決定の構造的要因を定量的に考察していく。
<成長戦略立案のための課題の認識>
政策担当官庁、推進組織、民間団体が認識する「爆買い」以降のマーケティング戦略をめぐる課題を議論できる場を提供し、その解決策を発信する。
リサーチャー
大井達雄 和歌山大学観光学部 教授
松林洋一 アジア太平洋研究所主席研究員、神戸大学教授
研究協力者
角谷敬二郎 国土交通省 近畿運輸局観光部 計画調整官
森 健夫 関西観光本部 事務局長
濱田浩一 関西観光本部 事務局次長
角倉洋介 日本旅行業協会 事務局長
筒井千恵 関西エアポート㈱ グループリーダー
期待される成果と社会還元のイメージ
・関西インバウンド基礎統計の整備
・マイクロデータによる分析成果
・関西観光戦略の課題の共有化
・関西の観光産業の成長戦略の立案
・観光ハードとソフトのインフラ整備の選択・集中
・DMOのKPIとその検証
<研究会の活動>
研究会
・2017年6月13日 キックオフミーティング開催
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Kansai Economic Insight Monthly Vol.25
経済予測
経済予測 » Monthly Report(関西)
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ABSTRACT
<要旨>
3月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに上昇した。結果、2014年度は前年比+6.2%と2年連続の増産であり、前年(同+1.3%)から加速した。
4月の貿易は、輸出は26カ月連続で前年比増加し、単月過去最高額を更新。輸入は2カ月連続で減少。結果、貿易収支は2カ月連続の黒字。
4月の消費者態度指数は5カ月ぶりに悪化。一方で、景気ウォッチャー現状判断DI、先行き判断ともに改善しており、先行きは不透明。
2月の現金給与総額(関西コア)の伸びは横ばい。プラスの伸びを維持したものの、賃金上昇は一服している。
3月の大型小売店の販売額は9カ月ぶりの前年比マイナス。前年の消費増税に伴う駆け込み需要の反動減が見られる。
3月の新設住宅着工戸数は7カ月連続の前年比マイナスも、減少幅は3カ月連続で前月から縮小。貸家はプラスだったが、持家はマイナス、分譲は大幅マイナスとなった。
3月の関西の有効求人倍率は、 4カ月連続で前月比横ばい。雇用の回復は一服している。失業率は非労働力人口減少と就業者数増加により改善した。
4月の公共工事請負金額は前年比+40.9%と6カ月ぶりの大幅増。関西の公共工事受注は大幅な伸びを見せている。
3月の建設工事は前年比+1.0%と2カ月ぶりの増加も、建設工事の伸びは停滞している。
関空への訪日外客数の大幅な伸びが続いている。4月の訪日外客数は過去最高となり前年比+52.4%と27カ月連続の増加。一方、出国日本人数は16カ月連続の減少となった。
中国の景気減速は、GDP以外の統計からも明瞭である。4月の工業生産は幾分改善したものの、小幅な伸びにとどまった。一方、同月の固定資産投資及び社会消費品小売総額は減速が続いている。